税務調査の実例集
個人事業主の方や法人企業様にとりまして、事業を行っている限り税務調査は不可避ではないでしょうか。また突然税務署から税務調査の連絡が入り、非常に動揺しておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は税務調査の具体的事例と対処方法について説明をしたいと思いますので、ぜひ今後のご参考にして下さい。
事例1インターネット取引の無申告
サラリーマンが個人で副業として多額のネット通販やオークションを行っていたが、今まで確定申告を行っていなかった。
会社の給与以外の年間所得金額が20万円を超えている場合、必ず確定申告が必要になります。
事例2現金商売の売上管理
飲食店を営んでいるが、毎日の現金管理をしっかり行っていなかった。
レジスター等で現金管理を行い、毎日の習慣として帳簿記帳をしっかり行いましょう。
またパソコンによる経理ソフトの導入もお勧めします。
事例3売上代金の除外
社長の個人通帳に本来会社が受け取るべき売上代金が入金されたままになっていた。
税務調査時には社長個人や家族の分まで個人通帳の提示を求められることがあります。
また意図的な売上除外は重加算税等重い罰金も課されますのでご注意下さい。
事例4少額な雑収入の除外
製造業・建設業で発生するスクラップや自販機・貸電話等、少額の雑収入を会社の収入として計上していなかった。
少額な収入もれについても税務調査時には必ず指摘されますので、忘れず収入計上を行いましょう。
事例5商品在庫のたな卸計上もれ
商品在庫の管理をしっかり行っておらず、決算時に在庫として計上していない商品があった。
在庫商品の出入管理は必ず行いましょう。パソコンの販売管理ソフト導入もお勧めします。
事例6架空の人件費計上
1人のアルバイトに対して支払った給料を複数の架空の人物名義で分散して計上していた。
人件費は業務日報やタイムカードにより勤怠管理を必ず行いましょう。また源泉所得税の徴収も忘れず行いましょう。
事例7私的交際費の混入
会社で支出した交際費に社長のプライベートな慶弔費・遊興費(ゴルフ・飲食費)が含まれていた。
ビジネスにおける公私区分はしっかりと行い、贈答相手先の氏名や参加人員数の記録を必ず残しておきましょう。
事例8消費税・地方消費税の無申告
消費税の基準期間(前々期)の課税売上高が年額1,000万円を超えていたに、消費税の 申告・納税を行っていなかった。
消費税等が無申告の場合には、一時に多額の税負担が発生することが予想されます。
ご自身が課税事業者に該当しないか、毎期ごとの課税売上を集計・管理していくことが不可欠です。
事例9外注費否認と源泉所得税の課税
建設業や広告出版業等で一人親方やフリーランスを外注扱いしていたが、雇用契約に基づく給与所得として外注費を否認された。
外注費の場合は本人が作成した請求書・領収書の保存が必ず必要です。もし外注費が否認された場合、消費税仕入税額控除過大による消費税追徴や源泉所得税の徴収もれにより二重の税負担が発生します。