毎月更新!時事コラム

第1835号(2025年2月15日号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「『財務省は極悪人でカルト』って言ってた」(2月1日、元財務官僚で経済学者の高橋洋一)――朝日放送テレビの番組で。1月28日に亡くなった経済アナリストの森永卓郎さんと亡くなる前に交わした言葉としてこう語った。高橋氏は、森永さんが亡くなる前に出演した番組での発言が、放送時には局側による自主規制音、いわゆる〝ピー音〟で消されていたため、放送終了後、森永さんに直接連絡して確認したという。高橋氏は「私との最後の会話ですから。遺言だと思いました」と述べた。同日の番組では、故人を偲び「財務省批判の第一人者」と紹介した。また、藤井聡京都大学大学院教授は故人について、消費税減税や政府支出の拡大の重要性を10年以上前から指摘し続け、社会に分かりやすいように「わざと軽く見せながら」語っていたと分析、「日本の世論を適正化するのに素晴らしい仕事をした」とコメントした。

◆「空き家を壊すと(固定資産税が)高くなるので、壊したくても壊せない」(1月31日、塩見明弁護士)――CBCテレビの番組で。番組では「空き家」問題を取り上げ、名古屋市中村区で近隣住民を悩ませる崩壊寸前の物件を紹介した。この空き家があるのは、JR名古屋駅から西へ3キロほどの場所にある住宅街の一角。築65年以上が経過し倒壊の恐れがあるため、名古屋市では80代の所有者に撤去するよう指導を繰り返していたが、応じてもらえずに代執行の手続きに入った。塩見弁護士は放置されたままの空き家が減らない理由のひとつに税金の問題があると指摘。「空き家といえども、家が建っていると固定資産税が少し安くなる。更地のものに比べて。空き家を壊すと(固定資産税が)高くなるので、壊したくても壊せない」と解説した。

◆「オンラインカジノ利用による賭博、公用車パスカードの不正使用および駐車場料金免除印の不正使用について、懲戒処分を行いました」(1月31日、西秀記青森市長)――青森市政記者会へのコメントで。青森市はこの日、税務部国保医療年金課の主査、税務部資産税課の主査、企画部財政課 の主事ら合計5人を停職処分(1~6カ月)とした。このうち主査の2人は人事課による聴取の際、虚偽の申告をしていたという。


気になるニュースのキーワード

基礎年金

 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべてのひとが加入する公的年金のこと。一般的には「国民年金」のことを指す。
 日本の年金制度は、いわゆる〝3階建て〟の構造となっており、すべてのひとが加入する基礎年金は「1階部分」にあたる。会社などに勤務しているひとが加入する「厚生年金」は「2階部分」にあたり、「3階部分」には企業が任意で設立し社員が加入する企業年金や個人年金が置かれている。
 学生やフリーランス、自営業者、個人事業主などは国民年金の第1号被保険者となり、定額の保険料を自分で納める。会社員や公務員は第2号被保険者とされ、公的年金の2階部分にあたる厚生年金に加入する。第2号被保険者の場合、厚生年金の保険料が給与から天引きされた時点で、自動的に国民年金の保険料も納付していることになる。
 基礎年金の保険料は毎年度、物価や賃金の伸びに合わせて見直される。2024年度の保険料は月額1万6980円で、支給開始年齢は65歳となっている。保険料を納めた期間に応じて将来の年金受給額が決まる。所得が低く保険料を納めるのが難しい場合には、保険料の免除・猶予制度を利用することもできる。
 基礎年金を給付するための財源には、加入者が納める保険料と国庫負担(税金)とを半分ずつ充てる。

解説 国の基金

学術研究助成基金

 人文学・社会科学から自然科学まですべての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させるための競争的研究費として造成された基金。「人類共通の知的資産を創出するとともに、重厚な知的蓄積の形成に資する」ことを目的としている。所管は文部科学省。基金設置法人は独立行政法人日本学術振興会。
 2011年度当初予算の一般会計から853億2800万円の交付を受けて設立。12年度には1051億5500万円、13年度には1022億9600万円、14年度には983億6700万円など、基金設立以降毎年度1000億円規模の交付を追加で受けている。11~23年度の15年間で交付された総額は1兆2753億6000万円に上る。
 公募対象は大学などに所属する研究者。応募された研究課題を8000人以上の研究者が審査して、採択された課題には研究費を助成している。研究の段階や規模、期間などにより応募区分(研究種目)を設定し、複数年度にまたがる研究費も助成する。実際に、一部の研究種目では、年度の区分にとらわれない研究費の使用など、柔軟な使用を可能としているという。22年度には6万件超の研究課題に対して支援を実施した。
 基金事業の終了予定はないため、終了時期も定めていない。このため毎年度の当初予算により追加で造成し、新規研究課題の公募・採択を継続実施している。23年度末の基金残高は1286億7400万円。

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