代表ご挨拶

9月のご挨拶

令和3年9月吉日

 新涼の候、緊急事態宣言下ではありますが、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じあげます。
 さて、今回はコロナから離れて「たばこ」についてお話をさせて頂きます。
 たばこは嗜好品であり、私も記憶は定かではありませんが、未成年のころから42歳までは人並みの愛煙家でありました。そのころはガソリンスタンドでの給油中以外どこでもたばこが吸える時代でした。もちろん職場でも喫煙が可能で、吸い殻や灰皿の後始末は当たり前のようにたばこを吸わない女性の仕事とされていました。今思えば全くひどい時代でしたね。今更遅いけれど「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」。
 そのたばこの価格が、10月1日からまたまた値上げされるとの事です。
 世間では「喫煙は税金を吸っているようなものだ」といわれますが、一体いくらの税金を吸っているのか調べてみました。
 財務省の「たばこ税等に関する資料」によりますと、たばこには幾つもの税金が課されており、たとえば、紙巻メビウス1箱540円には次のような税金が組み込まれています。 ①国税たばこ税:126.04円、②国税たばこ特別税:16.40円、③道府県たばこ税:20円、④市町村たばこ税:122.44円、⑤消費税等:49.09円、合計:333.97円。商品価格の 61.84%は異常に高い税率ですが、厚労省によると「国民の健康維持と国民医療費削減の見地から税率は高い方が好ましい」という見解です。
 他方財務省にとって、たばこ税は国税・地方税を併せ1年度当たり2兆円前後の税収があり、相続税に匹敵する重要な歳入となっています。国や地方の財政事情からして税率を上げこそすれ下げれば他に財源を求めなければならず、現状変更は難しい状況と言えるでしょう。欧米では1箱1000円以上となっていますが、事実上の価格決定権を持つ財務省がじわりじわりと値上げをする戦略は、いかにも日本人らしい発想ではないでしょうか?
 私が愛煙家であった当時吸っていたセブンスターは、1箱100円でした。10月1日からは600円になります。長いデフレの間にもじわりじわりと税率を上げてきたのですね。
 最後に日本医師会のホームページの「禁煙の医学」というサイトの記事をご紹介します。 その記事によりますと「やめたくてもやめられない喫煙は『ニコチン依存症』という病気であることを認識して下さい」とあります。ニコチンはモチベーション(やる気)を上げるドーパミンという神経伝達物質をたくさん放出しますがすぐに消えてしまいます。そうすると禁断症状になり、たばこを吸いたい!ニコチンが欲しい!という依存症になるのです。お酒(アルコール)にもコーヒー(カフェイン)にもドーパミンを活発化する作用がありますが、依存症の割合が圧倒的に高いのはニコチンです。
 肺に煙を吸い込むのはどう考えても体に良くないですね。値上げを機に御一考を願います。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

8月のご挨拶

令和3年8月吉日

 暑中お見舞い申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、厳しい暑さと新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で行われた「2020東京オリンピック大会」についてJOC・組織委員会・東京都及び政府の総括は以下のようなものでしょう。
 一つは「東京オリンピック開催が直接的な引き金となって、爆発的感染を起こすようなことはなかった」二つは「国民の安全・安心を確保しながら、参加選手の夢を叶え無事に終了することができた」結果として「日本は金メダル27個を含む58個と過去最多のメダルを獲得し、国民特に若者に明るい希望を与えることができた」だから「やっぱり開催してよかった」ということになるのですが、残念ながら「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」とはならなかったようです。
 さまざまな問題が持ち上がった「2020東京オリンピック大会」に正しい評価を下すには、もう少し時間が必要でありましょう。
 気になるのは五輪開催期間(7/23~8/8)前後の新型コロナウイルスの感染状況です。厚生労働省によると、国内の1日当たり新規感染者数(1週間平均)は6/30~7/6の約1,620人から8月上旬には14,000人超と10倍近くになりました。
 8月13日には初の2万人超となり過去最多を更新し、厚労省に対策を助言する専門家組織は「医療現場や保健所の状況は『災害時の状況に近い局面』である」と分析しています。
 全国知事会も同日「自治体のコントロールが困難な局面であり、政府の対策にはその有効性が認められない」と緊急声明を発表し批判しました。
 そして現在、感染者数の増加や重症化率が特に深刻な状況にある東京都の医師会会長である尾崎治夫会長は、中日新聞社の取材(松尾博史記者の質問)に応え以下のように述べられました。(以下1~4は8/14朝刊記事を要約・転載しました)

 

  1. 東京五輪が直接的に感染を広げたり、医療体制を逼迫させたりする原因にはならなかったようだが、五輪は祭典なので間接的に感染者が増える原因にはなったと思う。
  2. 医療専門家はデルタ株の感染者数増加について予想し国に進言していたが、菅総理は「高齢者がワクチンを打ち終わりつつあるから、重症者は増えない。亡くなる人が増えなければいい、ワクチンをどんどん打ちましょう」としか言わない。
  3. 出口戦略を描くのが国の役割なのに自粛要請をするだけでは感染を抑えられない。もっと人の流れを強力に防ぐ政策を打たないと地方でも医療崩壊になる。
  4. パラリンピック開催の是非は政治が決めることだが、まだワクチンを打っていない人が結構いる。パラ大会開催時の感染状況は五輪の時より悪くなっていることが予想される。東京では入院が難しい状況を考えると「開催は難しい」と判断するのが妥当ではないか。

 

 さて「パンとサーカスとコロナ」について、皆様はどのようにお考えになりますか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

7月のご挨拶

令和3年7月吉日

 七夕の候、長雨が続き梅雨明けが待ち遠しい昨今となりました。高齢者に対する新型コロナウイルス感染症ワクチンの優先接種が相当進み、小規模な自治体ではほぼ完了したところもあるようです。私事で恐縮ですが、私も7月7日に2度目の接種をして頂きました。誠に有り難いことと感謝しております。
 さて、本日(7/15)の新聞報道によりますと、東京都のモニタリング会議において6月半ば以降、新規感染者の9割超を50代以下が占め、感染が若い働き盛りの人に移行していると報告されました。高齢者の感染が少ないのはワクチン接種の効果が表れている証拠で喜ばしいことですが、早く希望者全員の接種が終わるよう効率良い運用をお願いします。
 またワクチン接種は予防のためですが、罹患してからの治療薬の開発も進んでいます。厚生労働省が認可済みの治療薬はレムデシビル(エボラ出血熱の治療薬)など3種類ですが、いずれも他の疾病のために開発された既存薬を転用したものです。なかでも多くの候補薬のなかで抗寄生虫薬「イベルメクチン」が注目されています。この薬は2015年に栄誉あるノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が米製薬会社のメルク社とともに開発した薬で、アフリカなどの熱帯地方でブユに刺されて寄生虫が体内増殖したことによる失明を予防する効果があり、この薬のお蔭で多くの人々が救われています。
 英国の医師や研究者などで構成されるBIRDも、イベルメクチンの使用により新型コロナウイルスに感染する率が90%以上、死亡率は68~91%減少すると発表しています。他の治療薬と比べ格段に薬価が安いこともあって、イベルメクチンの使用は発展途上国における投与例が多いようです。日本でもすでに一部の病院で使われており、厚労省は「新型コロナウイルスへの適応外使用を認める」と発表しています。ただし適応外使用により副作用が出た場合には、国による救済対象にならない可能性があるということです。
 しかし国連の専門機関であるWHO(世界保健機関)はイベルメクチンの効果について「証拠が不十分である」として、否定的な声明を出しています。果たして、製薬会社や研究機関による大規模な臨床例が少ないことだけがその理由なのでしょうか?
 そこで大村博士は研究開発などで以前から関係のある製薬会社「興和」に相談したところ、興和は北里大学、愛知医科大学、東京都医師会と共に「製薬会社としてその社会的使命を果たす」と協力を約束されたと報告されています。
 興和という会社は私たちに馴染み深い企業であり、風邪薬のコルゲンコーワや胃腸薬のキャベジンコーワにお世話になった方も多いのではないでしょうか?松阪市にて平成8年まで活動した興和紡績という会社も身近な存在でした。また彼の有名な豊田佐吉の自動織機開発を支援していたことでも知られています。
 最後に、各製薬会社が早期に臨床試験を重ね、治療薬の安全性を確保したうえで、厚生労働省の認可を取得されるよう願ってやみません。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

6月のご挨拶

令和3年6月吉日

 薄暑の候、田植えも終わり緑色の稲がすくすくと育つ季節となりました。
 報道によりますと、東海地方は5月16日に梅雨入りしたとの発表がありましたが、今年の梅雨は長期間に亘るとのことです。
 皆様、健康にはくれぐれもご留意頂きますようお願い申し上げます。
 さて、昨年末からイスラエルや中国並びに欧米の国々では新型コロナワクチンの接種が始まり、接種率もかなり高くなってきました。その結果、特に深刻な状況にあった米国や英国では6月10日現在、ワクチンを1回以上接種した人の人口に占める割合がそれぞれ51%、60%となり、感染者数が一気に減少したことを受けて、行動制限が解除されて人々は外食やイベントを楽しみ、経済活動も復活してきた様子がニュース報道されています。
 我が国では、菅総理が1日当たりの接種回数を100万回に増やす目標を掲げましたが、6月10日現在の接種率は12%台に止まっています。
 ところで、通常ワクチンの開発には1年、臨床試験に2年以上、有効性や安全性の審査にはざっと5年を要すると言われています。この点に関し厚生労働省のホームページには、有効性や安全性に関する詳細な情報が載せられており、私たちは接種する前に一読するとともに、今後発表される情報にも注意を払う必要があります。
 私自身の日常生活に目をやりますと、この一年半に及ぶコロナ禍で気付かされたことがいくつかあります。
 第一は、「不要不急の外出制限」といった行動自粛を求められても苦にならない自分がいることです。もともと旅行などは人様から誘われて連れて行っていただくタイプの人間でありまして、仕事上での出張以外自ら企てて出かけることは少なかったように思います。
 第二は、「一人でいることが快適である」ということに気付いたことです。今までは仕事をするには職場に出かけ、お客様を訪問し多くの人とお会いしてきましたが、国を挙げてのテレワークの推奨など「なるべく人と接触しないで仕事をするように」とのお達しを受けて一人でいる時間が多くなると、ストレスがかなり減少したことを実感します。
 第三は、「親しい人がいることの有り難さ」です。人との繋がりが断たれると不安になるものですが、学識豊かで心理を弁え高邁明敏な友がいてくれれば、人生は豊かになるものです。
 現在の私の楽しみは、親しい人と雑談をすることです。久しぶりにお会いして話に熱中するせいでしょうか、いつの間にかマスクをしていないことも度々です。逆に、長期に亘る感染症対策が身についてしまったのか、携帯電話で会話をするときにもマスクを外していない自分に気づくことが度々あります。マスクを着けたまま会食は無理ですが会話はできます。マスクを外して会食が出来る日も近くなってまいりました。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

5月のご挨拶

令和3年5月吉日

 薫風の候、五月雨に洗われた若葉が美しく輝く季節となりました。新型コロナ変異型の感染が拡大しているようですが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
 さて、大型連休中には地方都市において人出の多さが目立ちましたが、このことが変異型拡大の一因といわれています。北海道や岡山県、広島県で感染者が急増しています。
 朗報は、わが国でも漸くワクチン接種が本格的に始まったことです。医療従事者の皆様をはじめ接種を終えられた方もお見えになるようです。ワクチンの供給量は充分手当されているようで、必要量1億2千万回分のうち、5月中旬には累計5,000万回分ほどが国内に輸入されたとの事です。菅総理のおっしゃる「1日100万回接種」も実現可能となってきました。
 問題は接種体制です。菅総理は7月末までに高齢者接種を完了させるように指示を出しましたが、14%ほどの市町村では7月末までに完了は不可能と回答しています。一番の原因は「医療従事者の不足」が挙げられています。
 一方、世界の接種状況を見ると、国別100人当たりの接種完了人数は米国37%、英国30%に対し、日本は1.4%と先進国の中で圧倒的に遅れています。もしかすると最下位かもしれません。
 専門家のご意見によりますと、集団免疫獲得には70%に到達する必要があるとされていますが、米国では5月8日にテキサス州AT&Tスタジアムで、ボクシング世界スーパーミドル級王座統一戦が開催されました。結果はWBAとWBC王者のカネロことサウル・アルバレス(メキシコ)がWBO王者のビリー・ジョー・サンダースを7回TKOで破り、統一王者となりました。(私はボクシング愛好家ですが、自分ではやったことがありません)
 私が驚いたのは、この時期にこのイベントを開催し、ボクシングイベント史上最高の73,000人を超える観客を集めたことと、会場における多くの観客がマスクの着用をしていなかったことです。米国はワクチンの効果に相当な自信を持っているようです。「とにかく早く、予約も住民証明も不要、どこでもいいから近くの会場で、国籍を問わず旅行者でもワクチンを接種しましょう」とかなり緩いルールで運用されています。
 日本には「急いては事を仕損じる」に対し、「善は急げ」という諺もあります。ワクチン接種の情報も豊富に提供されるようになって来ました。
 接種するかしないかを決めるのも、結果責任を引き受けるのも自分自身です。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

4月のご挨拶

令和3年4月吉日

 春粧の候、宮川堤の花も吹雪と舞い散り、葉桜ばかりと相成りました。
 皆様におかれましてはお元気でお暮しのことと存じます。
 さて、4月は活き活きとした季節であり新年度の始まりですが、新型コロナウィルス感染症が一年を超えて蔓延るなか、新入学された大学生や新社会人の皆様は、どのような新しい生活をスタートされたのでしょうか?目標を失わずに頑張って頂きたいものです。
 解決すべきは、ここ一年余り私たちが経験した「新型コロナウィルス感染症対策」と「経済活動の継続」です。どちらも大切ですが「あちらを立てれば、こちらが立たず」、二匹の兎を追いかけてはいけないこともよく判りました。
 世界各国においてもこれといった切り札がないようですが、隣国の中国や台湾では、「コロナ封じ込め」に成功しているとみられています。
 中国の新型コロナウィルス感染症対策は、①PCR検査を徹底して行い感染者を隔離する、②私権の尊重は二の次として、ほぼ全ての成人の行動をスマホ専用アプリで追跡する、③クラスターの発生した地域は都市封鎖するといったところでしょう。加えてパンデミック発生当時から国産ワクチンの開発に着手し、昨年の夏からは国民にワクチン接種が開始されました。最近では中南米やアジアの開発途上国へワクチンの供与も行っています。このような素早い対応は一党独裁国家であることに加え、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)を克服したことから感染症対策を学んだと言われています。
 他方、アジアで最も先進的な民主主義社会とされる台湾(人口約2,356万人)は、一昨年の年末に中国武漢で原因不明の肺炎が拡がっていることをいち早く把握し、早期に国境封鎖をしました。徹底した水際対策と防疫措置やデジタル担当相のオードリー・タン(唐鳳)氏発案のアプリによる薬局のマスク在庫管理など「台湾モデル」として高く評価されています。本年3月6日現在累計感染者数は1,000名程度で死亡者は10名と報じられていますが、ワクチンは他国に頼るしかなく、3月22日に英国製アストラゼネカなどのワクチン接種が始まりました。
 翻ってわが日本国の現状をみると、4月13日現在で感染者数は51万人を超え、死者は9,500人に迫って来ました。「感染症対策をきちんと行っていく。経済が破綻すればもっと大変」とおっしゃる菅義偉総理と都道府県知事は、今もって二兎追うお考えのようです。
 経済を蔑ろにするわけではありませんが、優先順位の第1位が感染防止であることは論を俟たないことです。徹底した感染症対策が巡り巡って経済の維持につながるのです。
 多くの日本国民は、コロナ禍が有事であり、憲法が保障する基本的人権(自由や権利)が制限されることを自粛という形で既に何度も受け入れているではありませんか。

税理士法人あおぞら 社員税理士 永井 良雄

3月のご挨拶

令和3年3月17日

 春風の候、日増しに暖かさを加える頃となりました。皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
 未だコロナ感染症が収束しませんが、大自然の営みは変わることなく折々に相応しい季節をもたらしてくれます。今年もそろそろ伊勢市周辺の桜の花が開花しそうです。
 あおぞら宮川事務所の近くを流れる宮川の堤防沿いには「一目千本桜」と称される桜並木があり、「日本桜名所百選」に数えられるほど、それは見事な景観であります。
 さて、今年の桜の開花を見ることなく、私ども税理士法人あおぞらの会長である西出克巳が3月8日に心不全のため亡くなりました。享年76歳でありました。
 持病があったとはいえ、あまりにも急なことで役職員一同、言葉を失うほどの驚きと悲しみに暮れています。現下のコロナ感染症を考慮されたご遺族のご意向で、皆様にお知らせする事が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。
 西出会長は若くして税理士資格を取得し、理想的な税理士事務所経営を実践されました。理想的と申しますのは、租税正義の実現を目指し、かつ、お客様の親身の相談相手として企業を正しく発展するよう指導に尽力したということであります。
 お客様には、国家の財政基盤である税金を法律に則って一円の過不足もなく納税して頂き、税務官公署の調査には法律を唯一の拠り所として論を張り、公平中立を貫いた税理士でありました。
 また、お客様のご商売の発展にも不易流行を弁えた様々な経営助言を実践致しました。しかし、西出会長が経営者の皆様に一番大きな影響を与えたのは、対処療法的な手法ではなく、「正しい心の持ち方並びに正しい考え方」を何度も繰り返し経営者の皆様にお伝えしたことであると思います。
 私も、個人事務所時代から経営上の悩みや税務調査などで判断に困ると、よく相談に乗って頂きました。あるとき私自身の事務所経営の問題で悩み、相談申し上げたときのことです。西出会長は「永井さん、ちょっと時間を下さい。瞑想してからお答えさせて頂きます」と言われ、私はきょとんとしたことがあります。
 そして数日後に頂いたお答えも「正しい心の持ち方並びに正しい考え方」でした。会長自身は禅の修行や瞑想の実践者でもあったのです。
 平成19年6月に西出会長の発案に4名の税理士が賛同して税理士法人あおぞらを設立致しました。会長を失いまさに「巨星墜つ」の感は否めませんが、これからは北村代表税理士をはじめ若い社員税理士を中心にお客様が正しく発展なさるように努力してまいります。
 今後とも税理士法人あおぞらへのご支援を宜しくお願い申し上げます。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

2月のご挨拶

令和3年2月吉日

 向春の候、梅のつぼみもそろそろ膨らみ始めました。皆様お元気でお過ごしのことと拝察申し上げます。
 さて、世界各国において新型コロナワクチンの接種が相当進んできました。我が国でも漸く2月17日から医療従事者を対象に実施されることとなりました。日本人は石橋を叩いて渡る(叩いても渡らない?)国民性からでしょうか、主要7ヶ国(G7)で最後になってしまいました。
 大きな期待が向けられているワクチン接種をめぐっては、優先順位とともに「場所」と「人材」の確保が大きな問題となっています。まずは先行接種の医療従事者1万~2万人が対象となりますが、専門家であることから場所や人材の問題は生じないことでしょう。
 考えなければならないのは、4月以降に優先接種が始まる65歳以上の高齢者3,600万人への対応です。人の密集を避けるため、一般的な診療所では対応しきれない大規模な集団接種となるため、全国の自治体では会場確保に追われているとのことです。
 新聞報道によりますと、自治体と防災協定を結んでいるイオンモール等の商業施設やメガバンク(研修所や保養所等の提供)が協力の意向を示しているそうで、誠に有り難いことです。海外では店舗内の薬局を接種会場にしている国もあるそうですが、わが国では法規制などの難しい障壁があることでしょう。
 高齢者3600万人の集団接種では、人材の確保が問題となっています。厚生労働省が承認するアメリカの製薬会社ファイザー製のワクチンを3週間で2回接種する場合には、単純計算で医師が1万1千人、看護師・准看護師が2万8千人必要になります。国内には30万人以上の医師がおみえになり問題はなさそうですが、医師の先生方には本来の日常診療業務があり、長期間集団接種に従事することは難しいとの指摘もあります。
 国内では接種する人の資格は医師と看護師に限られています。一方、米国では薬剤師も訓練を受けて認定を受ければ接種できるそうです。英国では医療経験がないボランティアなども講習を受ければ医学知識や経験は問わないとのことです。逼迫した感染状況からそのような措置が取られているものと推察されます。
 気になるのは基礎疾患がなく医療従事者等でもない高齢者以外の成人・若年者が一律に後回しとされても問題はないかということです。高齢者と生活する人や高齢者と接触する機会の多い職種の人、感染拡大防止の観点から飲食店店員への優先接種などきめ細かい対応が望まれます。
 思い起こせば、アベノマスクの全国民への配布は随分遅れましたが、スガノワクチンは希望する国民がいち早く接種を受けられるようお願い致します。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

1月のご挨拶

令和3年1月吉日

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜りまして有り難うございました。
 本年も税理士法人あおぞらは、新型コロナ感染症が未だ収束しない状況下で事業継続に努力される皆様をしっかりとサポートさせて頂きます。何なりとご相談下さい。

 

「日本が ここに集まる 初詣」 (山口誓子)

 

 この句は日本人なら誰もが経験のある押し合わんばかりの初詣の有り難い光景を詠んだものです。ところが今年の正月三が日の全国の神社仏閣の様子はすっかり変わってしまったようです。当事務所が所在する伊勢市に鎮座まします伊勢神宮でも新型コロナウイルス感染症の影響で、参拝客が昨年の56万人から17万人へと激減したと神宮司庁より報道されました。
 さて、菅内閣総理大臣は1月7日に1都3県を対象として緊急事態宣言を発令しました。菅総理の発言要旨は皆様ご承知のとおりですが、菅内閣(安倍内閣を含む)の感染症対策には全面的な信頼を寄せられないと感じているのは私だけでしょうか?
 世界を見ると日本よりも感染状況のひどい国はたくさんありますし、ワクチンや治療薬もこれといった決定的なものがなく、各国とも手探りの状況であることは認めざるを得ません。「菅内閣は良くやっているじゃないか。誰がやっても大変だよ」という国民の声も聞こえてきます。
 しかしながら多くの国民の不信の根拠は、①遅きに失したGoToトラベルの一時停止、②後手に回った大阪府などへの緊急事態宣言対象地域の追加拡大、③あくまでも東京オリンピックを開催するという頑迷固陋な根拠なき意思表示、④専門家の意見を尊重するという責任転嫁、⑤記者会見におけるご飯論法による回答や追加質問の拒否に加え、国のリーダーとしての今までの行動と言葉による説得力の弱さではないかと思います。
 「政策がうまく行かなかった時には全責任を菅政権が取る。だから国民の皆さん、どうぞ政府が示す基準に従って行動して下さい」というメッセージを発信して頂きたいものです。
 ここで、12月9日に新型コロナによる死者数が一日590人という過去最多となったドイツのメルケル首相が国民に訴えかけたメッセージをご紹介します。冷静沈着で知られるメルケル首相は「心の底から申し訳なく思います。けれど、私たちが払う代償が一日590人もの命だとしたら、それは到底容認できません。クリスマス前に多くの人と接触する事で、祖父母と過ごす最後のクリスマスになってはならない」と感情を露わにして強く訴えました。菅総理のこれからの言動にも注目して参りましょう。
 収束の見通しなきコロナ禍の下、私は「知ること」とともに「考えること」に多くの時間を充て心眼を養う一年としたいと考えています。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

12月のご挨拶

令和2年12月吉日

 初冬の候、今年もいよいよ残りわずかとなって参りました。
 新型コロナの感染拡大第3波が到来していますが、皆様お元気でお過ごしのことと拝察申し上げます。
 さて、12月8日という日は針供養などが行われる事納めの日であり、お釈迦様が悟りを開かれ仏陀になられた日(釈尊成道会)でもあります。
 そして、1941(昭和16)年12月8日は、太平洋戦争が勃発した記憶に留めるべき日です。日米開戦の日、開戦の臨時ニュースが流れた或る大学の教授は廊下に飛び出し「万歳」と叫んだということです。今だからこそ「太平洋戦争は軍や政府が国民を先導した無謀な戦争であった」という見方が定着していますが、当時の日本には大日本帝国憲法のもと国家総動員法や治安維持法が施行されていたことに加え、欧米列強の経済的な締め付けに対する国民感情からすると、知識人でさえ開戦に積極的であったことが解ります。
 日本の代表的歌人である斎藤茂吉もその一人であったと言えます。
 茂吉が開戦時に詠んだ歌に「やみがたく たちあがりたる 戦(たたかい)を 利己妄慢(りこぼうまん)の 国国(くにぐに)よ見よ」とあります。
 すべての国民は時代や国家の過ちからは逃れられないし、一般庶民は戦争に反対する余裕などなく、反国家的と受け取られかねない沈黙を守ることも困難であったのかも知れません。
 付け加えますと上記の「万歳」と叫んだ大学教授は、自身も被爆され、1952年に広島の原爆死没者慰霊碑の碑文の言葉『安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから』を考案された雑賀忠義広島大学教授その人であります。
 斎藤茂吉はお医者様でもありましたが、1918年から1920年にかけて世界中に猖獗したインフルエンザ、所謂スペイン風邪に感染し生死をさまよったそうです。そのとき詠んだ歌が「はやりかぜ 一年(ひととせ)おそれ 過ぎ来しが 吾は臥(こや)りて 現(うつつ)ともなし」というもので、生きた心地がしなかった様子がよくわかります。当時の記録によりますと、日本でも約2、300万人が感染し3年間で38万8千人が死亡したそうです。
 歴史を振り返って見ると、人類は戦争や感染症から逃れられないのではないかと絶望的な気持ちにさせられますが、感染症はワクチンなどの医療科学で解決できることでしょう。翻って戦争はどうでしょうか? 戦争は技術や科学では抑えられそうにありません。
 戦争をなくすには、1980年12月8日に亡くなったビートルズのジョン・レノンが歌うImagine(イマジン)という曲の中に答えがあると思います。ぜひともお聴きください。
 コロナ禍の一年でしたが、今年も税理士法人あおぞらにお力添えを頂きありがとうございました。来年が皆様にとって良い年となるようお祈り申し上げます。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

11月のご挨拶

令和2年11月吉日

 夜寒の候、立冬を迎えましたが、このところ穏やかな秋日和が続いています。
 皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、米メディアは「11月3日投開票の米国大統領選挙は13日に結果が全て判明し、選挙人538人の獲得数は、バイデン氏306人・トランプ氏232人となった」と報じました。この数字から見ると勝敗は明らかなようですが…。
 日本の総理大臣は国民による直接選挙ではなく、国会議員の中から衆参両院で国会議員が選ぶ制度となっている為、国民は「蚊帳の外!!」、外野席で様子を眺めているような風景です。米国の選挙運動をテレビで見ていると、カラフルでフェスティバルのようなイベントや両候補の舌戦(乱闘?)が羨ましいような気がするのは私だけでしょうか?
 米大統領選挙は各州で選ばれた「選挙人」の投票で決める間接選挙制度をとっており、全米50州がそれぞれ独自の方法で選挙を行っています。そして、過去の選挙でも投票妨害や選挙管理委員会の集計ミス、外国による介入疑惑があり、選挙の公平性が疑問視されたことがありましたが、今回は現職大統領が選挙活動中から「選挙で不正が横行している」と戦略的に主張したことで一層の混乱を招き、法廷闘争は避けられない状況となっています。
 トランプ氏のいくつかの主張のなかで私がいちばん驚いたのは、コロナ禍で利用が急増した郵便投票について「広く不正に使われる」と根拠のない批判を繰り返し、郵政公社への資金支援を不要としたことです。
 もう一度振り返って数字を見てみましょう。
 2016年大統領選でトランプ氏が勝利した州のうちバイデン氏が勝ったのは、5つの州(ジョージア、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガン、アリゾナ)となりました。しかし全米50州と首都ワシントンのうち、バイデン氏は25州と首都ワシントンを、トランプ氏は25州を制しました。見方によっては接戦です。
 全米での得票は、バイデン氏が7808万票(得票率50.8%)、トランプ氏が7273万票(47.4%)でその差は535万票ですが、勝者総取り方式では票の数え直しで総得票数がひっくり返ったとしても意味がないことかも知れません。また司法が取り上げるか否かは不明です。ただ、トランプ氏の諦められない気持ちも分かります。
 得票数は両候補ともこれまでの最多得票を上回ったのは事実であり、民主主義が健全に機能しているともいえるでしょう。しかし、自らの勝利以外の結果を受け入れず、あくまでも信念の正当性を示すことが、政治暴動にまで広がるとすれば民主主義は危険な状況に陥ることとなります。そこで私は提言したい。『トランプ大統領閣下、ここはひとつ潔くバイデン氏の勝利を認め、4年後に再度大統領選に挑戦されてはいかがでしょうか? バイデン氏に比べると、あなたはまだまだお若いのですから』と…。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

10月のご挨拶

令和2年10月吉日

 秋冷の候、爽やかな季節となりました。皆様お元気にお過ごしのことと存じます。
 さて、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、紅葉を愛でる旅に出ることもままならぬ状況が続いております。
 私事で恐縮ですが、古希を過ぎ72才となった私は、ここ10年ほど11月になると開催される中学校の同期会に参加しております。参加者は毎年30人前後でしょうか。開催日は11月最後の土曜日、場所は東京赤坂にあるレストラン、開始時間は13時からと、3つの要素が不変の「生存確認の場」であります。ランチを2~3時間かけて頂き、記念撮影をして、最後にみんなで手をつなぎ輪になって、森山良子さんの「今日の日はさようなら」を歌い散会となります。これまた恒例となっていますが、名残を惜しむのか、はたまた家に帰りたくないのか解らない爺さんと婆さん10数名は、近隣のカラオケで2次会をするのが習わしになっておりました。こうした老人のささやかな楽しみを奪ったのが、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)です。
 今年は10月初旬に元生徒会長であり同期会の幹事K君から「コロナのためGo toトラベルがGo toトラブルとなってはいけないので、残念ですが中止とさせていただきます。皆さん来年まで生きていて下さいね」というメールを受取りました。K君はいくつかの慢性疾患を持っているので、何となく気になった私は数日後彼に携帯をしました。「K君元気か?同期会中止の連絡をもらったけど、声が聞きたくなって電話しました」と話しを切り出すと「ありがとう。体調の方は大丈夫だよ。本当に安全な状況になったら、開催準備を整え連絡するよ。早くみんなに会いたいね」と電話を切りました。何となくお互いの気持ちが少し軽くなったような気がしました。
 昨年まで当たり前であったことが当たり前に行えなくなった同期会の中止を経験し、人は皆つながりを欲しながら励まし生きていると、改めて気づかせていただきました。
 人の命は直線的で100年も生きるとそれで終わるという短距離ランナーのイメージです。地球や宇宙にも寿命がありますが、人間のそれとは比べようもないほど長く、永遠に続くように思われます。そうした中で、大自然はいつもそれぞれの時期や場所に応じて姿を現し、私たちに生き方を問うているようです。
 「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり」 道元禅師

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

9月のご挨拶

令和2年9月吉日

 野分の侯、日中はまだ暑さ厳しい折、皆様には健やかにお過ごしのことと拝察申し上げます。
 さて、私は毎朝一時間ほど新聞を読んでから事務所に出掛けています。
 以前は、特定のジャンルの記事を優先して読むということはなかったのですが、新型コロナ(COVID-19)感染者数が日々新聞に掲載され、その数が止まることなく増え続けることに不安に感じるようになってからは、国内外の感染者数と死亡者数を確認することが新しい習慣となってしまいました。
 日本国内では9月11日午後8時半現在、感染者73,741人・死者1,427人とあり、毎日500人前後の感染者数と10名ほどの死者数が報じられています。世界の感染者数は27,869,036人・死者数903,746人(9月10日午後4時現在:米ジョンズ・ホプキンス大学まとめ)と驚くべき数字が発表されています。
 「下手の考え、休むに似たり」ということわざがありますが、素人ながら私も数字を見ながらあれこれ考える訳です。例えば感染者数が100万人を超える国は現在4カ国(米国・インド・ブラジル・ロシア)ですが、この4カ国で感染者数1600万人超・死者数は41万人を超えているのです。これらの国に共通する事実が何かあるのでしょうか?
 例えば国の公衆衛生に対する基本的姿勢、公的保険制度の成熟度、国民の衛生観念、貧富の格差などが考えられます。もちろん「下手の考え」なので、結論らしきものすら得られることはありません。計算機を脇に持ち出して、人口に対する感染者数の割合や感染者数に対する死者数の割合を調べたりもしたのですが何も解りません。今のところ、比較的はっきりしているのは数字だけであり、事実や論理は世界の感染症専門家の能力を以てしても解明できないようです。
 ところで、先日NHK教育テレビを視ていましたら、細胞生物学者で歌人でもある永田和宏氏が「歴史は事実を書くが、一人一人の人間がどのように感じたか、そしてどのような行動をとったかを記録するものではない。一人一人の人間のことは文学(俳句・短歌・詩・小説)が書き残したり生きている人間が記憶に留めたりするものではないか」と語っておられました。新聞の数字も事実を淡々と書いているということですね。
 ハッとさせられました。当たり前の事と言われればその通りですが、新聞に載っているのは亡くなった人の名前すらなく数字だけです。コロナで家族を失った人は、入院中の面会もできず、荼毘に立ち会うことも叶わず、より深い悲しみのなかで頭を垂れている毎日ではないでしょうか。
 私は、長すぎる感染期間中にコロナ慣れしてしまって「正常性バイアス」が働き出しているのかもしれません。大いに反省しております。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

8月のご挨拶

令和2年8月吉日

 暑中お見舞い申し上げます
 長い梅雨が明けた日本列島ですが、今年の夏はコロナが居座り、マスクを着けて生活をする毎日となっています。皆様くれぐれも健康にはご注意ください。
 間もなくお盆を迎える頃となりました。お盆はご先祖様をはじめ、あらゆる御霊を供養する行事です。私の菩提寺から送られてきた冊子によりますと「お盆は正式には『盂蘭盆会(うらぼんえ)』と言います。古代インドの公式言語であるサンスクリット語で『逆さ吊りの苦しみ』を意味する『ウランバナ』を音写したもので、逆さに吊られた亡者を供養する意味があったと理解されていました」と書かれています。東京や奈良の国立博物館所蔵の地獄絵図のような世界ですね。
 ご先祖様を地獄で苦しむ亡者として考えるのは誰しも心穏やかなものではありません。そこのところを忖度したのか否かはわかりませんが、その冊子にも「しかし最近では、古代イランの言葉で『霊魂』をあらわす「ウルブァン」が語源で、当地で霊魂を祀る儀礼が伝わるうちに「盂蘭盆(うらぼん)」と呼ばれるようになったという説が有力になった」と新しい解釈も添えられています。ご住職さまお心遣いありがとうございます。
 いずれにしても、今日私たちがこの世に生かしていただけるのは、ご先祖様がおみえになって、一生懸命に命を守り、子孫に継いでいただいたお蔭であることにはどなた様も異論がないと思います。
 最近の日本では、社会の有り様が変わり、墓を守る人がいなかったり、墓参りをするのが困難であったり、経済的な理由などにより、「墓じまい」と称する新様式を選択するひとが増えているそうです。インターネットをみると、「墓じまい」は思いのほかニュービジネスにもなっているようです。いずれにしても、何処で暮らしていてもご先祖様に想いを寄せる気持ちがあればいいのでしょうが、脈々と受け継がれてきたお墓や盆のお供えのような見える形も大切なことだと思います。
 正岡子規の夏の句に「生きておらんならんといふもあつい事」とありますが、私は句の本当の意味を理解しかねています。ご存知の方がおみえになりましたら教えて頂けますでしょうか。夏目漱石の親友でもあった子規は、肺結核や脊髄カリエスを患い35歳で亡くなっています。この句はお見舞いに来た故郷の人たちが子規に「病気に負けず生きとらなあかんよ」とエールを送ったのですが、「それにしても耐え難い暑さだよ」というのが子規の感想なのでしょうか?
 コロナに近づかず、戦わず「生きておらんならん」今日この頃です。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

7月のご挨拶

令和2年7月吉日

 盛夏の候、厳しい暑さに蒸される日は少なく、長雨続きの昨日今日となっております。
 皆様にはお変わりなく、お元気でお暮しのことと拝察申し上げます。
 さて、新型コロナウィルス(COVID-19)との戦いは凡そ半年の長きになってきました。医療専門家や生物学者によりますと「新型コロナウィルスは戦って壊滅させる相手ではなく、共生すべき存在である」というお話をよく耳にします。
 確かに人間だけが地球上で生きる権利を持っているわけではなく、すべての生物存在には生きようとする本能(権利)があるはずです。人間は自然を征服すべきものと考え、環境を破壊し、さまざまな生物を絶滅に追いやりました。その結果、海水温度が上昇し、シベリアの永久凍土が解け始め、私たちはいままで経験した事のないような気温の上昇や逃げ場のない集中豪雨に見舞われています。
 COVID-19は、私たち人間に「謙虚になって、そろそろ生き方を考え直さなければ取り返しのつかないことになるよ。これからは自然との調和を保ち、新しい社会の在り方(ニューノーマル)を考え、実践すべきだ」と最終通告を突きつけているように思えます。
 では、コロナ後の新しい社会の在り方はどのような世界になるのでしょうか?
 フランスの経済学者ジャック・アタリ氏はパンデミックにより「明日の世界の支配者は誰か?」という議論について「米国に代わって中国が超大国になるという予測には一定の説得力がある」としながらも、今までの米国のように経済から文化の面まで、自国の規範を世界に押しつける力を持っていないと断じています。今後とも、米国と鎬(しのぎ)を削る状況が続く可能性が高いようです。つぎに、「欧州は支配者になり得るか?」との問いには、EUが超大国になるまでの道のりは遠いとしています。
 またアタリ氏は「君臨するのは常に監視する者であるとするならば、米国IT企業大手のGAFAが世界の支配者になる可能性もある」とも言及しています。
 私が一番興味を持ったのは「自然も世界の真の支配者になりうる。今回のパンデミックで人類の支配は、見せかけにすぎないことがわかった。気候変動の脅威から生き残りたいのなら、人類は人知を超えたルールに従わなければならない。生き残りを望むのなら、利己主義ではなく、『利他主義』が自身の利益になることを意識すべきだ」という見解です。
 ジャック・アタリ氏がいう『利他主義』は法華経(大乗仏教)でいうところの他人を利することと同じ考えではないでしょうか。生きていくためには仕事もお金も必要ですが、自分が得たものを人のために使う慈悲(利他)の心が大切なのですね。
 すこし立ち止まって考えてみると、確かに私たちは働いて食べるためだけに生まれてきたわけではないのです。もう手遅れかもしれませんが、わたしは自分を高める必要がありそうです。
 梅雨空の下、コロナのおかげで大いに反省している今日この頃であります。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

6月のご挨拶

令和2年6月吉日

 入梅の侯、暑気にわかに加わりマスク着用と併せ、息苦しい毎日となって参りました。
 皆様にはご清栄のこととお慶び申しあげます。
 さて、本年1月に中国武漢にて発生した新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、あっという間に全世界に拡がり、未だ終息を迎えたという状況ではありませんが、少し収まってきた(収束してきた)という現状認識は共有され始めてきたのではないでしょうか?
 日本においても人口の多い過密都市と、それほどでもない地方都市では感染拡大または収束の状況が大きく異なります。そして医療関係者の努力により研究が進み、原因も日を追うごとに解明され、「正しく恐れる」ための行動規範も確立されつつあります。
 そろそろ英知を結集して、感染防止と経済活動再開を両立させる時期になって来ました。そしてCOVID-19の流行を契機とし、少子化・高齢化が進む日本社会の大きな課題解決に向けて「生産性向上」と「ダイバーシティー経営」を推進していかなければなりません。
 図らずも感染拡大防止対策として、多くの企業が在宅勤務・交代勤務・時差出勤・オンライン会議などを一気に実行しました。
 わが税理士法人あおぞらでも、お客様の理解を頂いたうえで、このような働き方を取り入れ実験しています。働く職員の反応や事務所の現状には様々なものが有りますのでいくつかご紹介しましょう。

 

  1. 若い職員・子育て世代の職員・女性職員はテレワークを積極的に利用する人が多い。
  2. 総務課職員は所内のサーバー利用業務、書類作成業務や来客・電話対応業務が多く在宅での仕事は難しい。
  3. 在宅ではお客様の要望に応えられない業務(例:決算説明・各種給付金申請補助)や経営者の課題解決にはWEB対応だけでは難しく、出勤するケースが多い。
  4. 在宅勤務やテレワークで業務をする方が、執務環境上ストレス過多となりやすいという職員もいる。

 

 使用者(税理士法人あおぞら)側として顕在化してきた問題点は、(1)労働基準法の時間管理、(2)税理士法上の使用人の管理・監督責任、(3)お客様の情報に関する守秘義務などです。
 ともあれ何事も実行する事によって課題が具体化してきますので、評価し改善することはこれからです。しかしながらこの働き方の「新状態」は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といった具合に元に戻ることはなく、不可化逆なものではないでしょうか?
 経営者の皆様はこのニューノーマル(新状態)を好機とお考えになりますか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

5月のご挨拶

令和2年5月吉日

 薫風の候 サツキ、ツツジの花の見頃となりました。
 低木で丸く広がるサツキとツツジの花の違いが還暦過ぎまで分からなかった私ですが、赤、白、ピンクと百花繚乱みごとに咲いている花を目にすると、ひとときの安らぎを覚えます。
 さて、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大の勢いは、政府や都道府県の発した緊急事態宣言や移動制限・休業要請に対する国民の行動自粛により些か弱まったようです。5月14日安倍総理は39県の緊急事態宣言を解除しましたが、私たちは安心して暮らせる平時を取り戻したわけではありません。引き続きCOVID-19を正しく恐れ対処することが必要です。
 そして、感染の怖れがある厳しい環境下で、医療現場や国民生活に欠かすことのできない経済活動やCOVID-19関係の公務に従事してみえる皆様に、心より感謝申し上げ敬意を表します。
 話は変わりますが、5月14日の日本経済新聞に特別定額給付金(住民1人当たり10万円給付)に関する興味深い記事が掲載されていましたのでご紹介します。提言者はグローカル政策研究所代表理事の川村雄介氏です。

 

  1. 川村氏の提案
    「COVID-19対策のひとつとして住民1人あたり10万円の現金給付が決まったが、自分には給付金が必要ないという人々は単なる辞退をするのではなく、寄付より可視性の見込める『感染症研究支援ファンド』を立ち上げ、そこに拠出してはどうか」
  2. 川村氏のアイデア
    (1)感染症はCOVID-19だけではなく、恐ろしい病魔は数限りなくある。力強い対応策は国民にとって大きな財産になる。
    (2)寄付も大いに結構だが手続きが面倒であるし、拠出するだけの行為に躊躇いを感じる人も少なくない。そこで『可視性の見込めるファンド』を設立する。
    (3)拠出した元本は償還不要、リターンが出れば果実の一部はもらえる仕組みとする。具体的には、10万円は基本的に返ってこないが、研究成果が製品として日の目を見たら、収益の一部を配当として受け取れる。または、ワクチンを優先的に接種してもらえる権利を与えられる。つまり出し切りの寄付ではなく緩やかな投資(ソーシャルビジネス)とする。

 

 今回の10万円給付については、給付前より政治家などによる多様な自己主張がなされているところですが、知識と見識にあふれる川村氏の提案は、傾聴に値するご意見ではないでしょうか。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

4月のご挨拶

令和2年4月吉日

 花冷えの候、散る花を惜しむ心の今日この頃となりました。
 さて、新型コロナウィルスの感染は留まることを知らず、世界中で拡大を続けています。
 特に、米国や欧州のスペイン・イタリア・フランス・ドイツにおける感染者数は4月11日現在、上記の各国で60万人(米国50万人・欧州10万人)を超えており、これらの多くの国で医療現場が崩壊状態となっています。
 ここで、毎日報道される感染者数と死者数を注意してみると、死亡率に大きな差があることが分かります。上記の国の中で一番死亡率の高いのは、4月11日現在イタリアの12.7%、一番低い国はドイツの2.2%となっています。原因はよくわかりませんが、国民の生活習慣や政府の危機管理体制の違いではないかと言われています。
 翻って、わが日本では同11日現在における感染者数はクルーズ船感染者を除き、6,726人、死者129人、死亡率1.9%と報告されています。そして退院患者数745人という数字にも注目すべきだと思います。
 コロナウィルス感染症が広がり収束の兆しが見えない中では、私はもちろんのこと多くの人が不安になっています。正しく恐れることは大切ですが、不安になりすぎると冷静な判断ができなくなります。情報も多ければよいということではなく、自分や自分の属する組織(家庭・職場・地域)を守るために、自分にできることの情報を集めることが有益です。手洗いや消毒の励行、換気を良くし、マスクを着用し、他人との距離を保つなど簡単なことを実践することにより感染者数が減少することが分かれば、不安が和らぐでしょう。
 目を転じて、ご商売や仕事について考えてみましょう。
 多くのビジネスで先の見えない状態が3ヶ月から1年近く続くと予想されています。コロナウィルス感染症が収束しても、元の売上に戻るには相当期間が必要となります。事業を継続されるのなら、国が準備した各種金融支援制度や助成金を利用して、早めに潤沢な資金を確保することをお薦めします。及ばずながら、税理士法人あおぞら全員が一生懸命にお手伝い致します。
 今回のコロナウィルス感染症がもたらす不景気が、人為現象であるのか自然現象であるのか定かではありませんが、不景気の時だからこそできることがあります。
 例えば、多忙な日常業務に忙殺されて提供できなかった顧客サービスの実践や経営計画の見直し、新商品の開発、新ビジネスモデルの研究などの必要はありませんか?
 そしてお客様や従業員ならびに取引先を含め、ご自分の商売を冷静に考え、自分自身の生き方をも見つめる時間を与えられたチャンスでもあります。頑張りましょう。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

3月のご挨拶

令和2年3月吉日

 春色すでに整い、うぐいすの音もしきりの今日この頃です。
 さて、気象庁は東京・靖国神社にある桜(そめいよしの)が3月14日に開花したと発表しました。平年より12日早く、統計開始以来最も早い開花日となりました。
 春は進学や就職など人生の新しいステージに登る若人にとって希望にあふれた季節です。しかしながら、今年は新型コロナウィルスの感染が世界中に拡がっており、入学式や入社式が中止または規模を縮小して行われることが多くなりそうです。
 各国政府は緊急対策に着手しています。感染がほぼ全米に拡がった米国ではトランプ大統領が13日に国家非常事態宣言を宣言し、「連邦政府の力を最大限に引き出す」とし、災害対策基金など最大500億ドル(5兆4千億円)を地方政府に配分することを決定しました。注目すべき具体的施策は以下のとおりです。

 

  1. ウィルス検査の見直し: 規制を一時緩和してスイス製薬会社ロシュが開発した24時間以内に4千件超を検査できるシステムを緊急承認する
  2. ス-パ-や薬局の駐車場での「ドライブスル-検査」を全米に広げる
  3. 戦略石油備蓄を積み増すため大量の原油を購入し、エネルギ-会社も支援する
  4. 中小企業支援に70億ドルのロ-ンを提供

 

 さらに14日には野党である民主党の提案した以下の経済支援策も下院で可決されました。

 

  1. 新型コロナウィルスの無償検査
  2. 有給の病気休暇
  3. 失業保険の拡充
  4. 低所得者向け食糧支援

 

 トランプ大統領も法案に署名する考えを表明し、早期に成立する見込みとのことです。
  一方、わが国においても小中高校の臨時休校や大規模イベントの自粛を呼びかけるなど、経済対策を含め、機動的に多様な政策が講じられています。しかしながら、マスクやアルコール消毒薬が不足し、PCR検査は遅々として進まないことについて政府から納得のいく説明はありません。何が原因でいつ解決するのでしょうか?
 安倍首相は13日に成立した改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言について「国内の感染状況を踏まえれば、現時点で出す状況ではない」と判断されておられます。首相の判断が「正しい判断」であることを祈るばかりであります。
 日本の感染症の専門家の中には「およそ2,000万人の日本人が感染し30万人前後の死者が出る可能性がある」と予想する方もお見えになります。
 いま私たちが為すべきことは「他者と自分の命を守ること」であることは明白です。
 政府やメディアからの報道に注意し「うつらぬ用心 うつさぬ気配り」に努めましょう。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

2月のご挨拶

令和2年2月吉日

 梅花の侯、皆様益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 この冬は日本各地で暖冬といわれ、ご商売にも悪影響が出ているようですが、時おり厳しい寒さに襲われる日もあり、体調の管理が難しい季節となっております。
 さて、昨年12月に中国湖北省武漢で発生した新型コロナウィルスによる肺炎の拡大が止まらない状況となっています。2月13日現在の新聞によりますと、中国国内の感染者数は44,000人を超え1,367人が死亡したと伝えられています。日本国内でも250人を超える感染者が確認され、死者が1人となりました。
 季節性のインフルエンザの感染力は1人程度ですが、新型コロナウィルスは1人あたり1.42~2.5人と言われています。理由は、新型コロナウィルスは熱などの症状が軽い場合があり、多くの人に接触して感染を拡大させているようです。いずれにしても、マスクの着用や手洗いなどを励行し、「人からうつされない」そして「人にうつさない」ように注意したいものです。
 閑話休題、今年も確定申告の時期となりました。令和元年分の所得税等の確定申告は、令和2年2月17日から3月16日までとなっております。主な改正点は以下の通りです。

 

  1. 仮想通貨を譲渡した場合の所得の計算方法が変更になります(12月31日に所有する仮想通貨の価額の評価方法が変わります)。
  2. 空き家の譲渡所得の3,000万円控除について、これまでは亡くなる直前まで家屋に居住している場合のみが適用対象でしたが、老人ホーム等に入所していた場合も認められることになりました。
  3. NISAに関する非課税口座内の配当所得や譲渡所得のルールが変更になります(これまで非課税口座を開設している人が、たとえば会社命令により海外赴任のため出国する場合でも、口座を廃止する必要がありました。また平成31年4月1日以後の出国については、一定の届出をすることにより、引き続き非課税措置が継続されます)。
  4. ふるさと納税に係る返戻品が見直しになります(住民税:妥当性のない返戻品については寄付金税額控除の対象外となります)。
  5. 住宅ローン控除が改正されました(令和元年10月1日~令和2年12月31日に居住した場合には11年目から13年目まで控除の対象期間を延長されます)。
  6. その他:申告書の記載事項や添付する書類の簡便化が図られました。

 

 詳しくは税理士法人あおぞらの巡回監査担当者にお尋ねください。
 なにとぞ必要書類等については早めの準備を宜しくお願い致します。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

1月のご挨拶

令和2年1月吉日

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜りましてありがとうございました。
 本年も税理士法人あおぞら全員が全力で皆様のビジネスを応援させて頂きます。
 どうか宜しくお願い致します。
 さて、新年初笑いということで、テレビのお笑い長寿番組「笑点」にて4年ほど前に放映されましたものを紹介させていただきます。
 お題は「18才と81才の違い」です。

 

恋に溺れるのが 18才 風呂で溺れるのが 81才
道路を暴走するのが 18才 道路を逆走するのが 81才
心がもろいのが 18才 骨がもろいのが 81才
偏差値が気になるのが 18才 血糖値が気になるのが 81才
まだ何も知らないのが 18才 もう何も覚えていないのが 81才
自分探しをしている 18才 皆が自分を探している 81才
お手入れで虫歯ゼロが 18才 入れ歯だから虫歯ゼロの 81才
東京オリンピックに出たいと思うのが 18才
オリンピックまで生きたいと思うのが 81才

 

 いかがでしたか?
 これから人生の上り坂に差し掛かる明るく元気で素直な18才と、下り坂を恐る恐る里へ降りる黄昏どきを迎えた81才、笑いの中にも色々なことを考えさせられました。
 今年が皆さまにとりまして、良き年でありますことをお祈り申し上げます。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

12月のご挨拶

令和元年12月吉日

 初雪の侯、月日が経つのは早いもので、もう年の瀬となりました。
 本年も格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、日本では年末となりますと家庭や会社において、大掃除をすることが恒例になっています。そこで今回は職場での「掃除」について、お話しをさせて頂きます。
 多くの企業経営者が掃除の重要性について述べておられます。特に松下幸之助は、自ら掃除を実践するところに大きな意義を感じていました。そして自らの経験から、従業員の修養に必ず役立つという信念を持っていました。掃除による辛抱が身につき、人を成長させることを知り尽くしていたのです。
 例えば、真冬に雑巾がけをする時など、今と違ってお湯などありませんから、本当に辛い思いをしたことでしょう。昔は店主や先輩から命ぜられたことは素直に実行するのが当たり前でした。ところが、後に松下幸之助が「21世紀に理想の日本を実現するための基本理念の探求と、それを具現する指導者の育成」を目的として立ち上げた「松下政経塾」の塾生の一人が「掃除をすることにどれほどの意味があるのですか?」と質問しました。幸之助は質問に答えず無言であったそうです。おそらく程度の低い質問に愕然として答える気がしなかったのでしょう。
 掃除をすれば立派な政治家や指導者になれたり、大きな企業に成長したりするわけではありませんが、「何の目的で掃除をするのですか?」と問うこと自体がナンセンスです。掃除は人間が生活していくうえで必要不可欠な行為であり、掃除をすればきれいになるだけです。
 但し掃除をすると、気づきが良くなります。なにしろ汚れたところ“Weak Point”がピカピカにきれいになり“Strong Point”となるわけです。気づきは掃除だけに留まるものではありません。商売をしていれば、売り上げを伸ばしたり、品質を高めたり、生産性を高めるための要素にいち早く気付くはずです。
 どの職場にも自ら率先して掃除に励む社長さんや職員さんが大勢みえます。そういう職場は、いつ訪問しても清潔で気持ちのいいものです。
 大掃除は10月か11月に実施した方が、気候も良く効率的ではないかと言われていますが、やはり年末にきれいにして新しい年を迎えるほうが日本人には合っているのでしょう。
 今年も税理士法人あおぞらをご支援いただき、本当に有り難うございました。
 来年も宜しくお願い申し上げます。どうか良いお年をお迎え下さい。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

11月のご挨拶

令和元年11月吉日

 夜寒の侯 そろそろ暖房器具の恋しい季節となって参りました。
 皆様におかれましては、いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、新聞報道によりますと、消費税の税率引き上げに伴う消費の落ち込み並びに複数税率導入による混乱も、政府の様々な施策により、比較的軽微な影響に留まっているようでありますが、皆様のご商売におかれましては如何でしょうか?
 話は変わりますが、近年地域金融機関を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、三重県下でも各行が生き残りを目指した経営統合や合併を進めています。さらに、金融庁からの指導に基づきビジネスモデルの転換も迫られています。
 つまり、金融機関が企業に融資をする局面において「財務データや経営者保証(担保や保証)」に必要以上に依存することなく「事業性評価(事業内容・成長可能性)」を重要視することが大切であるとされました。「事業性評価の重視」は、決して融資判断における財務情報(決算書や財務経営計画書)の軽視を意味するものではありません。その証左として、例えば「中小企業等経営強化法」(2016年5月)は、経営力向上計画の作成にあたっては「ローカルベンチマーク」の活用を提案しています。ローカルベンチマークとは、経済産業省が企業の経営状態の把握(健康診断)を行うためのツールとして開発したもので、経営者と金融機関並びに支援機関が同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みです。
 具体的内容は以下の通りです。

 

1. 財務情報(財務内容を分析するための6つの指標)
 ①売上高増加率:売上は毎期伸び続けていますか?
 ②営業利益率:仕入代金・人件費・諸経費控除後の利益は出ていますか?
 ③労働生産性:同業他社より生産性は高いですか?
 ④EBITDA有利子負債倍率(健全性):キャッシュフローの何倍の借入をしていますか?
 ⑤営業運転資本回転期間(効率性):月商の何か月分の資金が必要ですか?
 ⑥自己資本比率(安全性):総資本のうちの自己資本の割合は高いですか?

2. 非財務情報(財務数値に出ない事業内容を知るための4つの指標)
 ①経営者への着目:経営理念、経営意欲、後継者の有無
 ②事業への着目:沿革、技術力・販売力の強み・弱み、IT投資など
 ③関係者への着目:市場動向、取引先企業や取引金融機関の推移、従業員定着率
 ④内部管理体制への着目:事業計画の有無、組織体制、経営目標、人材育成など

 

 このように金融機関も融資判断に利用していることが判ります。経営者の皆様は2つの情報の内容を理解され、自社の経営課題の発見と解決にお役立てください。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

10月のご挨拶

令和元年10月吉日

 紅葉の侯、朝夕の冷え込みが増してまいりました。
 この度の台風15号並びに19号により、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く回復されますことをお祈り致します。

 さて、改正消費税法が施行されて半月が経過致しました。
 先月のこの紙面でも案内しましたように、今回の大きな改正は次の2点です。
 (1)税率を8%から10%に引き上げる、(2)軽減税率の導入、であります。
報道によりますと「現場の混乱」として、以下のような事例紹介がされています。
(1)については、①売り手が9月30日に商品を宅急便にて『税率8%』と請求書に記載して発送したが、買い手がその商品を10月1日に受取った場合の税率は8%・10%のいずれが正しいのか?とか、②24時間営業のコンビニにおいて「10月1日午前1時に食品以外の商品を購入したのに『8%』が適用された」が間違いではないのか?という質問です。
(2)については、これもコンビニの事例ですが、イートイン(店内)で食べるつもりでレジにて10%の税率による支払いをしたお客様が、満席のため持ち帰りに変更する際の事業者の正しい対応はどう為すべきかというものです。このほかにも様々な混乱が日本中で起こっているはずです。国税庁では消費税軽減税率相談センターを開設し、皆様の相談に応じてくれますので、お困りの方はご利用をお勧めします(フリーダイヤル:0120‐205‐5531)。

 ここで視野を広げて消費税の問題を考えて見ましょう。
 本年7月23日の日本経済新聞の社説には、「消費税率10%への引き上げ後の議論を始める必要がある」と『さらなる消費増税』を主張しています。その論拠として「少子・高齢化が進むなかで10月の消費増税は社会保障・財政健全化に向けた一歩だが、安倍政権が掲げる2025年度の国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標達成のメドはまだ立っていない」としています。
 さらに、この社説では「年金制度の持続性を確実(将来の年金が過度に減らないように備えること)にするには、年金の支給年齢引き上げも避けて通るべきではない」加えて「医療・介護についても団塊の世代は22年から順次、75歳以上の高齢者になる。その前に医療費の窓口負担を原則1割から2割に法改正すべきだ」と膨張する社会保障費の抑制を論じた上で、なお不足する財源は『さらなる消費増税』で手当てする以外に選択肢はないと結論付けています。
 消費増税も社会保障費の給付削減も国民負担が増えるということになります。そして低所得者にとっては、より大きな負担となります。他の選択肢は本当にないのでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

9月のご挨拶

令和元年9月吉日

 朝夕はようやくしのぎやすさを覚える頃となりました。
 さて、改正消費税法施行日の10月1日まで1ヶ月足らずとなりました。
 業種によっては、レジの新規購入や改修並びに受発注システムの入替などが必要となりますが、経営者の皆様におかれましては準備万端、対応を済まされたでしょうか?
 今回の大きな改正点は次の2点です。

 

(1)税率を8%から10%に引き上げること
(2)飲食料品などの生活必需品の税率を8%に据え置く(軽減税率の導入)

 

 以上の2点を批判的に見ていきましょう。
 (1)の税率引き上げについては、「社会保障と税の一体改革」を達成するという大義が有りますが、過去の経験から明らかなように、消費税は経済の原動力である需要を直接的に減じる税金であり、経済成長を鈍化させる負の側面は否めません。つまり景気は悪くなるということです。
 (2)の軽減税率対象品目と対象外品目の線引きは、ご承知のように複雑怪奇なものとなってしまい、消費の現場における混乱は必至と予想されています。
 軽減税率は、所得の低い人の家計負担を和らげる(逆進性の緩和)目的で、飲食料品(酒類・外食を除く)と、定期購読契約に基づく新聞の税率を8%に据え置くという考えを採用しました。
 飲食料品について、平成27年6月、土居英二静岡大学名誉教授は「飲食料品に軽減税率を導入しても効果はほとんど皆無である」と民間税調に統計資料を発表しておられます。(「民間税調税制検討資料No.1消費税率10%と家計負担-軽減税率を含む」参照)
 また、新聞についても「新聞が生活必需品の扱いとなり、軽減税率の対象となるのはおかしいのではないか」という常識的な批判が今でもあります。これに対し日本新聞協会は「欧米をはじめ先進諸国では、食料品などの生活必需品や活字媒体への税負担を減免する制度がある」加えて「活字文化は単なる消費財ではなく『思索のための食料』という考え方が欧州にはある」という詭弁を弄しています。
 問題は、軽減税率を導入すれば与党政権の主張するように、消費税の逆進性は解決されるのでしょうか? 軽減税率はすべての人が消費する生活必需品に適用されるため、逆進性対策にはならず、むしろ多く消費する高所得者への恩恵が大きいのは明白です。また、全ての人が消費する生活必需品に適用するということは税率を下げることと同じ結果となります。いったい何のために税率を引き上げるのでしょうか?
 眼の前に迫っている改正消費税法への対応も大事ですが、公平・中立・簡素という租税原則に照らして考えてみることがいちばん大切です。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

8月のご挨拶

令和元年8月吉日

 立秋の候、残暑お見舞い申し上げます。
 さて、「6月のご挨拶」でご紹介しましたように、本年4月1日より「働き方改革関連法」が施行され様々な議論がされています。大きな改正点の一つは「長時間労働の改革」です。企業にとって、労働時間が減少すると人件費が増えるということになりかねません。
 早速、私どもの事務所(税理士法人あおぞら)でも、就業規則や給与規定について残業時間の上限規制をクリアすべく見直しを始めました。
 企業経営にとっては逆風となりますが、私は今回の法改正を機会に「働く人ひとりひとりの能力や特性にあわせた労務管理」をすれば、労働生産性も向上するのではないかと考えるようになりました。
 例えば私どもの職場は会計事務所ですが、職員の希望する働き方は一様ではありません。例を挙げますと第一に、給与が多少減少しても労働時間をなるべく少なくしたいという人達がいます。理由は様々で、①資格試験にチャレンジしている、②子育て真っ最中でパート勤務を希望している、③人生を楽しむため定時で仕事を終えて私的な時間を確保したい、④介護を必要とする家族がいるからフレキシブルに勤務したい、⑤配偶者等の控除対象親族であり続けたい、等々です。第二に労働時間(残業)をあまり意識しない人たちです。こちらも詳しくヒアリングすると、給与の多寡だけが問題なのではなく、①いろんな経験を積んでキャリアアップしたい、②体質的に夜型なので出勤時間を朝10時以降としたい、③会計事務所以外の会社経営(2つ目の名刺)をしたい、 ④教育費や住宅取得借入金の返済など家計支出が増えてきたので法定労働時間内であればなるべく残業をしたい、 ⑤給与を年俸制にしたい、という希望があります。
 今までの税理士法人あおぞらの就業規則は、正社員とパートタイム労働者という区分を設けてどちらかを適用することとしてきました。しかし、会計事務所の置かれた経済環境の変化や法令改正を考えますと、上記のような要望に応えることで労働生産性向上に繋がるのではないでしょうか?
 考えられる効果を列挙してみましょう。

 

  1. 職員の生活環境変化に応じて、働き方を選ぶことが可能となり、退職者が減少する
  2. キャリアアップを望むか否かをその時々の状況によって変えられるので、適正な人事評価が可能となる
  3. 職種の転換も臨機応変にでき、働く人の意欲に応えられる
  4. 結婚や出産後のスムーズな復職が可能となり、有能な人材の流出を防御できる
  5. 子育て介護期間中に仕事との両立を図ることができ、生き生きと働くことができる

 

 このようなことをイメージしますと、企業の労働生産性が向上し、働く人たちと企業双方にとってメリットは多いのではないでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

7月のご挨拶

令和元年7月吉日

 七夕の侯 長雨が続き、梅雨明けが待ち遠しい昨今となりました。
 平素はひとかたならぬお引き立てに預かり、心から感謝いたしております。
 さて、令和初の国政選挙となる参院選が7月21日に行われ、同日開票となります。参院選に先立ち安倍政権は、経済財政運営指針「骨太の方針」を閣議決定しましたが、この中身を審議すべき衆参予算委員会を3ヶ月も開かないまま通常国会を閉会しました。先般、金融庁の審議会が夫65才以上・妻60才以上の場合、年金だけでは生活費が不足し、「30年で2000万円の貯蓄の取り崩しが必要」とする報告書を纏め、これを麻生大臣が受け取り拒否したことについても、国会でもっと突っ込んだ議論をして頂きたかったと思います。
 個人的なことで恐縮ですが、私の母親は現在97才となり、それなりに元気に暮らさせていただいております。母親の生活をみていますと年々歳々、衣食住以外の医療サービスや介護サービスなどの支出が増えており、私ども夫婦のこれからを考えると、とても2000万円では足りないという実感があります。
 皆さまは小泉内閣当時の自公政権の掲げた「年金100年安心プラン」を覚えていらっしゃいますか?小泉純一郎元首相はその内容について、2004年5月の参院決算委員会で「公的年金だけで生活費をみるものではありません」と明言しました。この言葉を聞いて、多くの国民は「公的年金制度による給付だけでは普通の暮らしが維持できない」という確信を持ち、自助努力と自己責任で貯蓄や投資を決意したでしょうか?
 現在の年金制度は、15年前に制度改革をして、少子高齢化が進む中でも年金制度を維持できるように、物価が上がっても年金をカットするマクロ経済スライドの仕組みを導入したところにポイントがあります。つまり、年金制度の持続可能性が高まったことを「100年安心」と呼んだのです。15年前と違って「現在の若い世代の人たちは、公的年金だけでは老後の生活が成り立たないことをいち早く察知して、NISAなどの投資や貯蓄に動き出した」と報道されています。その結果、個人消費はますます冷え込み、物価も政府の思う様には上昇しないのでしょう。
 東京大学名誉教授の大沢真理氏によると「今年の『骨太の方針』に書かれている社会保障政策を要約すると、 ①70才まで働け・ ②病気になるな・ ③要介護になるな・ ④お上に頼るな、ということになるそうです。しかし、いつまでも元気に働いて、病気にならないで、公的年金に頼らずに、自分が貯めたお金だけで何とか人生を終える国民がどれだけいることでしょう?
 人口が減り少子高齢化を迎え、社会保障制度が危うくなることはずっと前から判っていたことです。判っていながら手を拱いていたのは政治家でしょうか?官僚でしょうか?そして、国民に責任はないのでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

6月のご挨拶

令和元年6月吉日

 初夏の候、梅雨空のうっとうしい頃となりました。
 平素は格別のご高配をいただき、厚くお礼申し上げます。
 さて、4月1日より施行された「働き方改革関連法」により雇用のルールが大きく変わることとなりました。この法律の主たる目的は「長時間労働の是正」と「多様で柔軟な働き方の推進」の2つであります。使用者(会社)にとっては、改正のポイントを押さえ対策を講じることが重要となります。
 第一に、残業時間の上限規制が強化(長時間労働の是正)され、違反すれば罰則が科されることもあります。まずは労働基準法に定める1日8時間・週40時間とされている労働時間に変更はありません。この時間を超えて労働する場合には、従来通り労使で同法36条に基づく協定を結べば残業が認められます。しかし、これまで特別条項付の協定を結べば残業時間の上限がありませんでしたが、新しい制度では罰則付きの上限規制が設けられました。具体的には、「1カ月45時間」と「年間360時間」は大原則となります。ただ産業界では原則を超えて働かなければならないことも多くあるため、同協定に基づき「年間720時間の特例」が設けられました。さらに2~6カ月の残業時間の「全ての平均が80時間以内」かつ「1ヶ月100時間未満」という2つの条件を満たす必要があります。
 第二に、働き過ぎを防ぐための規制も設けられました。その1つが終業から始業までに一定時間以上の休息時間を確保するための「勤務間インターバル制度」というものです。例えば休息時間を10時間と設定すると、午後12時まで残業した場合には、通常の始業時刻が8時の場合でも、翌日の始業は10時以降となります。睡眠時間を確保し健康を維持する目的で導入されました。この規定は当分の間、罰則なしの緩やかな努力目標とされます。
 第三に、高度の専門知識を持ち高い年収を得る一部の専門職を対象に「高度プロフェッショナル制度」が規定されました。この制度は労働時間と賃金の関連性よりも成果を重要視する制度といわれています。適用の対象となる職種は金融商品の開発をするプロ、有価証券を売買・運用するトレーダーやディーラー、専門知識に基づき投資を助言するアナリスト、経営戦略を助言・支援するコンサルタント、先端科学の研究開発に従事する研究者という5つの職業に携わり1075万円以上の年収を得ている者とされています。制度導入のハードルが高いため、中小企業はもちろん大企業でも当面導入するところは少ないとみられています。
 経営者にとりましては、今回の労働法制改革は人件費の増加に直結するような印象のみを持たれるかもしれません。しかし、働き方を見直し「1人当たり生産性を高める好機」でもあります。経団連も「終身雇用を守れない」という発信をしている時代です。
 自分の城は自分で守るしかありません。ファイト!

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

5月のご挨拶

令和元年5月吉日

 向暑の候 サツキ、ツツジの花の見頃となりました。
 平素は格別のお引き立てを賜りまして、誠にありがとうございます。
 さて、経営者の皆様は自分の会社を次の世代に承継をして存続させたいとお考えになる方が多いと思います。このことは創業者に限らず二代目・三代目の社長であっても同じ思いではないでしょうか。しかしながら多くの経営者は「何から手を付けて良いのか判らないし、元気なうちはもうしばらく頑張ろう」と問題を先送りにしていらっしゃるケースが多く見受けられます。中小企業経営者の高齢化は急速に進んでいます。中小企業庁の発表によりますと、今後10年間で70歳に達する中小零細企業の経営者は245万者(会社・個人含む)いるそうです。このうち後継者の決まっていない人は127万者との試算もあります。廃業を選ぶ企業も毎年2万5千社を超えており今後も増える傾向にあるそうです。廃業する企業の約50%は黒字企業と言われており、2025年までに約22兆円の国内総生産(GDP)が失われると懸念されています。中小企業の数は国内企業全体の99%以上、従業員数では70%以上と、経済や雇用の安定に大きな貢献をしています。
 さて、以前より国の制度として、中小企業向けに先代経営者から後継経営者への自社株式の贈与等についての事業承継制度「非上場株式等の納税猶予制度(一般)」が準備されていましたが、使い勝手が悪く2018年度までの約10年間の利用件数は約2,500件に止まっていました。そこで政府は2018年4月から10年間の特例措置として利用条件を大幅に緩和しました。その結果2018年度の事業承継計画の届出件数はおおよそ2,900件となりました。以下に、それまでの『一般制度』と新たに創設された『特例制度』の主な相違点を列挙しておきます。

 

  1. 対象株式数が発行済議決権株式総数の3分の2から全株式とし上限をなくした。
  2. 相続時の猶予対象評価額を80%から100%とした。
  3. 制度利用後の雇用確保要件が5年平均で80%とされていたが、実質的に撤廃された。
  4. 贈与者(被相続人)が先代経営者のみとされていたが、複数の株主からの贈与等が可能となった。
  5. 受贈者は後継経営者1人のみであったが、後継経営者3名まで可能となった。
  6. 特例制度における売却・合併・解散時の課税の減免制度の創設がされた。
  7. 制度利用について『一般制度』では書類の提出期間がなかったが、『特例制度』では平成30年4月1日から5年間とされている。
  8. 先代経営者からの贈与の期間も『一般制度』では定めがなかったが、『特例制度』では平成39年12月31日までと決められている。

 

 以上のように利用価値の大きな制度ですが、税理士等専門家(認定支援機関)の援助も必要となります。ぜひ税理士法人あおぞらにご相談ください。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

4月のご挨拶

平成31年4月吉日

 陽春の候 もう桜の花も散ってしまいましたが、花に代わって若葉の薄緑が美しくなって参りました。毎々ひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、皆様は「国際幸福デイ」という日を御存知でしょうか?この日は、2012年に国連総会で3月20日を「幸福の日:Happiness Day」として定めたものです。そして世界各国の「幸福度ランキング」が毎年発表されています。7回目となる今回の発表によると調査対象となる157の国と地域のうち日本は前回から4ランク下げて58位となりました。
 因みに1位はフィンランド、2位はデンマーク、3位はノルウェーと福祉や教育が充実している北欧諸国が上位を占め、このほかEU離脱で苦悩するイギリスは15位、アメリカは19位、アジアでは台湾25位、シンガポール34位、韓国54位、中国93位となっています。
 この調査における幸福度とは、自分の幸福度が0から10のどの段階にあるかを答える世論調査によって得られた数値の平均値であり、主観的な値であるとされています。
 幸福度の測定法は、GDPや健康寿命を含む以下の6つの説明変数を用いてどのような相関関係にあるのかを推定する統計学的手法を用いて分析する方法が採られています。

 

(1)人口当たりGDP
(2)社会的支援(困った時に頼ることができる親戚や友人がいるか)
(3)健康寿命
(4)人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
(5)寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)
(6)腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)

 

 つまりGDPのような経済指標だけで幸福度を測るわけではありませんので、経済的に日本より低位にある国でも幸福度の高い国はたくさん存在します。
 日本の幸福度は先進国G7で最も低く、唯一50位以内に入っていません。日本の幸福度を項目別に見ますと、 ▽健康に生きられる年数がシンガポールに次いで2位、 ▽1人当たりのGDPが24位、 ▽腐敗が少ない39位と好位置にある一方、 ▼社会的支援が50位、 ▼社会の自由度が64位 、▼他者への寛大さが92位と低迷しています。
 私たちの日本は、国全体としては経済的に豊かであり、国債という大きな借金はありますが決して貧しい国ではありません。そして外国と多少の緊張関係にはあるものの、戦争が身近に起こる状況でもありません。しかしながら国民感覚からすると、戦後の復興や経済成長からバブル崩壊やリーマンショックを経て、経済的にも精神的にも自信やゆとりがなくなり自分の事しか考えられなくなっているようです。
 自分の外ばかりに向いていた意識の対象を自身の内に向け、他者や他国への寛大さを養い利他を実践することが、日本のみならず全世界の幸福度を高めることとなるのでしょう。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

3月のご挨拶

平成31年3月吉日

 軽暖の侯 日増しに暖かさを加える頃となりました。平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
 さて、平成元年に創設された消費税は、30年が経過し国民生活や経済活動の中でしっかりと認識された重要財源となっています。平成元年の導入時には税率3%でスタートしましたが、平成9年に5%に、平成26年に8%となり今日に至っています。
 そして、周知のように本年10月1日から税率は10%となります。
 今回の改正は税率の引き上げだけではなく、飲食料品と新聞の譲渡に対し8%の軽減税率が導入されることとなったため複数税率への対応が必要となりました。
 複数税率の下では税率ごとの区分経理をしなければなりません。事業者はこれまでの記載事項に加え、軽減対象資産の譲渡である旨及び税率ごとに区分して合計した税込対価の額を記載した請求書等(区分記載請求書等)を発行することや日々の経理において帳簿には軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨を記載することが必要となります。
 さらに区分経理をきちんとするために、2023年10月1日以降はインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されることとなっております。この制度では上記の区分記載請求書等に加え事業者の登録番号やそれぞれの消費税額の表示も必要となります。
 わずか4年の間に制度が2度変わることになるため、事業者の負担がたいへんであることは確かであります。このほかに施行日をまたぐ取引についての適用税率や経過措置の取扱いについての問題があります。しかし、中小事業者ほどクレジットカード対応レジ等の購入や改修の問題対策が遅れているということであります。対応が遅れているのは、安倍内閣において過去2度延期された消費税率10%への引き上げが、今回は本当に実施されるのかと様子見をしている事業者が多いからなのでしょうか?
「社会保障と税の一体改革」を実現するための消費増税に国民の合意はできていると考えますが、軽減税率は担税力に応じた負担軽減となり低所得者対策としての効果があるのでしょうか?
 参考までに軽減税率について各界の賛否を掲げてみました。

 

(軽減税率に反対している団体等)
日本スーパーマーケット協会、日本フードサービス協会、日本チェーンストア協会、経団連、日本税理士会連合会
(軽減税率に賛成している団体等)
日本新聞協会、日本水産加工業協同組合連合会、日本消費者団体連絡会

 

 皆さまはいかがお考えになりますでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

2月のご挨拶

平成31年2月吉日

 余寒なお骨身に応える日が続いておりますが、皆様にはご清祥のこととお慶び申し上げます。平素はなにかとご支援をいただき誠にありがとうございます。
 さて、最近の新聞や雑誌の記事を見ますと、次世代通信規格「5G(第5世代)」に関するニュースが毎日のように掲載されています。私の知る5Gの特徴は以下の通りです。
 第一の特徴は「超高速通信」です。現行の通信規格4Gと比べて100倍の最大速度(20ギガビット/秒)となり、2時間の映画をたった3秒ほどでダウンロ-ドできるようになり、大量のデータを一気に送ることが可能となります。
 第二の特徴は「低遅延化」です。これまでの通信規格(4G)に比べて反応速度が劇的に向上することです。たとえば自動運転の分野では、車間距離の確保や歩行者の急な飛び出しなど障害物の認知情報を即座に取得して運転に反映させる技術が必要となります。遅延が長くなるとその時間だけブレーキやハンドル操作が遅れて事故になってしまいます。解決策として、5Gによる通信技術(低遅延化)により安全な自動運転が可能になるのです。
 第三の特徴は「多数同時接続」です。あらゆるものがインターネットにつながるIoTの実現は現在の4Gでは需要に応えられません。4Gのままでは現在の10倍以上の基地局が必要であると言われています。そこで、IoTの実現には5Gのもつ「多数同時接続機能(1平方㎞あたり100万台以上のデバイスの同時接続が可能)」が大前提となるのです。
 このように5Gは自動運転や遠隔医療さらに建機の遠隔操作など、あらゆる産業を一変させる社会インフラとなる可能性があります。人工知能(AI)が頭脳であり、IoTが視聴覚や触覚などの五感だとすれば、5Gは脊髄神経系統のネットワークであると言われています。
 5Gの出現により、私たちの働き方も大きく変わるのでしょう。たとえば、スムーズなテレビ会議(4Gのライブチャットは映像が途切れがち)やリモートワークにより、地方において在宅で家族と暮らしながら、都心の企業に出勤するのと同等以上の成果を出すことも可能となります。近い将来、営業職の人は相手先企業に出張しなくても、商品説明を画面での会話だけでなく3Dで立体投影もできるようになると言われています。技術系職種の方は現場に出かけなくても機器の遠隔操作が可能となりますし、農業分野においても機械の無人遠隔操作により生産量や質の向上が見込まれるスマート農業の実現が可能となります。
 次世代の社会基盤となる5Gは、日本国内でも19年後半から段階的に商用サービスが始まる見込みです。皆様の企業経営にどのような影響があるのか注視し、スピーディーな対応が求められることとなるでしょう。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

1月のご挨拶

平成31年1月吉日

謹賀新年
 年頭にあたり謹んで御祝詞を申し上げます。
 旧年中はひとかたならぬお引き立てにあずかり、厚く御礼申し上げます。
 さて、公益財団法人 日本漢字能力検定協会が主催する2018年「今年の漢字」一文字には第1位に「災」が選ばれました。たしかに平成30年(2018年)は、自然災害が多く発生した年でありました。そういったこともあって「災」の字が選ばれたのでしょう。
 記憶に残る大きな災害を挙げてみます。

 

  1. 2018年2月 北陸や福井県での平成30年豪雪災害(福井市では37年ぶりに積雪130センチメートルを越えました)
  2. 2018年6月18日 大阪府北部地震(震度6)
  3. 2018年7月 西日本豪雨災害(梅雨前線と台風7号の影響)
  4. 2018年夏 1946年の統計開始以来の猛暑
  5. 2018年8月~9月 平成30年台風21号・24号襲来 
  6. 2018年9月6日 北海道胆振東部地震(北海道全域でブラックアウトとなる)

 

 これらの自然災害により、多くの人たちの命が奪われたことを忘れてはならないと思います。そして、貴重な教訓として、少しでも被害を少なくすることや助け合うことの大切さをより多く深く学ばなければなりません。私たちの日本では災害が起きても暴動も発生しませんし、水や食料が配給となっても皆きちんと並んで順番を待ちます。日本人のすごいところですね。まあ当たり前のことですが、世界には行儀の悪い国も多いようです。
 一方、2018年は数多くの「人災」が記憶に残る1年でもありました。

 

  1. 仮想通貨の流出
  2. 成人式に着る予定だった晴れ着が着られない詐欺事件
  3. スポーツ界での数多くのパワハラ問題
  4. 企業における不正検査やデータ改ざん
  5. 財務省の決裁文書改ざんや自己保身のための忖度
  6. 東京医科大学等の不正入試

 

 「人災」は、人としてやってはいけない当たり前の事ばかりです。他国の人々は日本人を天災時の対応に比べ、同じ民族かと耳目を疑うのではないでしょうか?
 2019年の漢字一文字が世界に誇れるものとなりますよう期待します。
 結びにあたりまして、本年も一層皆様の御期待に沿えますよう、あおぞらの社員一同精進努力致しますので、なにとぞ倍旧のご支援のほどお願い申し上げます。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

12月のご挨拶

平成30年12月吉日

 木枯らしの候 寒さもひとしお身にしみる頃となりました。皆様におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
 さて、今回は国の借金(公債)のお話をさせて頂きます。11月20日に財政制度審議会(財務大臣の諮問機関・榊原定征前経団連会長)は2019年予算について提言を行いました。
 その中で来年10月には確実に消費税を10%に引き上げ歳入を増やし、膨張し続ける歳出に歯止めを掛けることを求めました。そして財政が悪化した平成の30年間を「受益の拡大と負担の軽減・先送りを求める圧力に抗えなかった時代」と総括し、財政審の榊原会長は「政治家をはじめ官僚や経済界など税財政運営に関わった全てに責任がある」と総括されました。平たく言えば、「財政審は警鐘を鳴らし続けてきたけれど、国民が嫌がる消費増税や社会保険の自己負担の増額等を強行すると、選挙を意識する政治家が与野党を問わず困るので、とりあえず社会保障等の増え続ける歳出は借金で賄いましょう」という選択をしてきたということです。
 誰が悪いのかといえば、問題解決の先送りを選択した政・官・財のみならず国民を含む全体の責任ということになるのでしょう。
 各府省が18年8月末までに財務省に提出した19年度予算の概算要求総額は約102.8兆円と過去最大に膨らみました。今後の財務省との折衝等により多少の増減はありましょうが、消費増税に備えた経済対策や教育無償化の予算は別枠扱いで数兆円必要と試算されており、一般会計で初めて100兆円を超えることが確実と言われています。
 1989年に始まった平成という時代は国の借金が増え続けた30年間でありました。今や公債残高は883兆円(30年間で5.5倍)となりました。近年の国債発行額は減る傾向にありますが、18年度予算でも歳入の3割強(27.6兆円)を借金に依存する状況が続いております。18年度の一般会計の歳出総額は1990年度より31.5兆円増えています。その多くは社会保障費で少子高齢化により20兆円以上も積み上がっています。22年度以降は団塊世代が次々と75歳になり社会保障費がさらに膨張することとなります。
 国債保有者のトップは日本銀行であり、その保有残高は437兆円(43.9%のシェア)、第2位は保険・年金基金の236兆円(23.7%)、第3位は都銀・地銀の171兆円(17.2%)となっています。借りたお金を返すのは当たり前のことであり、年の結びに相応しくない話題ではありますが、上記のような状況を考えると心配でなりません。
 企業経営者の皆さまにおかれましては健全な財政状態を維持されつつも、経営環境の変化に果敢に挑み続けられた1年であったことと推察申し上げます。
 本年も皆様には大変お世話になり、誠にありがとうございました。
 新しい年が皆様にとって、より良い年でありますようお祈り申し上げます

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

11月のご挨拶

平成30年11月吉日

 初冬の候 いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、安倍首相は10月15日の臨時閣議で来年10月より消費税率を8%から10%に引き上げる方針を表明しました。税率を上げる根拠は、2012年8月に成立した「社会保障の安定財源の確保を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」に定められています。それにしてもずいぶん長い名前の法律ですね。
 旧民主党政権下の2012年に民主・自民・公明の3党が消費税率を5%から10%に段階的に引き上げることで合意し、高齢化で増え続ける社会保障費の財源確保と借金頼みの財政健全化の両立を目指すという画期的なものでした。同時に3党は税収が景気に左右されにくい消費税を「政争の具」にせず、次世代に負担を先送りしないとの理念も込められ成立した法律です。
 第2次安倍政権となり、2014年4月には3党合意に反することなく税率は8%に引き上げられました。しかしながら、2015年10月に予定されていた10%への引き上げは一年半延期されました。そして延期された2017年4月の引き上げを2019年10月までさらに二年半延期されました。二度の延期の根拠は、上記の法律の附則第18条にいわゆる「景気弾力条項」があるからです。附則18条3項には「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」と書かれています。
 菅官房長官は10月15日の閣議後の記者会見で「リーマン・ショックのようなことがない限り税率を引き上げる」と発表しましたが、リーマン・ショックのようなこととは附則第18条の具体例なのでしょう。過去の二度の税率引き上げ見送りはリーマン・ショックのようなことだったのでしょうか?的外れな勘繰りと言われるかもしれませんが、私にはどう考えても「政争の具」にされたような気がしてなりません。
 自民党の中にも立派な政治家はたくさんいます。例えば竹下亘前総務会長です。竹下議員は北九州市の講演会で「増税をして喜ぶ人はいません。政党や政治家は必ず選挙に負けます。内閣の一つや二つ倒れたって、国のためになるのなら何の痛手もない。政治家はそういう腹を持って仕事をしなければならない」と熱くそして冷静に語られました。
 どんなに日本の財政状況が悪化しても日本は破綻しないという識者もみえますが、皆様はいかがお考えになりますか?先送りばかりしていると、とんでもないことになるのではないでしょうか?今回の消費税率引き上げが延期となれば「2度あることは3度ある」ということになります。是非とも「3度目の正直」として頂きたいものです。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

10月のご挨拶

平成30年10月吉日

 秋冷の候 朝夕の冷え込みも増してまいりました。平素は格別のお引き立てを賜りまして、誠にありがとうございます。
 さて、安倍内閣は2013年の発足当初より「デフレ脱却」を経済の最重要課題に掲げて来ました。そしてデフレ脱却のためには「近い将来物価が上がる」と人々の心理に働きかけることが必要となります。安倍内閣の意向を受けて、日銀の黒田総裁は異次元緩和開始時に「2年で2%」の物価上昇目標達成を明言しました。しかし想定通りには物価は上がらず、日銀の発表する「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」は2年としていた時期を「できるだけ早期に」と後退させました。
 リフレ派の主張する「デフレは貨幣現象であり、量的緩和で物価は上げられる(世の中のお金の量を増やし物価を上げる)」という理論や、マイナス金利等を駆使した金融政策は5年となります。結果として、金融政策だけでは物価上昇目標は達成できないことがはっきりしただけでなく、むしろ円安により輸入物価が上がり、賃金が思ったほど伸びない中で国民生活は苦しくなりました。
 またマイナス金利は金融機関の経営を悪化させ、スルガ銀行のような不適切な融資問題を起こして社会に不安を与えています。日銀の財務も悪化しており、国の借金も増え続けています。安倍政権は「なぜ企業が賃上げや設備投資に二の足を踏むのか?なぜ国民は消費を控えるのか?」を真剣に考え、有効な政策を打ち出していただきたいものです。
 そして、日本の企業自体も「値上げを出来ないことを前提とした経営」を見直すことが必要だと思います。
 東京大学大学院経済学研究科の渡辺務教授によると、「アメリカ中央銀行(FRB)議長を務めたアラン・グリーンスパンは、アメリカ経済が不調であった2000年頃に『デフレ脱却を目指さないと日本のようになる』と警鐘を鳴らした」と紹介されています。そして渡辺教授は「日本の物価上昇率は、1970年代には10%以上となった時期もあったし、80年代には総じて3%~4%となっていた。ところが90年代後半からゼロになり、マイナスになる現象が長く続いている」と数字をあげて説明されています。そしてデフレ脱却への努力をした企業として、数年前に法人・個人顧客向け共に値上げを断行した宅急便のヤマト運輸の例を挙げてみえます。ヤマト運輸は、誠実にドライバー不足や長時間労働・賃金等の待遇改善について値上げをする理由を分ってもらう努力をしたことが消費者の理解を得られたと分析してみえます。
 最近、法人向け引っ越しサービスにおいて料金を不正請求した「ヤマト運輸」と同一の会社とは思えません。なんという体たらくでありましょう。捲土重来、がんばれヤマト。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

9月のご挨拶

平成30年9月吉日

 初秋の候 残暑もようやく遠のき過ごしやすくなりました。
各地に大きな被害をもたらした台風、そして北海道地震の影響を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。   
 さて、「8月のご挨拶」に引き続き金融危機について、もう少しお話しをさせていただきます。前回は日本のバブル崩壊や世界規模の危機となったリーマンショックがなぜ起こったか、金融機関の破たんを法的措置に一任し政府や中央銀行が関与しないとどうなったのか、そしてどのような措置が取られたかについて概要を復習してみました。
 最近の新聞を読みますと「リーマン危機から10年」といった特集記事が多く掲載されています。その中で日本経済新聞に掲載されたアメリカ金融危機調査委員会の委員長(2009年~11年)を務められたフィル・アンヘリデス(Phil Angelides)氏の興味深い話を紹介致します。
 アンヘリデス元委員長は「二人のFRB議長がしっかりとした対応を取っていれば、危機は避けられた。警告のサインはすぐそこにあった。住宅価格は収入水準を超えて急騰、全米で無理な融資が急増していた」とし、具体的には当時の米連邦準備理事会(FRB)のグリーンスパン議長が90年代以降、乱脈融資の警告を受けながら規制強化に消極的であったと批判しています。さらに、07年に大手投資銀行ベアー・スターンズのヘッジファンドが投資した抵当証券が焦げ付いた際に、バーナンキ議長率いるFRBは「これは金融システムの問題ではない」と結論づけた。危機は封じ込められるという見方をしていたと見識の欠如を糾弾しています。
 ジャーナリストでありNewsweekの看板記者であるダニエル・グロス(Daniel Gross)氏も総じて、アンヘリデス氏と同じような見解を示しています。つまり「グリーンスパンは低金利と市場の規制緩和、金融革命の効果の三位一体説を唱え続けたが、持続的な低金利が投機を煽ることになったし、規制緩和によって自由になった市場は機能不全に陥り、大規模な政府の介入が必要となった。しかもこれらの大惨事はグリーンスパンの理論の些細な欠陥ではなく、根本的な特徴が引き起こしたものだった」とし、さらに後継者のベン・バーナンキが、「デフレがインフレと同じくらい懸念されるから低金利政策は妥当だと語り、これは世界規模のカネ余りの影響だ」と説いたことに関し、大きな誤りがあると指摘しています。
 アンヘリデス氏は「金融業界は08年の不始末に政治的・経済的・法的な代償をほとんど払っていない。ウォール街でいま起きているのは危機前に起きていたことと一緒だ」と現在の状況に警告を発しています。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

8月のご挨拶

平成30年8月吉日

 酷暑の候 日本列島は未だ嘗て経験した事のないような厳しい暑い日が続いておりますが、皆様お元気にお過ごしのことと存じます。
 さて、多くの経済専門家は最近の日本経済がデフレを抜けて、大企業を中心に比較的堅調に推移しているとの見方が大勢のようです。この調子で物価上昇率2%の目標を達成し、中小零細企業にも恩恵をもたらしていただきたいものです。
 アダム・スミスは「見えざる手」に導かれて世の中(経済)は上手く回っていると表現しましたが、私たちが経験した過去を振り返ると、凡そ10年に一度は大きな経済的出来事(不況の原因)が起こっています。たとえば約20年前の1997年にはバブル崩壊により北海道拓殖銀行が経営破綻し、山一證券が自主廃業して金融危機に直面しました。
 このころ金融機関の経営危機は不良債権問題によるものが大半でありました。不良債権はバブルにより生まれたものです。1985年9月「プラザ合意」により、1$=240円だった円相場が1年ほどで150円の円高となりました。結果、日本の輸出産業は苦境に陥り、日銀は86年から87年にかけて金融緩和を何度も実施しました。しかしながら、行き場のなくなったお金が不動産と株式市場に向かい、「海の見えるところならどこでもいい」と私どもが暮らす三重県南部の町村にまで都会の不動産業者が土地を求めてやってきました。89年12月末には日経平均が38,900円を記録し、日本経済は円高不況を脱して空前の好景気となりました。
 しかし、90年になると異常な地価の高騰に対処すべく、大蔵省による土地融資への規制(総量規制)が始まり、地価も株価も下がりバブルが弾けたのでした。土地を担保に融資をしていた銀行は担保割れが発生し、財テクに走っていた一般企業も経営が立ち行かなくなったのでした。「失われた10年」の幕開けでもあったのです。
 そして、今から10年前の2008年9月に米国の名門投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻(負債総額64兆円)したことにより世界的な金融危機が起こりました。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の不良債権化が原因でした。リーマンの破綻をきっかけに第2、第3のリーマンが現れて欧米の大手金融機関の連鎖倒産が起こるのではないかという懸念が広がり、金融市場において資金調達が全く機能しなくなりました。不良債権の顕在化という同様の金融危機でありましたが、日本のバブル崩壊とは桁違いの世界的危機であったわけです。このような状況に対して、FRBを始めとする各国中央銀行は、公的資金を大手金融機関に直接供給して信用収縮を迅速に防ぎました。歴史は繰り返すと言われますが、近い将来に発生する可能性のある金融危機を私たちは封じ込められるのでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

7月のご挨拶

平成30年7月吉日

 炎暑の候 連日厳しい暑さに蒸される頃となりました。
 酷暑の中、この度の西日本を中心とした豪雨により、被災された皆様ならびにご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。今なお避難されている皆様、復旧作業に従事されている皆様の安全と被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
 さて、前回に引き続き消費税のお話をさせて頂きます。ご承知のように平成31年10月1日から消費税及び地方消費税の税率が8%から10%に引き上げられると同時に、消費税の軽減税率制度が実施されます。軽減税率制度とは、毎日の生活に必要な飲食料品(酒・外食・ケータリングを除く)と新聞(週2回以上発行されるものに限る)は、今までどおり8%の税率に据え置きましょうというものです。
 軽減税率の導入については賛否両論がありますが、それぞれの代表的な主張をご紹介いたします。
 まず賛成派の神野直彦東京大学名誉教授は「消費税率が高くなるにつれて『課税の公平性』をどう確保するかが大きな課題となる。消費税の公平性とは、生活必需品など、その社会にとって望ましい消費の税率を軽くするということだ。今回の税制改正でそのビジョンが示されたのは画期的な一歩といえる」と評価しています。そして低所得者対策として所得税の対象者には減税し、免除者には「給付つき税額控除」をする方が優れているという意見に対しては「その人の置かれている経済状況は所得だけでは分らない。例えば、所得がゼロでも親の遺産で悠々自適に暮らす人もいるし、会社員と自営業者では所得の把握率に差が生まれている。不公平を助長する可能性がある」と主張されています。
 一方、税の専門家であるすべての税理士が加入する日本税理士会連合会(神津進一会長)は、単一税率の維持(複数税率に反対)を強く訴えています。その根拠は以下の通りです。

 

  1. 税制が複雑になり、公平・中立・簡素という消費税の特徴が失われる
  2. 低所得者対策として非効率的であり、現金給付の方が望ましい
  3. 区分経理等により事業者の事務負担が増加すること
  4. 財政再建が損なわれ社会保障給付の抑制が必要となる

 

 賛否両論を簡単に記述しましたが、真の問題のありかは、軽減税率導入は逆進性の緩和に本当に結びつくのかという理論的、実証的なことであります。
 その証左として土居英二静岡大学名誉教授が民間税調に提出した「年収別にみた消費税と家計負担率」を掲載いたしました。
 結論として、軽減税率を8%にしても5%にしても逆進性を緩和する効果はほとんど皆無であることが判ります。みなさまはいかがお考えでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

6月のご挨拶

平成30年6月吉日

 薄暑の候、今年も梅雨入りした模様ですが爽やかな日が多いように感じられます。
 皆様におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申しあげます。また平素は格別のご高配にあずかり、厚く御礼申し上げます。
 さて、政府は6月15日に財政・経済政策の指針となる「骨太の方針」や成長戦略の「未来投資戦略2018」を閣議決定しました。特に政府が強調したのは「成長重視」という名目の景気対策を講じるということです。安倍首相は来年10月より消費税を予定通り引き上げることを明言しました。過去の経験により消費税増税後に景気が落ち込むことは確実です。景気対策としては、過去のアベノミクスで打ち出された金融緩和・財政政策・規制改革といった「三本の矢」のようなダイナミックな面が感じられません。
 政府も19・20年度の当初予算で「臨時・特別の措置」を講じるとしており、今後更なる経済対策が打ち出されるようです。現時点ではインフラ輸出・農林水産新時代・観光立国・スポーツ立国といったスローガン的なものが多く、早期に実現されそうな政策としては人手不足の中、外国人労働者の在留資格緩和や幼児教育・保育および高等教育無償化の実施など小粒な感じが否めません。
 いずれにしても消費税の引き上げは退路を遮断して実行して頂きたいと思います。
 景気が悪くなるのは避けられませんが、ここで消費税を引き上げないことのリスクを考えてみましょう。多くの政治家・官僚・学者が「日本国債や円は本当に安全かつ健全な資産とは言えない」と警鐘を鳴らしています。その根拠は、2008年のリーマンショックにより欧米の経済が相当のダメージを受けたときに、それまで世界経済の劣等生として、あらゆる批判を受けていた日本経済が再評価されたのです。具体的には、日本の消費税率が低く増税の余地があること(財政再建が可能)や勤勉な国民性(更なる経済成長が可能)とともに実力が見直され、日本国債と円が安全資産とみられるようになったのです。逆に言えば日本国債に対する信認が崩れた場合(消費税率引き上げができなかったとき)には日本国債が暴落して長期金利が高騰し、日本経済は危機的状況となるというシナリオです。そうなると、第一に金融機関の保有する国債の価格は時価評価され損失が計上されるので、思い出したくもない貸し渋りや貸し剥がしが始まるでしょう。第二に利払い費が増え続け緊縮財政となり、日本経済は縮小に向かうことになるとの事であります。
 財の購入やサービスの提供を受け、お金を支払うたびに10%の税金を負担することは大変な苦痛でありますが、社会保障費の増大や若い人たち並びにこれから産まれてくる人の負担を考えると、ここは我慢のしどころではないでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

5月のご挨拶

平成30年5月吉日

 新緑の候 若葉の緑もすがすがしい季節となりました。時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、先月に引き続き事業承継のお話しをさせて頂きます。2018年度の税制改正大綱に「事業承継税制(非上場株式等の納税猶予制度)」に関する改正が盛り込まれました。
 大きな改正点は以下の2点です。
(1)非上場株式等を贈与された際の贈与税等の全額納税猶予
 会社支配株主が所有する株式の贈与等を受けた後継者の贈与税・相続税の全額について納税猶予する仕組みになったということです。現行の事業承継税制では、納税猶予の対象となる株式(発行済議決権株式総数)の上限が全体の3分の2で、しかも相続の場合の猶予割合は80%でした。要するに3分の2×80%=53%の自社株は猶予されますが、残りの47%は納税が必要だったのです。ところが「特例」では、上限と猶予割合の縛りが全廃され、自社株承継時の納税割合がゼロになったのです。
(2)雇用確保要件の実質撤廃
 現行制度では、生前贈与以降の5年間平均で当初の80%の雇用者数の維持が義務づけられています。この要件を満たせなくなると猶予されていた税額を「全額納付」しなければならず経営者は現行制度の選択を躊躇していました。しかし「特例」では、この雇用確保要件は「実質」撤廃されました。「実質」の意味は雇用確保の割合である80%を下回った場合でも、その理由を記載した書類を都道府県に提出すれば、猶予税額を支払わなくても良くなったのです。但しその書類には「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」の意見が記載されなければなりません。認定支援機関とは、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるよう、専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関です。具体的には税理士・税理士法人をはじめ、商工会や商工会議所・金融機関・公認会計士・弁護士などが主な認定支援機関として認定されています。当然のことながら、税理士法人あおぞらも認定支援機関となっております。
 従来、大手の税理士法人は一部の金融機関と連携し、現行の事業承継税制を利用するのではなく、その代替手法として会社の株価引下げスキームを提案し、持株会社方式・会社分割等の組織再編・種類株式の活用と金融機関からの株式買い取り資金の融資を組み合わせてビジネスをしてきました。費用負担と借入負担が残るスキームでもあったわけです。
 2018年度改正による新しい事業承継税制は、後継者にとってシンプルな株式贈与等により、納税猶予のメリットを享受できるものとなっています。私ども税理士法人あおぞらは、税制だけに捉われることなく会社経営の継承という観点から、金融機関並びに司法書士・弁護士・FP・M&A業者等の専門資格者との協同により、経営者や後継者および親族の皆様をサポートして参ります。ご質問・ご相談を宜しくお願い致します。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

4月のご挨拶

平成30年4月吉日

 春粧の候 散る花を惜しむ心の今日このごろとなりました。皆様には益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、日本の企業数の99%を占める中小企業の事業承継がスムーズに行われていないと言われるようになって相当の年数が経過しました。中小企業の70歳以上の経営者245万人のうち、約半数の後継者が決まっていないとも報じられています。このままでは国民の相当数が職場を失い、約22兆円の国民総生産(GDP)が失われる恐れがあります。
 そして、より複雑な問題は廃業する企業のうち凡そ半数が黒字の優良企業であるということです。その中には、日本の高度成長期を支え、独自の技術を持つ数多くの町工場も含まれています。東京都大田区では、曾って約1万あった工場数が3千程度に激減しているとのことです。
 廃業の原因が技術革新による需要縮小や、大企業や新興企業による中小企業分野への進出もありますが、後継者がいないことも大きな理由のひとつです。
 企業内で後継者となる人がいない場合、外部に後継者を求めることが必要となりますが、ひとつの解決策となりそうなのが国や自治体、商工会議所、金融機関などが連携する「事業引継ぎ支援センター」です。
 各都道府県の認定支援機関には「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法『産活法』」により「事業引継ぎ相談窓口」が設置されており、後継者不足などで事業の存続に悩みを抱える中小企業・小規模企業者の方の相談に応じています。
 新聞に掲載された具体例を申し上げますと、自動車整備業を営む企業が県外の自動車組み立て企業に売却したケースや医療機器製造・卸売業の経営者が株式を県外の電線・ケーブル企業に売却した記事がありました。事業承継により経営権を譲渡した後も、その後継企業に請われ経営や技術指導をする方もお見えになるようです。
 事業承継は経営者が50歳代と若く、企業が元気な時期から考える方が成功することが多いという結果が出ています。どの企業にもいつかは訪れる事業後継者問題について早めに考えられてはいかがでしょうか?
 税理士法人あおぞらでは「認定経営革新等支援機関」として、平成30年度税制改正における「事業承継税制」への対応を始め、上記の機関と連携を図り多面的な事業承継を応援致します。何なりとご相談下さいます様宜しくお願い申し上げます。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

3月のご挨拶

平成30年3月吉日

 春陽の候、桜の開花宣言がなされる季節となって参りました。
 私ども税理士法人あおぞら宮川事務所のすぐ横を流れる宮川の堤は、江戸時代より「桜の渡し」と呼ばれる桜の名所で、毎年たくさんの方が花見を楽しんでおられます。
 その対岸には「尾崎咢堂記念館」があり、その建物の前では立派な男性の銅像が入場者を迎えてくれます。彼の名前は「尾崎行雄」といいます。皆さまは尾崎行雄という政治家を御存じでしょうか?尾崎行雄は安政5年(1858年)11月に神奈川県相模原市津久井町又野で生まれました。父である行正は明治政府の役人で、10歳になった行雄は父親の転勤に伴い東京千代田区から当時の高崎県(群馬県:13歳)へ移り、そして14歳の時に度会県(三重県南部)山田(現在の伊勢市)にやってきました。行雄は大変な頭痛持ちで、生まれてから頭痛のしなかった日は無かったそうで、おまけに気が弱く、子の行く末を案じた父行正は、裁判の様子(拷問や首切り)を見せ性格を変えようとしたという話しも伝わっています。驚きですが、当時は一般人にも拷問や処刑などをみせていたらしいのです。
 そんな行雄が板垣退助や後藤象二郎の「民撰議院設立建白書(天皇制の下、国民に選ばれた議員により国会において物事を決めるという主張)」に強い影響を受け、上京し慶応義塾に入学しました。塾長の福沢諭吉に論文を提出して指導を受けていたのですが、塾長といえども納得のいかない指摘に対しては論を張って自己主張したとあります。
 自由民権運動に傾倒していった行雄は、紆余曲折を経て明治18年26歳で日本橋より立候補し東京府議会議員に、31歳で衆議院総選挙に伊勢を含む三重県南部から出馬し当選しました。以後、昭和27年まで県民に請われて立候補し連続25回もの当選を果たしました。
 明治36年6月には東京市長(昭和18年より東京都となる)に就任しました。三重県選出の衆議院議員のまま東京市長を兼任(当時は可能であった)したのです。市長として電車の市営化や水道拡張などのインフラ整備に功績を残しました。市長時代に日露戦争の終結について、米国の尽力のお蔭で勝利する形で講和できたことに感謝の意をこめて桜の苗木を送りました。いまでも春になると桜の花は、ワシントンのポトマック河畔で満開となり日米友好の証となっています。その後米国からは返礼としてハナミズキの花が日本に送られてきました(今もNPO法人咢堂香風が友好の一翼を担っています)。
 私たち伊勢市を中心とした三重県民の自慢は、行雄の政治活動期間の長さでも文部大臣や東京市長や司法大臣になったことでもありません。実際に行雄は政治家としての過半を無所属議員として在野で過ごしました。私たちは憲政(立憲主義)擁護運動に一生を捧げた政治家であり清廉潔白で高い理想を実現しようとした尾崎咢堂(雅号)の強い意志を誇りに思うのです。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄
(引用書「咢堂この人を知ろう」 著者:中田勲見 発行所:NPO法人咢堂香風)

2月のご挨拶

平成30年2月吉日

 梅花の候、皆様益々ご清祥のことと心からお喜び申し上げます。
 さて、今年も春闘の季節となりました。
 まずは「春闘」という言葉の意味をインターネット(Wikipedia)で調べてみました。春闘とは「日本において毎年春(2月)頃に行われる賃金の引き上げや労働時間の短縮などといった労働条件の改善を要求する労働運動である。呼称は春季生活闘争、春季闘争、春季労使交渉などと言われている」とあります。私は労働組合のあるような会社や組織に身を置いたこともなく、自身の働く職場(会計事務所)も、お客様である企業や個人事業者もすべて中小企業なので春闘による賃上げや職場環境の改善についての実感がありません。
 しかしながら近年の人手不足は深刻で、中小企業では求人をしても5社のうち1社しか採用できていません。そのような雇用環境の中で昨年の春闘では、凡そ3分の2もの中小企業が賃上げに踏み切ったと報道されています。中小企業の下に位置する小規模企業においても、経営に余裕はないが賃上げを実施されたところは多いのではないでしょうか。
 国が仕掛けた円安で大企業は業績を伸ばし、内部留保(剰余金)を増やしたのですからサプライチェーン全体に恩恵を広めるべきではないかという意見もあります。中小企業の賃上げには、大企業の協力(取引購入単価の値上げ等)が必要という論理です。しかしながら世界市場で競争している大企業にとって部品などの購入費用が高くなると競争力を削がれることになり、簡単には実行できません。
 2月3日付の中日新聞によりますと、中小企業基盤整備機構の高田坦史理事長は「中小企業が賃上げするには生産性の向上が必要」と指摘されています。生産性を向上させるとは「少ない労力と投入物でより多くの価値を産み出すこと」であると定義できます。2016年の労働生産性の国際比較によりますと、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国中の順位は20位であり、先進7カ国(G7)でも最下位が続いている状況です。
 高田理事長は、具体策として「例えばホームページの作成から始めて、紙の伝票のやり取りをやめて受発注業務の電子化や金融とITが融合したフィンテックの活用をして商売相手を全国や世界に広げられれば稼ぐ力も高まり、賃金アップにつながる」と提案されています。
 税理士法人あおぞらは「やる気のある企業」のIT戦略をご支援致します。
 銀行信販データからの会計帳簿自動作成や金融支援としてのモニタリングサービス、業務改善に役立つクラウド会計等々、何なりとご相談下さい。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

1月のご挨拶

平成30年1月吉日

謹賀新年
 年頭にあたり謹んでご祝詞を申し上げます。
 旧年中はひとかたならぬお引き立てにあずかり、心から感謝致しております。
 さて、「12月12日は漢字の日」とされています。その謂われは「いい字一字」の語呂合わせで、毎年「いい字」を「一字」は覚えて欲しいという願いが込められているそうです。公益財団法人日本漢字能力検定協会に寄せられた15万票を超える漢字の中から、2017年「今年の漢字」第一位(7104票)は「北」が選ばれました。

 

新聞記事に依りますと、2017年を象徴する漢字として「北」が選ばれたのは次のような理由ではないかと報道されています。
  1. 国際的非難を無視して繰り返し行われた「北」朝鮮によるミサイル発射や核実験
  2. 九州「北」部地方の記録的豪雨による甚大な被害が発生
  3. 天候不順で「北」海道産ジャガイモが不足し、ポテトチップスの一部が販売休止
  4. 「北」海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手が大リーグ移籍発表をしたことと、早稲田実業の清宮幸太郎選手の入団決定
  5. 「北」島三郎さんが馬主である「キタ」サンブラックが現役最強馬として大活躍
  6. 葛飾「北」斎の展覧会が話題になる

 

 毎年「今年の漢字」を揮毫される京都・清水寺の森清範貫主は「『北』という漢字は二人が背を向けている姿を表している。同じ二人でも『仁』はお互いに話をし、平和な世の中を築こうという仁愛に通じる。話し合いをしなければ思いは通じない。平和に向かって努力をすることが大事だ」と感想を述べられました。
 貫主のお言葉はトランプ大統領、習近平主席、金正恩委員長そして安倍総理大臣はじめ世界や国家を主導するリーダーに対するメッセージであるともに、わたくしたちに対しても「皆がコミュニケーションを取りあい、より良い家庭や職場そして社会をつくるよう隗より始めよ」と諭されたのではないでしょうか?
 本年も一層皆様のご期待に沿えますよう、税理士法人あおぞらの役員並びに職員一同精進努力いたしますので、なにとぞ倍旧のご支援のほどお願い申し上げます。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

12月のご挨拶

平成29年12月吉日

 師走の候 いよいよ冬将軍が到来してまいりました。
 さて、2018年度与党税制改正大綱の原案が報道される時期となりました。大綱の概略について新聞報道では、法人税を減税し企業の競争力を底上げし、経済成長を後押しする一方、所得税の改正では、収入や所得が多い給与所得者や年金受給者に負担(増税)をお願いして、公平を確保する狙いがあると報じられています。いずれにしても国会で審議され法律が可決されれば、施行されることとなるわけです。
 話はすこし脱線しますが、租税法と憲法の関係について考えてみたいと思います。
 憲法第14条第1項では「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とあり、法の下の平等と謂われていますが、租税法にも適用があります。つまり、担税力に即した租税負担の公平を原則とするものであります。
 一方、憲法第29条第1項に「財産権は、これを侵してはならない」とあります。これは大切な人権の一つで、自由主義社会の基本である私有財産を保障した条文です。ただし公共の福祉(例えば道路や飛行場の建設)と衝突したときには財産権を制限する規定もあります。
 そして憲法第30条には「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」と定め、国民自らの手でつくった国家の運営費用を自分たちで負担をするという当然のことが謳われているのです。納税の義務を負うとは、主権が国民にある(国民主権)ことの証でもあります。憲法で「国民の義務」と規定されているものは三つしかありません。すなわち第26条の「教育の義務(親が子供に教育を受けさせる義務)」と第27条の「勤労の義務(働く能力や機会があるにもかかわらず働かない人、つまり義務を履行しない人は、社会的弱者になっても救済が受けられないということ)」です。そして重要なことは第26条「教育」と第27条「勤労」には権利に関する規定もありますが、第30条「納税」には権利に関する規定がありません。日本人の納税者意識を高めるためOECD加盟国のように、法律で「納税者の権利」を定めることが必要ではないでしょうか?
 最後に、憲法第84条は「新たに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」という条文があり、これに基づいて税制改正も実効性を有することとなります。租税は国民の私有財産を何らの反対給付もなく収奪するものであります。そこに租税法律主義の原則が成立するのです。
 自民党の改正草案を見る限り、租税に係る条文には影響がなさそうですが、来年は憲法改正議論がより活発になり賛否を決する年になるかもしれません。
 結びにあたり、本年も税理士法人あおぞらをご支援いただき心より感謝いたします。
 来年もよろしくお願い申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

11月のご挨拶

平成29年11月吉日

 向寒の候 そろそろ暖房器具の恋しい季節となってまいりました。
 平素は格別の御高配にあずかり、厚く御礼申し上げます。
 さて、降って湧いたような衆議院議員選挙が終わり、結果は予想通り、与党で全議席(465議席)の2/3超(67.31%)となる313議席を獲得しました。自公の得票率は自民党33.28% 公明党12.51% 合計45.79%となり、獲得議席数とのアンバランスが選挙制度 (小選挙区制)の矛盾を露呈しました。与党との政策の違いもよく判らない野党(希望・維新)を含め政党が乱立しており、小選挙区比例代表制の本来の主旨である「政策本位で争う二大政党制」はどうなってしまったのでしょうか?
 そして、いったい何を決めるための選挙だったのでしょうか?
 安倍首相は選挙期間中、憲法改正や財政規律問題の具体策に触れることはなく、消費税の使途を組み替えて「全世代型の社会保障」を推進すると表明されました。自民党と他の政党の消費税見直し案に、いかほどの違いがあるのか私には解りません。2014年の総選挙は「消費税率引き上げ延期」が争点であったのですが、その時も「野党の中で予定通り税率引き上げをすべきだ」とする政党はありませんでした。だから、そもそも争点にもならなかったわけです。今回は消費税の使い道を変更すると言い出しました。つまり「消費税増税の税収の半分を借金返済に充てずに教育や社会保障に回す」というのです。
 その結果日本の財政再建はどうなるのでしょうか?2020年度に基礎的財政収支を黒字化するという目標は何年後に先送りされたのか、ひょっとして諦めてしまったのか明言して頂きたいものです。尤も「増税分はすべて教育や社会保障にあてる」(民進党)や「景気回復の実感が得られるまで増税は凍結する」(希望の党)より、自民党の方がまともであることは確かです。
 良識ある多くの国民は「社会保障制度が破たんするのではないか」「国の借金が1049兆円(国民一人当たり826万円)は、近い将来自分たちがどのような形で負担させられるのか」「消費税は何%まで上がるのか」「トリクルダウンはいつまで待ってもやって来ない」という不安から消費に消極的で、政府をイライラさせています。
 日銀が金融緩和による2%の物価目標を達成し、消費税を増税しても不景気になることはなく、政府が経済成長と財政健全化を両立させるというのがアベノミクスではなかったのでしょうか?不人気政策でも政治家が説得し責任を取るという2012年の三党合意の精神を踏みにじらないで実行して頂きたいと強く要望致します。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

10月のご挨拶

平成29年10月吉日

 秋涼の候 朝夕の冷え込みも増してまいりました。皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、10月6日の日本経済新聞1面に「大廃業時代の足音」という記事が掲載されました。内容は中小企業の廃業に歯止めがかからず、2016年の中小企業の休業・廃業が2万9583件(東京商工リサーチ調べ)となったとのことであります。問題は廃業する会社のおよそ5割が経常黒字という異常な状況であり、社会・経済的に「価値ある企業」が失われている可能性が高いということです。
 資本主義社会において、企業が存在意義を失い市場から淘汰されるのは致し方ないことですが、「価値ある企業(お宝企業)」が後継者難により廃業せざるを得ないのは、なんとしても避けなればなりません。同日の日経記事によりますと、経産省の内部試算では黒字廃業を放置すれば2025年までの累計で約650万人の雇用と約22兆円に上る国内総生産(GDP)が失われる恐れがあると指摘されています。
 慶應義塾大学の樋口美雄教授は、各都道府県での経営者の年齢ごとの廃業率・開業率を現在と同じと想定して推計すると、全国の民営企業数は2015年の402万社から40年には295万社と27%減少し、従業者数は5846万人から4598万人へと21%減ることとなるとのことです。減少率は全国一律ではなく、大都市圏への集中度は高まり、地方との格差は一段と拡大する傾向にあると指摘されています。樋口教授の処方箋は、国の施策として地方で集中的に創業支援や事業承継支援に取り組み、同時に地域の企業でも魅力ある雇用機会の創出に取り込むことが欠かせないとされています。具体的には、政府が地域の企業に経営サポート人材や技能を有する人材を供給する「プロフェッショナル人材制度」を評価してみえます。
 わたくしども税理士法人あおぞらのお客様企業のなかにも、黒字企業であるにもかかわらず「自分の代で事業をやめる」と明言される経営者は相当おみえになります。事業承継業務が事務所の喫緊の課題となっています。そのため金融機関や官民の支援機関と連携してご支援する体制を整えております。
 世代交代した企業は利益率や売上高が増える傾向が顕著であり、国も早めの引き継ぎを促すため、税制や金融を早急に見直すとの事であります。
 経営者の皆様におかれましては、事業承継には一定の時間が必要であることを認識して頂き、なにとぞ早めのご相談をお願い致します。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

9月のご挨拶

平成29年9月吉日

 初秋の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。
 さて、9月1日の日本経済新聞によると「金融庁は、不良債権処理時代の象徴である『検査局』を廃止し、金融機関検査権限を監督局に移行することとした」と報道されました。
 今までの経緯から申しますと、金融庁による「検査改革」は2013事務年度から始まっていたのです。その主旨は、中小企業に対する融資に検査局が口を出すことを止め、金融機関自身が融資先の健全性を判断し、成長分野へ新規融資を促すことにあります。
 アベノミクス始動から4年半が経過しますが、成長力のあるベンチャー企業の育成が思うように進んでいません。その原因の一つが「石橋をたたいて渡る」銀行の融資姿勢にあると金融庁は考えているのです。
 銀行にしてみればバブル崩壊後、検査マニュアルに沿って保守的な融資姿勢を要求されてきた経験が身に染みついています。そして昨年2月に始まったマイナス金利の影響から、金利差でリスク負担が出来ない事情もあるようです。
 ともあれ検査局を解体する背景には、以下の2つの要因があると思います。
 1.不良債権処理を終え、日本経済に金融危機が起こる可能性が低くなったこと
 2.日本社会の構造的危機(国内市場縮小・中小企業の衰退)に対する金融機関の積極的関与が要請されること
 第2次安倍内閣がまとめた日本産業再興プランには「開業率10%台をめざす」とありますが、直近の15年度の開業率は5.2%という状況です。日本経済新聞の8月8日付報道によると、新規開業の壁の一つになっているのが「二重保全(不動産などの担保を取った上で、万一に備え信用保証協会などの保証も求めていること)」に頼る銀行の融資姿勢にあるとの見方があります。この問題については、2014年2月にスタートした「経営者保証ガイドライン」がひとつの解決策になるはずでしたが、未だにその実効性を発揮していないようであります。
 税理士法人あおぞらのお客様の中には「魅力あるビジネスプラン(夢)」を温めている経営者がたくさんお見えになります。税理士法人あおぞらもスタッフ一同「経営計画策定・モニタリング」に全面的に協力いたします。どうぞ、経営者の夢を幻と終わらせることのないよう、金融機関のみなさまのご支援をお願いいたします。

 

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

8月のご挨拶

平成29年8月吉日

 暑中お見舞い申し上げます。暑さ厳しい折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 平素は格別のお引き立てを賜りまして、厚く御礼申し上げます。
 さて、去る7月28日TKC三重統括支部総会が開催されました。これからは、従来の三重北支部と三重南支部の活動に加え、両支部が力を合わせ経営者セミナーの開催を行うなど、更なるサービスをお客様に提供させて頂きます。
 総会終了後、特別研修会が開催され興味深いお話を聴くことができましたので、ご報告申し上げます。
 講師は森信親金融庁長官の地域金融大改革をテーマにしたベストセラー「捨てられる銀行」の著者で共同通信社経済部記者の橋本卓典氏でありました。まず橋本氏は、日本社会を取り巻く環境が大きく変わったため金融行政や金融機関も変わらざるを得ないとし、以下の要因を挙げられました。
 1.人口減少リスク 2.少子高齢化 3.国内市場規模の縮小 4.中小企業の衰退
 過去20年に及ぶ金融行政は不良債権処理を最優先課題とし、銀行の健全性を保つため「金融検査マニュアル」を活用し、担保と保証による貸し出しを求めてきました。しかしながらここにきてルールは大きく変わり金融機関は「ミニマムスタンダード(ルールを守り最低限の事しかしない)」から「ベストプラクティス(徹底した顧客の視点に立った行動)」へ転換を求められることとなりました。時代の価値観が変わったのに顧客本位のビジネスモデルを構築できない金融機関は生き残れなくなるという訳です。
 「泣く子と地頭には勝てぬ」と申しますが、金融庁の方針転換に対する金融機関の皆様のご意見をぜひともお聴きしたいところであります。橋本氏によりますと、金融機関の資金はその多くが、スペイン国債と住宅ローンそしてサラ金に向けられているとのことです。
 森長官は金融機関が「顧客の事業を見る」という最も根幹である目利き力を取り戻し、信任された者が果たすべき崇高な義務Fiduciary・duty(フィデューシャリー・デューティー)に向き合って欲しいと望んでみえます。橋本氏が挙げられた顧客本位の具体例を紹介します。

 

  1. 営業ノルマを捨て、金利を超える顧客との信頼関係を築く北國銀行・・・
    (1)フィンテック利用によるモニタリング(早期融資判断)
    (2)自行のクレジットカード会社設立による手数料引き下げ
  2. 「潰し屋」を潰し、「異分子」を取り込む京都信用金庫のアントレプレナー制度・・・
     京都信金の行員に起業を認め、失敗したら復職を認める

 

 いつの世も、人間を取り巻く環境は凄いスピードで変わっているのですね。環境に適応できる企業には明るい未来がありそうなお話でした。

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

7月のご挨拶

平成29年7月吉日

 盛夏の候 今年は空梅雨で水不足に悩まされるのではと思われていましたが、北陸地方や九州方面では記録的豪雨となり大変な被害が報道されています。
 被害を受けられた皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 さて、先日東海税理士会主催の研修会において「税理士として知っておくべき憲法の知識」というテーマの勉強会がありました。講師は弁護士・伊藤塾塾長・日弁連憲法問題対策本部副本部長の伊藤真先生でした。聴講した多くの税理士は、日本国憲法第30条(納税の義務)や第84条(租税法律主義)ならびに第14条(法の下の平等)から敷衍される大島訴訟のような事例解説を期待していたと思います。
 しかし伊藤真先生の講義の主題は「立憲主義とは何か」ということでありました。
 私の高校生時代の授業(公民という科目はなかったので倫理・社会だったと思います)でも憲法の勉強をしたはずです。試験問題では「憲法の三大原則を回答欄に書きなさい」と言う問いに対して、「1. 国民主権 2. 平和主義 3. 基本的人権」と回答することを求められたのでしょう。しかし「その3つの原則の意味するところを回答欄に書きなさい」という問題は出題されたことはなかったと思います。
 今日「立憲主義」という言葉も皆が知っていると思いますが「その意味するところを述べなさい」と質されると、私は立ち往生するばかりであります。
 伊藤先生は「立憲主義とは、主権者である国民が、憲法で国家権力を制限し、政治家や公務員に憲法に従った政治・行政をさせることである。欧米の近代国家はすべて立憲主義に基づいて組み立てられている」そして「いままでは、政治家が憲法の縛りを自覚して政治を行ってきた。数年前から安全保障法制や原発政策において一般国民の思いと違うことを政治家が勝手にやるようになってきた。国民も『自分たちが主体となって、憲法で権力を縛っていかないと大変なことになる』と気づきはじめた」さらに「改憲論は国民から出て来るべきもので、縛られている側の政治家が『縛りを緩くしてくれ』というのは立憲主義を理解していない証左である」と説明されました。確かに日本国憲法には、国民を縛る「国民の義務」に関する条文は、第30条「納税の義務」、第26条「教育を受けさせる義務」、第27条「勤労の義務」しか見当たりません。しかも教育と勤労には権利に関する規定もあります。本来、この三大義務も憲法に書くべきではなかったという主張をされる憲法学者もみえます。三大義務は確認的に置かれたのでしょう。
 改憲については賛否両論がありますが、先ずもって「立憲主義とは何か」をしっかりと理解をした上で議論をしなければなりません。見識や教養を欠く討論は「議論ではなく言い争い」になってしまいます。
 立憲主義について、皆様はいかがお考えでしょうか?

税理士法人あおぞら 代表社員 永井 良雄

6月のご挨拶

平成29年6月吉日

 麦秋の候、梅雨時には珍しく青空と爽やかな日が多い今日このごろです。
 平素は何かとご指導ご鞭撻を賜り御礼申し上げます。
 さて、将棋や囲碁の世界では人工知能(AI)と棋士の対戦が度々おこなわれていますが、昨今、AIに軍配があがることが多くなってきました。超一流の棋士が敗れるのを目の当たりにして「人類がAIに乗っ取られるのではないか?」と脅威に感じられる方も多いのではないでしょうか?
 税理士事務所業界におきましては、棋界のようにはっきりとした勝敗というものは目に見えませんが、着実にAIが作業処理の領域を広げています。たとえば、銀行取引や信販・クレジットデータの自動読み込みや領収書などの証憑をスキャナーで読み取んで自動仕訳してしまうことは、私ども税理士法人あおぞらでも既に取組みを始めており現実のものとなっています。今後は、人間である税理士しかできないと考えられてきた税務判断業務についてもAIとの職域争いが激しくなってくることは確実であります。
 とにかく、どの世界においてもAIの進化のスピードが加速していることは事実で「まだ10年はAIに追いつかれないだろう」と思っていると背後まで迫ってきていたり、棋界のようにあっという間に追い抜かれたりするのでしょう。
 しかしながら、産業革命により肉体労働の多くが機械に代替され人間が苦痛から解放されたように、知的活動においてもAIを利用して人間は人間にしかできない創造的作業にエネルギーを注ぐべきであり、悲観的になる必要はありません。たとえば、帳簿作成などはコンピュータに100%まかせ、経営者はAIを高度利用して、いつでもどこでも思いついたことを音声入力によりスマホに話しかけると、新しいビジネスに関する経営計画が出来上がっていくような世界を想像すると楽しくなりませんか?
 今年2月中旬「文明を脅かす12のリスク」というレポートが公開されました。作成に携わったのはオックスフォード大学の研究者・科学者や金融・経済の専門家というメンバーです。その内容は核戦争・気候変動・パンデミック・生態系の崩壊・巨大隕石の衝突等々・・・そしてAIのリスク(人工知能独裁者や膨大なロボットの出現など)です。「ターミネーター」という映画をご覧になった方はAIのリスクを体験されたのではないでしょうか。
 12のリスクのうち、11のリスクは只々脅威でしかありません。AIのリスクについても「人類の未来研究所」創設者のニック・ボストロム教授の言うように「人間のコントロールが及ばない超知能マシーンが宇宙を征服するほど、あるいは人類を絶滅させられるほどの無限の素質を持っている」かも知れませんが、人間が正しい使い方をするかぎり、社会の大きな問題を解決し人類を救済するものとなる可能性が大きいと思います。皆様はどのようにお考えになりますか?

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

5月のご挨拶

平成29年5月吉日

 薫風の候 暑からず寒からずの好季となりました。平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、今月は「労働」についてお話させて頂きます。皆様の「労働」についてのお考えは多様なものであろうと推察いたします。欧米人の「労働」についての考えを英和辞典で「Labor」と引きますと、①労働・勤労・骨折り、②苦しみ・悩み、③陣痛などが出てきます。しかし古来日本には「労働」という言葉はなく、「仕事(働き)」という言葉を使っていたと思います。江戸時代の禅僧 鈴木正三は「どんな仕事も仏道修行です。働いてこそ成仏できるのです。すべての仕事が、世のため、人のためになると知りなさい」と説いておられます。
 現在、鈴木正三のような考え方をする日本人は少数派でしょうが、今も欧米人の考え方とは異なる労働観を持っているのではないでしょうか?多くの日本人は、職業として仕事をすることは、単に自己の生活の糧を得るだけではなく、帰属する集団(会社など)のため献身的に奉仕し、生きがいをもその中に見出し自己実現を図ろうとしています。日本が経済成長を遂げ、先進諸国の一員であるのは、こういった労働に対する考え方が大きく寄与しています。
 しかしながら私たち日本人の働き方は、サービス残業が過ぎたり、社会正義と会社正義を履き違えることも少なからず生じています。とくに「労働時間」については欧米社会に比して劣悪な状況であり、過労死・過労自殺者は近年年間200人前後で推移しています。このような状況で日本はいい国だと言えるでしょうか?海外メディアでも日本語のKaroshi(過労死)はそのまま紹介されているそうです。
 恥ずかしながら私の職場も、確定申告時期等には役職員共に相当時間の残業をしております。使用者として、残業時間の削減に真剣に取り組んでいるところであります。
 第2次世界大戦後、米軍の占領下で一連の民主化が始まりました。1946年に日本国憲法が公布され、第25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定し、憲法第27条は「賃金、就業時間、休息その他の勤労に関する基準は法律でこれを定める」としました。労働基準法が公布されてから70年が経ちました。第1条は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならない」と謳っています。
 今回の労基法改正は青天井だった残業時間の上限を「月100時間未満」とし、安倍首相は「歴史的な一歩である」とされましたが、これは過労死の労災認定基準であります。国・労働団体・使用者による更なる働き方改革をお願いします。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

4月のご挨拶

平成29年4月吉日

 春暖の候 花冷えの日が続いていますが、今年の桜の開花は少し遅いようです。
 さて、安倍総理大臣はテロ対策を急ぐため、組織犯罪処罰法改正案の今国会での成立を主張していますが、与党である公明党は「契約や相続に関する民法改正案や性犯罪を厳罰化する刑法改正案を優先して審議すべき」として平行線をたどっています。国民にとっての優先順位はどうあるべきでしょう?
 当初、組織犯罪処罰法は今国会で成立するであろうと思われていましたが、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる問題がスキャンダル化して、この問題に区切りを付けないと他の法案審議に入れない状況となっています。

 

「森友学園」への国有地売却の経過を簡単に整理してみましょう。
  1. 国土交通省大阪航空局が管理していた豊中市の未利用地(8770m2)を近畿財務局が2013年に売却先を公募
  2. 同上の土地を昨年6月に幼稚園を営む学校法人「森友学園」に売却(公共随意契約)したが、国有地売却の情報公開原則に反して金額を公表していなかった
  3. 2月に朝日新聞が、「森友学園」への売却代金は1億3400万円であり、豊中市に売却した隣接する国有地(ほぼ同じ面積)の約1割という異常な価格であったと報じた
  4. 財務省理財局次長は、不動産鑑定額は9億5600万円であるが「廃材や生活ゴミ等の埋設物の撤去ならびに処理費用として」8億1900万円を控除したうえで売却した。また、非公表とした理由は「森友学園」側から「埋設物の存在を知られると入学予定の保護者があらぬ心配をされるから」と説明した
  5. 「森友学園」の前に別の学校法人が校舎用地として約7億円で購入したい旨を財務局に打診したが、「安すぎると」断られたとの報道もある

 

この問題はスキャンダラスな観点からではなく法的な論点としてみることが必要です。
  1. まずは補助金申請で、複数の金額の異なる学校建設費を「森友学園」が当局に提示していた問題(補助金適正化法違反の疑い)
  2. 鑑定評価額9億5600万円の国有地を1億3700万円で取得したことの妥当性
  3. 取得前に定期借地契約を結んでいた16年4月には「森友学園」は「有益費(廃棄物除去費用)」名目で1億3200万円を受け取っている
  4. 一連の取引をまとめると、賃貸料を除いて国が収受したのは500万円ということになる。これは納税者の理解を得られる妥当な経済取引と言えるのでしょうか?

 

 国会の場でこれ以上の真相究明は難しいと思います。司法の出番ではないでしょうか。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

3月のご挨拶

平成29年3月吉日

 早春の候 冬の名残りがまだ去りやらず、コートが手放せない日が続きます。
税理士法人あおぞらは、今年も3月8日に所得税・消費税の確定申告および贈与税の申告業務を終え、通常業務に戻りました。
 一息ついて今月は、租税を通して国家と国民の関係を考えてみることにしました。
 日本国憲法第30条では「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と、国家の存立に必要な社会的共通経費を納税により負担する義務を定めています。
 租税と同じように第26条では教育を受けさせる義務、第27条の勤労の義務、これらをあわせて「国民の三大義務」とされています。教育と勤労は権利に関する規定もありますが、納税には権利に関する規定はありません。経済協力開発機構(OECD)加盟国では、法律や行政文書で納税者の権利を定めている国が大多数で、アジアでも韓国・台湾・香港が納税者権利憲章を保持しています。我が国でも民主党政権下の平成22年度税制改革大綱において「納税者権利憲章」が法案として提出されましたが、翌年の衆議院での協議により削除されてしまいました。
 私は、納税者権利憲章制定の目的を「納税者の税務に関する権利・義務をわかりやすい言葉で説明して、こうした情報をより多くの納税者に周知させ理解させようとするもの」であると考えます。平成23年度税制改正により国税通則法も改正され税務調査手続きの透明化が進んだとは言え、上意下達的なものではなく、真に民主的な納税者の権利及び義務を明確にするという根本的な立法が必要だと思います。
 因みに、納税についての自民党改憲草案は「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」と現行通りで権利に関する文言はありません。蛇足ながら民進党においては未だ改憲草案が作成されていないようであります。

 

(参考:日本国憲法)
第26条  ①  すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
  すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。
第27条   すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

 

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

2月のご挨拶

平成29年2月吉日

 立春とは名のみの寒さが続いております。皆様におかれましては、お健やかにご活躍のことと拝察申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、本年1月20日第45代アメリカ合衆国大統領にドナルド・トランプ氏が就任しました。就任演説では「米国第一」を強調し、米国内に賛否両論を呼び深刻な分断をもたらしています。選挙期間中からマスメディアでは、トランプ氏の政治的知性や人種に関わる見識が自己中心的であるとして批判的な論評が目立ちました。
 私自身も、トランプ大統領は白人の強欲な実業家であり、金満家であり、ティーパーティー運動の支持者であり、レイシストであるという認識が強かったのですが、2月1日の中日新聞に掲載された東京大学教授松原隆一郎氏の論評を読み認識を新たにしました。
 松原教授によると、「こと経済に関してトランプ大統領は至極まっとうな主張をしている」とし、「歴代米大統領の多くは『米国第一』と唱えてきたが、トランプ大統領はその「米国」にワシントンのグローバリズム政策が重視した金融資本家やオバマ大統領が重視した低所得者層ではなく、中間層や産業界を据えるべきだと言っているのである」と解説されています。松原教授は「ここには二つの事態が含まれている。第一は、米国において対外総資産と対外総負債の差額である純資産はマイナスである。ところが対外総資産の運用で巨額のキャピタルゲイン(有価証券売却益)を得ており、対外総負債の利子支払いを上回り、所得収支がプラスになっている。つまり米国は金融立国なのである。第二は、米国だけが貿易赤字となり日中独や新興国が軒並み貿易黒字を計上しているというグローバル・インバランス(貿易の不均衡)である」と指摘され「ありがちなトランプ批判(例えば日本の主張)は、金融に比較優位があるのもグローバル・インバランスも経済主体が自由に活動した結果でしかない」つまり、私なりの解釈では、日本が商売で稼得したお金を貸し付けて何が問題なのか?そのお金の運用で米国の金融ビジネスは巨万の果実を得ているではないかということです。
 しかしトランプ大統領は「金融立国といっても、すべての国民が金融マンになれるわけではない。米国にも自動車産業があり、それを失業の輸出で苦しめているのが日独等である」と主張します。なるほど、そう言われるとトランプ大統領を単なる低俗なポピュリストと断じることはできず、原理主義的なリベラリストと理解することも可能でしょう。
 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授は「我々は今、民主主義そして資本主義の将来について真剣に考えなければならない時期に来ている。いま米国において、貧しい生まれなら、その70%が中間層にすら上がることはできない。上位20%の層に入る率はわずかに4%だ。過去数十年にわたるグローバリゼーションと技術革新がもたらしたものは格差だけだった」と断じています。翻って日本においてはどのような数十年だったのでしょう。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

1月のご挨拶

平成29年1月吉日

謹賀新年
 年頭にあたり謹んでご祝詞を申し上げます。
 旧年中は税理士法人あおぞらに変わらぬご厚情を賜り、心より感謝いたしております。
 さて、公益財団法人日本漢字検定協会は毎年12月に公募により寄せられた中から、その年の世相を表す「字」を決定しています。平成28年の一字は「金」となりました。「金」の意味には、(1)貨幣・お金・(2)金属としての金・(3)こがね色・(4)堅固の意・(5)貴重の意、などたくさんありますが、庶民が選んだ今年の漢字『いい字一文字「金」』は、リオデジャネイロオリンピックの金メダル12個、金髪で大富豪のトランプ次期大統領、舛添要一前東京都知事の政治資金私的流用問題、そしてネットで人気を博したピコ太郎の金ピカ衣装などが原因だったのではないかと言われています。
 年が改まりまして、今年の十二支は「酉(とり)」です。酉は「果実が極限まで熟した状態、酒熟して気の漏れる状態」であり、物事が頂点まで極まった状態が酉年だと言われています。換言すれば「成果が得られる年」または「区切りの年」とも言えましょう。酉年は商売繁盛に繋がる縁起の良い年とされています。酉年生まれのかたは直観力や行動力に優れているそうですので、家族や社内の年男や年女の皆様には大いに期待しましょう。
 また昨年はマスメディアの大方の予想に反して、イギリスで行われた国民投票でEU離脱票が過半数を占めたり、アメリカ大統領選挙で共和党のトランプ候補が勝利したりと仰天するようなことがいくつも起きました。今年は去年にも増して政治だけではなく、経済や社会においてもさらに予想しがたいことが発生する年になるものと考えております。このような状況のもと、税理士法人あおぞらは租税正義の実現とお客様の経営を応援し、その発展成長のために全力を傾けてまいります。
 結びとなりますが、今年が皆様にとりましてさらなる発展の年となりますことを祈念するとともに、皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げて新年のご挨拶とさせていただきます。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

12月のご挨拶

平成28年12月吉日

 寒冷の候、今年もいよいよ残りわずかとなって参りました。
 さて、皆様は「国際連帯税」という言葉を御存知でしょうか?「国際連帯税」とは貧困や気候変動、疫病、途上国支援といった世界的な問題への対策資金確保を目指すもので、2002年の国連開発資金国際会議で初めて検討されたものです。
 日本ではまだ導入されていませんが、フランスや韓国、チリなど十数か国では海外に出かける航空券を購入する際に少額の航空券連帯税を徴収して、これを財源に途上国の感染症対策に活用しています。飛行機に乗ることで自然に国際貢献ができる仕組みです。日本人も、フランスや韓国などを出国する際には購入する航空券に航空券連帯税が含まれており、当然に負担していることになります。
 横浜市立大学の上村雄彦教授(国際政治学)によると、税額をエコノミークラスで500円程度、ファーストクラスで5,000円程度とした場合、税収は単年度で約905億円が見込まれるそうです。飛行機の利用者の負担感も少なく、「政府開発援助だけでは必要な資金を確保できない」として毎年税制改正要望を出している外務省も大賛成であるようです。しかしながら航空関連業界からは反対意見があり導入の目途は立っていない状況です。
 最近、パナマ文書でタックスヘイブン(租税回避地)が世界的な話題となりましたが、国際連帯税のなかで、このところ注目されているのが金融取引税です。その仕組みは、金融機関や投資会社(ファンド)などが金融商品(株式・証券・為替など)を取引するつど課税されるというものです。発想の原点は、リーマンショック時に投資に失敗した金融機関救済のために巨額の公的資金が投入されたことを教訓とし、再び起こる可能性のある金融危機に備えるとともに投機的な取引を抑制する役割も期待されています。いまのところ日本では導入に向かう動きはないそうですが、金融機関等は当然のように反論を唱えるでしょう。上村教授は「タックスヘイブンへの課税強化と金融取引税で年間5~6兆円もの税収を得られる可能性がある。それを財源にすれば、保育士や介護士の待遇改善や大学生向け給付型奨学金制度導入などが可能になる」と解説しています。
 私は、航空券連帯税も金融取引税もその使途が一般国民の理解を得やすいのではないかと思います。自分が相応(重税感の無い)の負担をして、納得のいく使われ方をするのが理想的な税のありかたではないでしょうか。
 結びに当たり歳末のご挨拶を申し上げます。皆様におかれましては、本年も税理士法人あおぞらをお引き立ていただき心より感謝いたします。来年も今年同様のご厚情を賜りますようよろしくお願い申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

(文中 国際連帯税につき中日新聞2016年7月21日の記事を引用させていただきました)

11月のご挨拶

平成28年11月吉日

 向寒の候、初雪の便りも聞かれるこの頃です。平素はことのほかご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、今回は11月8日に開催されました「TKC中部会秋季大学2016」において、特別講演会の講師をして頂いた元中日ドラゴンズ投手の山本昌(本名は山本昌広)氏の講演内容をお伝えいたします。
 山本氏は皆様ご承知のように200勝(219勝)投手であり、50歳を超えるまで現役投手として数々の記録を打ち立てられました。小学3年生の時初めて野球チームに入ったのですが、正選手ではなく中学校でもずっと控え投手として背番号10番をつけていたそうです。
 中学校3年の時にエースが怪我をしたため、山本投手が県大会で活躍し頭角を現し始めたのですが、この時の経験から「悲観せず常に準備をしておくことの大切さを学んだ」と言われました。日大藤沢高校に入学後も野球部で投手として活躍したのですが、神奈川大会では高校2年夏、高校3年夏ともに横浜商業に敗れ悔しい思いを経験されました。当時一年先輩であった荒井直樹氏(平成25年甲子園夏の高校野球大会優勝校・前橋育英監督)に薦められて毎朝7時からランニングと200球の投げ込みをずっと続け、毎日トレーニングを続けることが身につき、50歳を過ぎるまでプロ野球選手として活躍できたと感謝しておられます。
 中日ドラゴンズにプロ入りしてから5年目で初勝利をあげたのですが、ずいぶん苦しい思いをされたことでしょう。その前年まで中日ドラゴンズから野球交換留学していたときにベロビーチキャンプで巡り会ったドジャースの世話役アイク生原さんには「技術的なことにも増して、消えかけていた野球への情熱や楽しさを思い起こさせて頂いた」と感慨無量の面持ちで話されました。一期一会と申しますが「人との巡り会い」を大切にし、天使の後ろ髪を逃さなかった山本昌氏も立派です。
 1995年には膝を痛め終止不調で翌年も勝ち星は一桁でした。プロ野球選手の選手寿命は6~7年の人が多いそうなので、山本投手も現役時代は常に引退の時期を考えたことと拝察いたします。しかし講演の中で山本氏は「どん底の中にチャンスをみつける」ことが大切と強調してみえました。そして「チャンスは運よく降って湧いてくるものではなく、普段から自分が何をしているのかで決まります」と言われ、「野球選手はグラブやスパイクの手入れをしているか、グランドだけでなく道路でも唾を吐くこともなくゴミを拾っているか?サラリーマンの皆さんも自分の靴を磨きましょう」と講演を締め括られました。
 お話を聴いて私は、一つの職業や才能に秀でた方は万事に共通する真理を体得されることを強く認識致しました。山本氏の今後のご活躍を祈念いたします。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

10月のご挨拶

平成28年10月吉日

 山野の紅葉も日ごとに色づいてきました。毎々ひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、日銀は9月20日と21日に行った大規模金融緩和の「総括的検証」により、金融政策の枠組みを修正し、目標をお金の「量」から「金利」に転換したと発表しました。2月にマイナス金利を導入後、預金金利が極限まで低下したことにより、保険会社は国債での運用が困難となり貯蓄性保険商品を販売停止に追い込まれ、年金の積み立て不足に陥る企業も増加しました。日銀の政策変更は、マイナスが続く長期金利(10年物国債)を0%程度に誘導するというもので、金利が上がれば保険や年金の運用も好転するという目論見です。他方、住宅ローン金利は上昇して負担が増えることになり景気浮揚にブレーキを掛ける事にもなりかねません。しかし、経済ジャーナリストの荻原博子氏は「政策を修正しても動く金利はわずかであり、本質は極端な低金利が続くのが確定したということだ」と論評されています。日銀の掲げる2%の物価上昇の早期実現達成までには、なお時間がかかりそうです。
 一方、わたくしども税理士事務所のお客様である中小企業及び小規模事業者においては、三年半になる異次元の金融緩和やアベノミクスの恩恵に浴するところは殆どありません。金融機関からの借入金利が下がったのはごく一部の優良企業のみであり、消費税増税による売上低下や厚生年金保険料引き上げによる負担増、円安による輸入資源(商品・原材料等)の値上がり、人手不足のため同業者に歩調を合わせ賃上げせざるをえなくなっています。救いは産油国の過剰生産による原油安のお蔭でガソリン等の燃料費が安値安定していることでしょうか。いずれにしても近い将来「売り上げが増えて、利益も増えるから投資をして積極的に商売を拡大して行こう」というマインドにはなっていないということです。
 結果として、アベノミクス効果により倒産件数は(2014年 9,731件)とここ数年減少していますが、休廃業(2014年 26,999件)は倒産件数の2.8倍であり、毎年4万件近くの企業が消滅しています。もちろん「隠れ倒産」を加えると現状は更に厳しいものだということです。

 

東京商工リサーチの調べによる休廃業の理由は以下の通りです。
  1. 後継者がいない又はいても事業の将来性を考えて継がない(75%と最も多い)
  2. 人手不足・・・都市部に働き手が流出している
  3. 販路縮小・・・人口減少ならびに消費者減少
  4. 労務費や資材の高騰による経営不振

 

 「失われた20年」で多くの中小企業経営者が学んだことは、トリクルダウンや高度成長時代の再来はないということだけなのでしょうか? 自力の発揮を願ってやみません。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

9月のご挨拶

平成28年9月吉日

 朝夕はめっきり秋めいてまいりました。
 平素は格別のご支援を頂きまして、心より感謝申し上げます。
 さて、リオ・オリンピックが終了し、日本が過去最多のメダルを獲得するという快挙を成し遂げたということで盛り上がっています。引き続きパラリンピックが開催されていますが、近年における障害者選手のレベルの高さには驚かされます。難しい問題が多々あろうかとは思いますが、私は両大会を同じ期間中に開催していただきたいと願っています。
 スポーツの世界を見ていますと、国や民族を超えた相互理解、信頼および人権の尊重に基づく世界平和の実現が可能であることを実感できます。
 しかしながら日本周辺の政治・軍事的状況をみますと厳しい現実に直面しており、戦後最悪の緊張関係にあると言えましょう。東シナ海の沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺での領海侵犯や、南シナ海への海洋進出を続ける中国、そして9月9日に初の核弾頭の爆発実験(爆発規模が10キロトン程度で過去最大級)を強行した北朝鮮の行動に対する有効な現実的手段には何があるのでしょうか?新聞報道によりますと、国連安保理事会の緊急開催、日米韓3国による追加経済制裁などが報じられていますが、自衛のための軍事力による抑止ということも考えざるを得ません。
 自由民主党(以下「自民党」)が平成24年4月に決定した「日本国憲法改正草案(現行憲法対照)」によりますと、第2章のタイトルが「戦争の放棄」から「安全保障」に変えられています。そして戦争の放棄を謳う9条1項は現行憲法をほぼ維持していますが、戦力の不保持と交戦権の否認を定めた2項を削り、新たに「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」としました。
 つまり、自衛権の行使が明確になったものであり、自民党の解釈によると、日本への攻撃に反撃する個別的自衛権のみでなく、日本と密接な関係にある国への攻撃に対して反撃する集団的自衛権も含まれるとのことです。さらに新たに9条の2を新設し「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」とされ自衛隊を軍隊とすることが明記されました。
 前述したように現下の極東情勢を考えると、自民党の改正草案に首肯せざるを得ない面もありますが、立憲主義という見地から考えると、国家権力と基本的人権は対立関係にあるものです。この改正草案について「人権はかなり制約されるが、統治機構には殆ど制約がない」という批判があるのも事実です。
 皆様は「憲法改正」についてどのようにお考えになりますか?

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

8月のご挨拶

平成28年8月吉日

 立秋とは名ばかりで暑い日が続いています。皆様におかれましては、お元気でお暮しのことと存じ上げます。また多くのご家庭では、お盆休みに祖先の霊をお迎えし、心静かな時間を過ごされたことでしょう。
 さて、今年も太平洋戦争後71回目の終戦記念日を迎えました。私は1948年(昭和23年)生まれなので、戦争の直接的な体験はありません。しかし幼少期には町で傷痍軍人や米兵を見た記憶がのこっていますし、伯父が戦死したことや父母が満州から祖母と兄を連れて引き揚げ、その後、兄が亡くなった話は父母からよく聞かされました。
 私は「あなたの僥倖は何か」と訊かれれば、67歳になるこの日まで戦争を体験せずに生きてこられたことだと思っています。日本の歴史で70年以上戦争がなかったことは、まことに稀有なことではないでしょうか。なぜこのような平和な時代が長く続いたのかと考えてみますと、やはり日本国憲法第9条の存在が大きいと言わざるを得ません。
 9条の条文を繙いてみましょう。
「第9条第1項」・・・日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
「第9条第2項」・・・前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
 第9条の解釈については、国家の理想を示す「理想的規範」としての政治的マニフェストであり、政治過程においても法的拘束力がないとする見解(法規範性否定説)があります。この見解は、自衛隊の合憲性という戦後最大の憲法問題を解消する上で興味深いものですが、政府解釈において「法規範」として扱われ、一定の歯止めの役割を果たしてきた事実があります。また最高裁判所も自衛隊の合憲性については憲法判断を回避してきたものの、法規範性自体は肯定しています。しかしながら、一切の戦争を放棄したと解する全面放棄説と、侵略戦争のみを放棄したと解する限定放棄説の論争は決着をみておりません。近年、日本を取り巻く東アジアの政治的・軍事的状況およびテロ対策・人道復興支援等の国際貢献を考えますと、憲法改正について、我々国民が真剣に考えるべき時が来ているのではないでしょうか。
 憲法第12条前段は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」と謳っています。
 我々は、不断の努力を払って、各政党の憲法改正案を比較し検証する必要があります。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

7月のご挨拶

平成28年7月吉日

 暑中お見舞い申し上げます。
 さて、英国オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行っているマイケル・A・オズボーン准教授が著した「雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか」という論文が話題となっています。その内容は、今まで人間にしかできないと思われてきた仕事が、人工知能を搭載したロボットやコンピューターに取って代わられる時代がすぐそこまで来ているというものです。
 オズボーン准教授は米国労働省のデータに基づき、702の職種がコンピューターテクノロジーによって、近い将来自動化されるかを分析しました。その結果「今後10年~20年で米国の総雇用者の47%の仕事が自動化される可能性が高い」という結論を出したのです。
 主な「消える職業」「なくなる仕事」の中には、例えば次のようなものがあります。
 ・銀行の融資担当者 ・保険の審査担当者 ・電話オペレーター ・給与、福利厚生担当者 ・レジ係 ・集金人 ・パラリーガル、弁護士助手 ・塗装工、壁紙張り職人 ・義歯製作者 ・測量技術者 ・建設機器のオペレーター等々
 そして、私が何より驚いたのが税務申告書代行者および簿記、会計、監査の事務員という職業が挙げられていたことです。確かに簿記会計業務や税務申告書作成業務は、旧来コンピューターとの親和性が高く、昭和40年代後半には会計事務所は電算化(オフコン)の時代に入って行きました。しかし、それは人間が手作業で行っていた計算し集計する作業を機械がするというものでした。その後の技術革新により処理能力(データ量や時間)は、飛躍的進歩をしていますが、今回発表された内容は、AIの発達によりパソコンへの入力作業の自動化だけではなく、簿記・会計及び税務に関する判断業務の領域にまで及んできたということです。
 皆様方のご商売のステージにおいても同じような流れとなってきていることでしょう。
 たとえば、無人で走る自動運転車が徐々に増えて来るとすると、タクシーやトラックの運転手は仕事を失い、タクシー会社や運送会社は利益が増えるのでしょうか?また、医療業界では、米国のがんセンターとIBMが協業により、同センターはIBMの人工知能型コンピューターを活用して、60万件の医療報告書、150万件の患者記録や臨床試験、200万頁分の医学雑誌などを利用して、患者個々人にあった最良の治療計画を作成できるようになったと報告されています。医療界に与える影響はどのようなものとなるのでしょうか?
 いよいよ人間は人間にしかできない仕事をする時代に突入したのであります。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

6月のご挨拶

平成28年6月吉日

 入梅の候、紫陽花の七色が美しく雨にぬれています。日頃はひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、英国の国民投票で事前の予測に反し欧州連合(EU)からの離脱が決まり、24日の株式市場は世界同時株安を生じ、同日の日経平均株価の下げ幅も16年ぶりの大きなものとなりました。一方、ニューヨーク外国為替市場では1ドル=102円15~25銭で取引を終え、東京市場では99円まで急伸し、円買い優勢のまま取引終了となりました。投資家のリスク回避の動きが活発になり、株だけでなく原油先物も大きく下げ、逆に安全資産とされるアメリカ国債の価格や金が値を上げています。
 菅官房長官は25日米沢市で講演し「やはり消費税増税先送りは正しかった」と強調したと報道されました。官房長官は、英国のEU離脱がリーマンショックと同程度のリスクとなり、世界経済に影響を与えるという認識をお持ちなのでしょう。
 思い起こせば2014年11月に安倍首相は最初の消費税増税延期について国民に信を問うとして衆議院の解散を表明しました。その時の発言は「財政再建については、社会保障・税一体改革法では経済状況を見て消費税引き上げの是非を判断するとあり、今回はこの景気判断条項に基づいて延期の判断をいたしました」そして「2015年10月の引き上げを18ヶ月延期し、そして18ヶ月後さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりと断言いたします。2017年4月の引き上げについては景気判断条項を付すことなく確実に実行いたします」というものでありました。
 2012年に自民・公明・民主三党が合意した「社会保障と税の一体改革」はいつ実現されるのでしょうか?政治家の言葉は、経営に例えれば顧客に提供する商品やサービスであり信用そのものであるはずです。有権者は政治家の言葉しか投票の判断材料は無いのです。デフレ脱却が困難になるから増税をやめるというのであれば最初からそういうべきです。
 報道によりますと、多くの国民は安倍政権が公約を違えて増税再延期をした事について批判的ではないと言われています。日々購入する商品やサービス等に対する税負担は少ない方がいいに決まっています。また、大企業は法人税を増税されるより転嫁可能な消費税の引き上げが望ましいと考えているようですが、法人税を納税する黒字法人が少ない中小企業にとっては、売上高の減少に直結する消費税の増税には反対されるところが多いと思います。しかし誰もが判っていることですが、後世に大きな負債を残さないようにすることは大切なことです。「判っちゃいるけど、やめられない」状況がいつまでつづくのでしょうか?
 政治の役割であり、政治家の商品である信用が問われています。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

5月のご挨拶

平成28年5月吉日

 日ごとに夏を思わせる暑い日が増えて参りました。私たち税理士法人あおぞらが所在する伊勢志摩地方では、5月26~27日に開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が近づくにつれ、観光客が増えることも経済効果(商売繁盛)の高まりを感じることもなく、全国から派遣されてきた警察官等公安関係者の数ばかりが日ごと増え、商店街や観光地における「サミット歓迎ムード」も殆ど感じられません。
 さて、4月のご挨拶で取り上げました「パナマ文書問題」は国際的な批判の高まりを受け、G7伊勢志摩サミットでは、脱税や汚職を防ぐ「反腐敗」対策を盛り込んだ行動計画をまとめると報道(日本経済新聞平成28年5月11日)されました。行動計画では租税回避やマネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐため、会社の実質的な所有者情報の透明性を高めることが重要であり、各国政府に必要な法整備を要請するとあります。具体的には10月までにOECD(経済協力開発機構)と資金洗浄やテロ資金対策に取り組む国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が新ルールの素案を作る方針とのことですが、不正防止が実効性をともなうには各国が協調できるか否かが問題です。先進諸国がいくら情報共有をしてもタックスヘイブンの国が協力しなければ、現地のペーパーカンパニーの情報は先進国には届きません。タックスヘイブンの小国は規制の緩さを売り物に、企業や富裕層の誘致に活かしていますが、それは何も小国の専売ではなく、西インド諸島における英米の領土・保護領や香港をはじめ、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が設立した法人の回避地だけでも21の国・地域に21万社が存在します。

 

タックスヘイブンに設立されたペーパーカンパニーの設立・利用目的は以下の3つです。
  1. 節税・・・海外で得た事業利益を本国に戻さずに法人税がない又は低率の回避地の子会社に集め納税額を圧縮する。個人の富裕層も相続税等の負担がない。
  2. 企業子会社・・・日本企業の子会社が、中国や中東との合弁企業の国籍を隠し、政治的に対立する国でのビジネスを円滑にする。
  3. 投資・・・個人の富裕層が日本では購入できない金融商品に投資できるうえ、キャピタルゲインも非課税となる。

 

 以上の利用はいずれも合法ですが、日本では2014年から海外に5千万円超の財産を所有していると税務署にその報告を義務付ける「国外財産調書制度」を導入しており、故意に隠せば刑事罰の対象となります。また国税庁は「問題のある取引が認められれば、税務調査を行うなど適正公平な課税の実現に努める」と発表しました。合法的であっても不公平な租税制度の是正を、伊勢志摩サミットを契機に一日も早く実現して頂きたいものです。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

4月のご挨拶

平成28年4月吉日

 事務所から見える宮川堤の桜の花もすっかり散ってしまいましたが、花に代わって若葉の薄緑が美しく春風に揺れるこの頃となりました。平素は何かと税理士法人あおぞらをご支援いただき、誠にありがとうございます。
 さて、パナマの法律事務所から流出した機密文書(パナマ文書)について連日報道がなされています。その内容は、アイスランドのグンロイグソン首相はじめ世界各国の要人や著名人が租税回避地(タックス・ヘイブン)に設立した法人等や開設した口座を利用して、合法的に祖国の税負担を免れて恥なしとしているというものであります。パナマ文書で判明した著名人にはジャッキー・チェンやサッカー選手であるリオネル・メッシとFIFAのインファンティノ会長の記載もあります。日本の政界要人の名は無いようでありますが、医師や実業家ら400人が載り、日本から逃亡した税金が小さくないことは間違いのないところであります。いずれにしても国民に範を垂れるべきリーダーが、違法性がないとして不道徳で狡猾な経済的行動をとるようでは、資本主義の未来も不安定なものとならざるを得ないでしょう。
 このような手法で蓄財が出来るのはごく一部の富裕層や多国籍企業でしょうが、タックス・ヘイブンに秘匿されている金融資産は世界GDPのおよそ10%とも言われています。つまり所得および富の分配が公平・公正でないうえに、タックス・ヘイブンがさらにそれを後押ししているということでしょう。
 オバマ大統領は5日「税逃れは、合法的であることが最大の問題である」とコメントしました。最早、一国の租税制度改革等による対応では効果がなく、OECDグローバル・フォーラムにおける自動的情報交換の枠組みや、トマ・ピケティの提言する国際資産税の制度づくりおよび早急にタックス・ヘイブンに対する金融面・貿易面での制裁措置を講ずることが必要とされています。
 ひとはみな生きてゆくためにいろいろな欲を持っていますが、埓を超えると強欲・煩悩の世界に入りこみ苦しむこととなるそうです。今、資産を海外の『Haven(回避地)』に逃亡させた強欲な企業や資産家は、菅官房長官が「政府として文書を調査する考えはない」と述べたものの、いつ不道徳を国民から糾弾され制裁を受けるのか思い煩っていることでしょう。しかし、そのツケを払っている善良な大多数の納税者は、よりよい国家・社会『Heaven(天国)』の実現のためには、このような不正義をいつまでも許してはなりません。
 後世の人のためにも、物言う"Tax Payer"として、明確な意思を表明しましょう。

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

3月のご挨拶

平成28年3月吉日

 寒さも緩み一雨ごとに春めいてまいりました。
 さて、税理士法人あおぞらは3月8日に所得税・消費税の確定申告および贈与税の申告業務を終了し、通常業務に移行したところであります。
 憲法第30条は「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」と規定していますが、国民は複雑な法律行為である納税申告書の作成のために多大なる労力を消費し、納税のために相当の金銭的負担をしています。
 しかしながら日本の納税者は、自分たちの納めた税金が、何にどれだけ使われているのかとか、日本の税制は所得再分配機能を果たしているかということに殆ど関心がありません。「無関心(諦観)こそ好都合とする政党・政治家(族議員)・官僚・業界を存続させるのは、私たち納税者ということになります。
 また、社会保障制度が果たすべき再分配機能も「裕福な人たちから貧しい人たちに」ということではなく、消費が多く所得や蓄財の少ない現役世代から蓄えの豊かな高齢世代に所得移転をしているだけの事と言えます。今や多くの国民にとって、社会保険料の負担は所得税に消費税を加えた額より多くなっています。それでも国民年金制度は崩壊の危機にあり、「百年安心」とご託宣なさった元厚生労働大臣の言葉を信じている国民はいません。
 再分配は税と社会保障を一体でやらなければ、うまく行かないことは明白です。ところが与党税調も政府税調も一体改革をする権限を与えられていないので、期待することはできません。すぐに解決することは難しいでしょうが、まずは納税者が税制とその執行および社会保障の現状を知ることが第一歩です。
 為政者は、国民の間で格差が拡大することがなく、公正・公平な分配を行うように最大の配慮をして頂きたいものです。嘗て日本では「1億総中流」といわれた中間所得者層が存在し、個人消費の大部分を占めていたのが日本経済の強みであったのです。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄


参考文献:エヌピー通信社発行 タックス・オブザーバー(著者・志賀櫻)

2月のご挨拶

平成28年2月吉日

 梅花の候、皆様益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、日本銀行は1月29日の金融政策決定会合で、民間銀行が日銀に預ける当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用する追加緩和策を決めました。
 私自身経験のないことなのでしっかりと理解をしていないのですが、2月16日からは、都市銀行が日銀にお金を預けておくと目減りしていくので、銀行の本来業務である貸出しに資金を向かわせ、景気を良くしようということらしいのです。
 しかしその後、中国や新興国及び欧州情勢への不安から、日経平均は2月12日現在1万4千円台まで下がり、1年3ケ月ぶりの安値を付けました。これまでアベノミクスを支えてきた円安・株高が、経済の見通しが不透明になり一転して円高・株安局面となりました。
 私ども会計事務所のお客様に目を転じますと、業績が上向いてきた企業様も徐々に増えてはいますが、それでも設備投資や人の採用には慎重なスタンスを崩していません。政府は金融機関に企業融資を勧めますが、大企業は直接金融による資金調達や内部留保を取り崩すのが常道ですし、最近の世界経済の状況を考えると輸出企業でさえ設備投資には慎重です。銀行としては財務基盤の脆弱な中小・零細企業に対する融資には消極的にならざるを得ません。
 このような時にこそ、金融機関の皆様に強くお願いしたいことは、やる気のある経営者の成長性が見込まれる事業に対する積極的な融資であります。
 及ばずながら、中小・零細企業の親身な相談相手であり、独立性を堅持する私たち税理士が月次監査を励行して作成した財務諸表および付属明細書を担保として提出いたします。何卒宜しくお願い申し上げます。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

年頭のご挨拶

平成28年1月吉日

 明けましておめでとうございます。
 皆様におかれましては、穏やかな新年をお迎えになられたこととお喜び申し上げます。
 本年も税理士法人あおぞらを宜しくお願い致します。
 さて、毎年12月12日の「漢字の日」にその年の世相を表す漢字が発表されます。
 平成27年は「安」という漢字が第一位に選ばれました。因みに第二位は「爆」、第三位は「戦」であったということです。「安」が「爆」や「戦」を制し第一位に輝いたことにほっとしたのは私だけではないと思います。しかしながら手放しで喜んでもいられません。「安」が選ばれたのは、安倍内閣による安保関連法の成立、旭化成の傾斜問題、いつまでも克服できない日中ならびに日韓問題、イスラム過激派組織によるシリアでの日本人2名の拘束・殺害やパリ同時多発テロ事件など、何となく世界が悪い方向に向かっているのではないかという国民の不安な気持ちの裏返しなのではないのでしょうか?
 人類の歴史は紛争や戦争の歴史であり、人間は神様と悪魔の間で生きている存在ではありますが、戦争や紛争を終結させたことも何度か経験していますし、協調や寛容といった慈悲のこころを持っていることも事実であります。
 転じて、私がその身をおきます税理士法人あおぞらの安心とはなにかと考えてみます。
まず、提供する税務・会計・マネージメントサービスを通してお客様はもちろん金融機関の信頼を得ること、第二に、ITベンダーを初めさまざまな供給業者から対等な信頼関係に基づき、高品質なサービスや物財を提供して頂くこと、第三に、役職員が物心両面において安心満足して働ける環境を永続させること、今年はこの三つに磨きをかけたいと思います。
 平成28年の漢字は、裏表のない幸福で安定的な世相を表す文字が選ばれることを期待し、皆様のご商売がますます繁盛することをお祈り致します。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

12月のご挨拶

平成27年12月吉日

拝啓

 寒さもひとしお身にしみる頃となりました。本年も大変お世話になりまして、心より厚く感謝申し上げます。
 さて、今年は未(ひつじ)年でしたが、皆様のこの一年は羊のように穏やかで安泰な年でありましたでしょうか。昨年の今頃(12月14日)は衆議院議員選挙が行われ、自公両党で325議席を獲得し、国民の圧倒的支持を得た安倍内閣は第3次内閣を発足させました。アベノミクスは第2ステージに入り、良くなってきた大都会の景気を地方都市にも浸透させるべく消費拡大を促していますが、大都会の家計消費もGDPの縮小に表れているように過去10年で減少し、おこぼれに与ることのできない地方都市の家計消費は、過去15年ほとんど変わっていないとのことです(総務省:都市階級別の平均家計調査)。
 どうも地方都市にトリクルダウン効果は及んでいないようであります。お金の量は相当増えたはずなのですが、そのお金の行き場は成長戦略に向かうことなく株式や大都会の不動産の価格上昇に寄与しただけで、「持てる者」と「持たざる者」の格差は一段と拡がったのです。
 安倍首相の掲げた「大胆な金融緩和」「財政出動」「成長戦略」という3本の矢はデフレ脱却の政策であったはずですが、その3本の矢がどこへ飛んで行ったのかを検証することもなく、新3本の矢が放たれました。その内容は「強い経済」で名目GDP600兆円、「子育て支援」で出生率1.8、「安心につながる社会保障」で介護離職ゼロという3つです。
 この3つは、多くの経済学者やマスメディアで指摘されているように政策というよりも願望であり、「矢」というよりは「的」ではないのかと思うばかりであります。
 今年のノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートン教授(米)によれば、幸福感は収入が増えるにつれて上がるが、年収が900万円を超えるとこの傾向は続かないそうです。お金をたくさん持っていても幸せになれるわけではないことは多くの人が知っていますが、全労働者の4割近くを占める非正規社員の年収は、毎日お金の事だけを考えて暮らさなければならない200万円台であります。
 政治の役割は、国民の大多数が不安に苛まれて日々暮らすことのないよう安心を与える事だとおもいます。新しい年が、より良き年となりますよう政治に携わる方々にお願いいたします。
 最後になりますが、今年も税理士法人あおぞらに暖かい信頼を寄せていただき、ありがとうございました。来年も皆様の「親身の相談相手」として努力してまいりますので、なにとぞご指導たまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

11月のご挨拶

平成27年11月吉日

拝啓

 日増しに寒さが加わってまいりました。平素はことのほかご高配を賜り、深く感謝申し上げます。
 さて、今回もマイナンバーのお話しをさせていただきます。
 通知カードと個人番号カードの交付申請書が同封された書留郵便が、10月上旬より各世帯に配達されます。未だ私の手元には届いていません。私事ですが、自分の個人番号を早く知りたい(職業的好奇心)と思い、市役所に出向いて「住民票」を頂いてまいりました。
 今まで住民票をしっかり視ることはなかったのですが、自身の「個人番号」が記載された住民票は輝いているように見えました。市の窓口では「何のために個人番号記載の住民票が必要なのか?」また「くれぐれも他人に個人番号を教えたり、見られたりしないように」とご質問とご注意をいただきました。市がかなり神経質になっていることが窺えました。
 通知カードが届きますと、個人番号カードの交付を受けるべきか否か判断に苦しむところです。二つのカードの違いは、個人番号カードには顔写真が付き、ICチップも搭載されることです。国は個人番号カードを作ることを推奨しています。これによって「マイナポータル」が利用できる(2017年1月から)メリットを挙げています。
 メリット1 自分の個人情報を行政機関が何に利用したのか、自身のスマホやパソコンでチェックできる。
 メリット2 行政手続きをオンラインでできるようになる。
 メリット3 民間のオンライン取引での利用が拡がる。
 賛否両論あろうかと考えますが、当面、個人番号カードの価値は「本人確認ができる」ことだけではないでしょうか? それは、これからも今までと同様に運転免許証の提示で大丈夫だということです。但し政府は、行政の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を早期に実現することを目指しています。そのため2016年1月から概ね1年以内に取得する場合には、無料でカードを交付することとしています。
 話を税の世界において考えますと、きちんと納税している人にとってはマイナンバーの導入によって納税額が変わることはなく、個人番号カードの取得にも好意的であると思います。しかし、脱税をしている人たちは、厳格な取り締まりが行われることにより税を逃れられなくなるため、個人番号カードの取得は疎か制度そのものの導入に反対なのでしょう。健全な国家財政の基盤を堅持するという税の世界では必要なことでしょう。
 心配なのは、個人情報の大量流出や成りすましの被害が起こることです。最後は人間がどう在るのかということです。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

10月のご挨拶

平成27年10月吉日

拝啓

 天高く馬肥ゆる季節となりました。日頃はひとかたならぬお引き立てにあずかり、心より感謝いたしております。
 さて、いよいよ10月5日から番号法「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、十二桁の数字が並んだ個人番号の「通知カ-ド」が各家庭に簡易書留で送付されます。
 番号法の施行については、識者の意見も賛否両論あり判断に苦しむところであります。
何事にも完璧な制度はなく、今後とも国民にとって有益なものとなるよう不断の改善を政府にお願いするとともに、国民も自ら「事の本質」を理解し思考したいものであります。
 今回は、内容について少々のご説明をいたします。
1 平成28年1月以降、無料交付される個人番号カードは身分証明書ともなるため、以下の例のように行政手続きが簡単になるものがあります。
(1)平成29年7月以降、児童手当の受給申請で所得証明書の提出が不要となる
(2)年金の受給手続きに住民票の添付が不要となる
(3)災害時の支援金受給がスム-スに行われる
(4)平成28年から特定健診(メタボ健診)の履歴や予防接種の記録が個人番号と結びつけられる
2 法人企業や個人企業者は、つぎのような国や地方公共団体等が行う行政事務のために従業員や顧客及び関係者等の個人番号の収集・利用・保存・提供・削除または廃棄が必要となります
(1)源泉徴収票等税務関連書類に従業員等の個人番号を記載する
(2)社会保障関連事務書類に従業員等の個人番号を記載する
(3)労働保険関連事務書類に従業員等の個人番号を記載する
(4)証券会社は、平成28年1月より顧客の証券口座や税務署に提出する資料に番号を記入することが義務となる
(5)平成30年からは金融機関の預金口座番号も結び付けられる(預金者の同意が条件だが、政府は平成33年をめどに義務化する方針)
政府は、初期投資に約3,000億円、維持費用も毎年数百億円かけて万全を期すとのことですが、過去の情報流出事故をみれば判るように、最後は運用管理する人間の問題ではないでしょうか?

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

9月のご挨拶

平成27年9月吉日

拝啓

 さわやかな季節を迎え、ますますご清祥のことと存じます。
 さて、2016年1月より導入される「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用(マイナンバー制度)」に必要不可欠な番号の配布が、1か月後(10月5日より)に迫ってまいりました。この番号は今まで住民票、年金番号、納税整理番号など行政機関ごとに別個の管理番号を使用していたものを一本化して管理をするものであります。
 内閣府が9月3日に発表したマイナンバー制度に関する世論調査(成人男女を対象)によると、内容まで理解していない人が6割弱いるそうです。企業の理解はもっと進んでいると思われますが、日本商工会議所は「中小零細企業は大企業より対応遅れが顕著であり、セミナーなどが多く開催される大都会にくらべ情報に接する機会が少ないので、今後、周知活動に努力する」とのことです。
 私ども税理士法人あおぞら主催のセミナー(8月6日開催)には100名ほどの企業関係者の方々に参加していただきました。今後とも継続して開催をする予定ですのでご参加を宜しくお願い致します。

 

マイナンバー制度のメリット(内閣官房発表)
  1. 公平、公正な社会の実現・・・社会的弱者をまもり、制度を悪用する者や脱法者の摘発 
  2. 国民の利便性の向上・・・同じような行政手続き(申請等)を何度もしなくてよい
  3. 行政の効率化・・・行政側における情報の一元管理により行政コストが節約される

 

マイナンバーのデメリット(日弁連等)
  1. セキュリティ問題・・・国内:グーグルストリートビュー問題やCCCのTポイントカード問題 国外:社会保障番号盗用(米)、住民登録番号漏洩(韓)によるなりすまし
  2. 利用目的の拡大、民間活用の問題・・・社会保障、税だけであったのに「災害」が付加された。経済界からは民間活用を期待する発言が多く、政府担当者はそれについて明確な否定をしていない。民間サービス利用の時に、本人確認資料として要求された際に番号が収集される可能性がある。
  3. セキュリティ以前の問題として政治や行政を信用できるか?

 

 2007年安倍内閣のときに発覚した年金記録問題は、その後の内閣においても紙台帳とコンピュータ記録の突き合せによる記録訂正に努力をしてきました。宙に浮いた5000万件の記録のうちいまだ解明されていない記録は約2000万件ありますが、総務省の第三者委員会は活動終了となりました。今年5月には日本年金機構(2010年1月発足)への不正アクセスにより約125万件の個人情報が外部に流出しています。
 最後に・・・行政手続きが管理を含めて複雑になっていることを考えるとマイナンバー制度は必要だと考えます。デメリットを最小化し、メリットをより多く享受しましょう。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

7月のご挨拶

平成27年7月吉日

拝啓

 盛夏の候いよいよご隆盛のこととお喜び申し上げます。
 今回は、私たち「税理士法人あおぞら」が税理士の使命を踏まえたうえで、日常業務として実行していることをお話しさせていただきます。 
 まず、第一に「巡回監査」の断行であります。
これは毎月必ず、お客様の会計資料作成の現場に出張して監査を実施することです。このことは、税理士法第45条①の「真正の事実」に立脚する業務処理の達成でもあります。しかも、TKCシステムで迅速処理した月次決算ベースの帳簿や経営管理資料を、その場で経営者に解説し、共に経営課題の解決に取り組みますから、経営者の意思決定に資する効果は巨大です。巡回監査は決算時の監査を含めて、一会計期間において13回実施されます。
 第二に「毎期黒字決算を実現するための経営助言サービスの提供」です。
具体的には、経営者に夢や想いを込めた「中期経営計画」を作成して頂きます。もちろん、私どもあおぞらが助言いたします。中期経営計画に基づき「単年度予算」への落とし込みをし、さらに過去データや予測により月別展開をします。いよいよ実行となるわけですが、上で述べた巡回監査の月次データと比較をし「予算実績差異分析」をします。これまたTKCの「継続MAS」というシステムを活用しますので、日次ベースでの業績管理も可能です。さらに、四半期ごとの業績検討会において予実分析を行い、戦略的決算対策(経営改善による黒字化と適正な租税負担のための対策)を講じます。いずれにしても「絵に描いた餅」とならないよう、経営者にしっかりとした意思を持ち続けていただきます。
 第三に「自計化」です。
これは企業自らが会計ソフトを用いて、会計帳簿の作成を行うことであります。
今でも、記帳代行を行っている税理士事務所が多く存しますが、私たちはこれを是としません。その理由は、刑事訴訟法第323②の条文によりますと、「業務の通常の過程において作成された帳簿は、これを証拠とすることができる」とあり、同第317条には「事実の認定は、証拠による」とされているからであります。加えて税理士事務所が事務所に資料を持ち込んで記帳代行をすれば、事実認定において税理士事務所の主観と推測に基づく会計処理が為される危険性があり、なによりも、経営者に対しタイムリーな経営資料の提供が困難となるからです。(会社法第432条:会社は適時に、正確な帳簿を作成しなければならない)

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

6月のご挨拶

平成27年6月吉日

拝啓

 薄暑の候、雨にぬれた緑の色が美しくみえる今日この頃です。毎々ひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、今回は税理士の業務についてご理解を頂きたいと考えこの案内文を作成しました。
 一般社会における皆様の税理士に対する認識は「税金の計算をし、税務署に申告をして税務調査から納税者(依頼者)を守ってくれる専門家である」ということだと思います。総体的にはそのとおりです。つぎに、税理士が職務遂行のうえで必ず守らなければならない税理士法第1条を見てみましょう。
 税理士法第1条(税理士の使命)
 「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」とあり、一般の皆様の認識と概ね一致するのではないでしょうか。それでは微妙にずれる点についてご説明しましょう。
 第1は、「独立した公正な立場」とは、どのような立場でしょうか?
これは、税理士の立ち位置は、弁護士のように100%依頼者の味方になることは出来ず、徴税権者である国にも、納税義務を負う納税者のいずれにも偏らない公正な立場、つまり100%租税法令だけを拠り所として、業務を遂行するということであります。
 第2は、「申告納税制度の理念」の内容はどのようなものでしょうか?
旧来、国が所得や税額の計算をする賦課課税方式が主流であり、見込みにより所得を計算され、課税されることが多々ありました。これを戦後、シャウプ勧告により民主的な「申告納税制度」として、つまり納税者自らが、法律の定めるところにより、第一義的に租税債務を確定させる制度を作りました。
 第3は、「租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図る」とは「法律通り過大でもなく、過少でもなく納税する」こと、つまり、どの税理士が税金計算をしても1円の違いもない税額を納税するということになります。
 これら第1から第3を担保するために、国(財務大臣)は税理士に対し戒告や業務停止・業務禁止といった懲戒処分をすることができます。
 結論として、税理士の地位は単なる代理人ではなく、より高度な公共的なものとして第1条で位置付けられています。そのうえで税理士は、お客様である納税者の皆様に満足していただけるどのようなサービスが提供できるのでしょうか?
 次回以降、わたしたち税理士法人あおぞらが考え、実践しているお話をさせていただきます。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

5月のご挨拶

平成27年5月吉日

拝啓

 若葉の緑もすがすがしい季節となりました。日頃はひとかたならぬお引き立てをいただき、心からお礼申し上げます。
 さて、中日新聞の記事によりますと愛知県中小企業家同友会は、2015年度に会員中小企業(有効回答1122社)の42.1%が賃上げ(ボーナスを含む)を予定しているとの調査結果を発表しました。残る企業のうち56.8%は現状維持、1.1%は賃下げとのことです。この結果を受けて同友会では「大手企業の賃上げムードが広がっているが、中小・零細にはアベノミクスの恩恵が届いていない」と結論付けています。賃上げ予定の企業でも3%以上の賃上げをする企業は20.6%に過ぎませんし、前年度に賃上げした理由も「士気向上」29%と一番多く、「人材確保」が19.4%と続き「業績好調」は14.6%にとどまるとのことです。どうやら中小・零細企業は人手不足のため、業績が伸びなくても従業員を引き留めておくために賃上げせざるを得ない状況にあるようです。
 安倍首相は自身の経済政策「アベノミクス」の目玉に賃上げを掲げており、大企業での実績を中小に広げるため、経団連等との政労使会議で中小企業が賃上げしやすくする環境づくりで合意しました。具体的には中小企業が大企業に納入する製品価格に、原材料費の高騰を転嫁することを受け入れるよう要請したとの事です。法的な裏付けとしては「下請法」の厳格な適用により、定期的な価格交渉をするよう大企業に求めていくとのことです。
 賃上げや企業間の取引条件は本来、労使や企業間の交渉で決めるものです。政府が介入することに対する批判もありますが、私は安倍首相の「やる気」を評価したいと思います。そしてその効果が、早期に零細企業にまでトリクルダウンすることを切望します。
 個々の中小企業の経営努力に目を向けますと、東京都大田区や東大阪市の町工場のように個性的なものづくり企業がマスコミによく取り上げられます。
 しかしながら中小企業の大半は非製造業です。事業所・企業数比率が最も高いのは小売業の19%であり、次いで宿泊飲食業13%、建設業10%、製造業は9%にとどまっています。多くの非製造業は売上高の減少に悩んでいます。売上高が損益分岐点売上高を充分に超えるところまで伸ばすことが出来れば、経営上の課題はほとんど解決するでしょう。そのためには、最新の情報技術(IT)を利用し、ニッチな市場で独自の製品やサービスを提供する努力をしなければなりません。また中小の小売業が大手コンビニのようにビッグデータを活用できれば売れ筋を把握できるようになり多様な経営戦略が取れますが、企業単独の能力ではとうてい無理です。国がこういった環境整備により、既存の中小企業を活性化する支援措置をぜひお願いしたいと考えます 。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

4月のご挨拶

平成27年4月吉日

拝啓

 散る花を惜しむ心の今日この頃となりました。平素は何かとご支援いただき、誠にありがとうございます。
 さて、今年の春闘では、大企業の労働者給与のベースアップが昨年を大幅に上回るものとなりました。中小企業経営者は、このようなマスコミ報道を連日見聞して、心中おだやかならぬものが有るのではないでしょうか?
 マスコミは、春闘後の中小企業における給与の支給実態についてほとんど報道していませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、わたくしども税理士事務所のお客様の状況を見る限り、業績好調といわれる製造業においても、ベアは疎か定期昇給や一時金の支給さえ困難な企業が多いようであります。
 三重県における2014年統計によりますと、中小企業は、県内の企業総数5万6千社の99.8%を占め、大企業は100社程度しかありません。また、従業員数においても県全体で48万人余りの内、42万人ほどが中小企業で雇用されています。
 景気を良くするには個人消費を上昇させる必要がありますが、そのためには可処分所得の増加(少数の大企業労働者だけでなく、大多数の中小企業労働者の給与を引き上げること)が欠かせません。
 この解決には更なる中小企業施策に頼るべきなのか、個々の企業が自助努力をすべきなのか、私には判断しかねます。と申しますのも国は、ここ10数年で中小企業施策をやりつくした感があります。
 ところで、最近『「日本でいちばん大切にしたい会社」がわかる100の指標』という本が朝日新書から出版されました。著者は法政大学大学院教授の坂本光司先生と研究生の皆様です。坂本先生は、過去40年にわたり7000社の現地調査を踏まえ「いい会社」の研究をされてこられました。
 坂本先生によりますと、「最近10年間70%強の日本の企業が赤字経営を余儀なくされているが、一方、極論を言えば、我が国企業の10%の企業は過去20年以上一度も赤字になったことがないばかりか、その売上高対経常利益率も5%以上を持続している『いい会社』である。しかも『いい会社」は業種・規模・地域に関係なく存在している」と著述してみえます。
 なんとなく元気が出てきませんか?『いい会社』となるための考え方がこの本に書かれています。ぜひともご一読されて、実践してください。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

3月のご挨拶

平成27年3月吉日

拝啓

 朝夕はまだ冷えますが、一雨ごとに春めいてまいりました。平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます
 今回は通常の年度における「税制改正のスケジュール」をおさらいしてみましょう。
 ①現実的には、毎年4月頃より翌年度の税制改正に向け、財務省・主計局の作業が開始されます。
 ②そして内閣総理大臣の諮問機関である政府税制調査会が大綱のたたき台となるものを作成します。
 ③毎年12月半ばには、与党による「平成○○年度税制改正大綱」が決定します。
 ④「3.」をベースにして財務省と総務省が12月下旬までに「平成○○年度税制改正大綱」と「平成○○年度地方税制改正案の概要」の取り纏めを行います。
 ⑤翌年になり予算案とともに閣議報告された税制改正大綱は、1月上旬から中旬にかけて「平成○○年度税制改正要綱」として閣議決定を受けます。
 ⑥内閣が税制改正法案として通常国会に提出します。
 ⑦衆議院と参議院のそれぞれの委員会での審議・採択を受けて3月末までに成立・公布されます。
 さて、今回の税制改正大綱で私が思ったことを述べさせて頂きます。
 ①法人税率の引き下げによる諸外国との「税率割引競争」への参入と代替財源として法人税の課税対象の拡大をして調整を図りました。この政策については色々な意見があるでしょうが、概ね評価して良いのではないでしょうか。
 ②相続税法の改正では、課税対象を広げ(格差の是正・財政再建に資する)増税する一方、各種の贈与税非課税制度を新設し、相続税増税の抜け道を用意するという政策的に統一性のない改正がなされたのではないでしょうか?
 ③また、歴代内閣の重要政策目標である「財政再建」について、どのような対策を講じたのかはこの大綱からは読み取ることが出来ません。(消費税率の引き上げを2017年7年4月まで引き延ばしました)
 ④税制改正について毎年思うことですが、国民が中心となって主体的に議論する場もなく、上記のようなスケジュールで税制が決定されるのは、主権者であり納税者(TAX PAYER)を軽視するものと言わざるをえません。
 ぜひとも主権者である国民が、主人公として参加できるように制度改正を目指して行きましょう。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

2月のご挨拶

平成27年2月吉日

拝啓

 余寒なお骨身にこたえる日がつづいております。皆様お元気でお過ごしのことと存じます。
今月もまた1月に引き続き、昨年亡くなられた経済学者である故宇沢博文先生のお話をさせていただきます。「人々が理想とする経済体制は何か?」とバチカンのヨハネ・パウロ2世から知恵を求められた宇沢先生は「資本主義はお金を全てと考えるが、お金だけでなく、自然環境や社会的インフラストラクチャーおよび教育・医療等の諸制度という人間が幸せになるための要素を包含した経済社会を構築することが必要である」と答えられました。高度成長時代からその主張は変わらず、地球環境温暖化に対しては炭素税を提唱されました。
 確かに、政治(民主主義)や経済(資本主義)は、本来、人間が幸せになるためにたくさんの英知が結集された所産であります。しかし資本主義は時々あらぬ方向に暴走することがあることは歴史的事実です。それは「お金」がすべてという考えを持つ人々の暴走です。その結果、世界中で大きな格差が生まれました。
 日本は格差の小さな国であると言われてきましたが、小泉内閣以降から市場競争原理が優先され、アメリカほどではないにせよ相当な格差社会となりました。「格差拡大はやがて社会の衰退を招く」というのは、宇沢先生が繰り返し私たちに発信された強いメッセージです。

 政府は経団連等の大企業の経営者に対して「給与・賃金の引き上げ」を要請しました。大企業の給料は概ね引き上げになるようですが、中小零細企業にも同じような効果が現われ、出来れば非正規雇用者を含めた所得格差の是正が実現されることを願って止みません。 

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

1月のご挨拶

平成27年1月吉日

拝啓

 新春の候、松の内もあけて、街もいつものあわただしさをとりもどしております。本年も、税理士法人あおぞらを宜しくお願いいたします。
 さて、昨年お亡くなりになった経済学者である宇沢博文氏の著書「社会的共通資本」とローマ法王の関係について、ネット上で非常に興味深いものがありましたので、ご紹介申し上げます。
 まず、宇沢氏は上記の著書において、「豊かな社会」とは「すべての人々がその先天的、後天的資質と能力とを充分に生かし、それぞれの持っている夢とaspiration(大望)が最大限実現できるような仕事に携わり、その私的・社会的貢献に相応しい所得を得て、幸福で安定的な家庭を営み、できるだけ多様な社会的接触を持ち文化的水準の高い一生を送ることが出来るような社会である」と定義しています。そのうえで、1891年にローマ法王レオ13世の回勅(法王から全世界のローマカトリック教会の全司教への手紙)「レールム・ノバルム(新しいこと・革命)」および100年後の1991年のローマ法王ヨハネ・パウロ2世の回勅「新しいレールム・ノバルム」を紹介しています。百年の時を隔てたお二人のローマ法王の回勅の内容はほとんど同じです。ひとつは資本家階級のあくなき利潤追求によって、労働者階級の大多数が悲惨な生活を送らざるを得ないという社会正義に反するような状況が存在する(資本主義の弊害・幻想)、もうひとつは社会主義の下ではこのような状況が消滅して、調和と正義が支配するようになるという幻想を抱いている(社会主義の幻想・弊害)と分析をして、さて「人々が理想とする経済体制は何か?」とローマ法王による問題提起がなされています。宇沢氏の提案する経済制度つまり「制度主義と社会的共通資本」とは、ひとつの普遍的な統一された原理から論理的に導き出されたものではなく、それぞれの国ないしは地域のもつ倫理的、社会的、文化的そして自然的な諸条件がお互いに交錯して作り出されるものとされています。もう少し具体的に言うと、社会的共通資本とは広い意味での環境(以下の3つの要件)のことを言います。
 1.自然環境(土地、大気、土壌、水、森林、河川、海洋)
 2.社会的インフラストラクチャー(道路、上下水道、電力、通信、公共的な交通機関)
 3.制度資本(教育、医療、金融、司法、行政)
そして経済主体は、この社会的共通資本の中で自由に行動し、生産を営むこととなります。
特徴的なのは社会的共通資本の管理・運営は、それぞれの分野における職業的専門家によって、専門的知見にもとづき、職業的規律に従って管理・運営され、fiduciary(受託・信託の原則)により市民に対して直接責任を持つものでなければならないとされています。
政府の役割はfiduciaryの監視です。
 利潤追求が経済活動の目的であることは言うまでもありませんが、サブプライム問題を経験した世界経済は、市場原理主義の限界と公平・公正な社会の実現には政治的に制度的な「規制」が必要なことを学んだはずです。

 宇沢氏の見識はローマ法王の問題提起に対する有力な回答となるのでしょう。 

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

12月のご挨拶

平成26年12月吉日

拝啓

 月日のたつのは早いもので、もう年の瀬となりました。本年もひとかたならずご配慮にあずかり深謝しております。
 さて、11月21日に衆議院が解散され、年末総選挙となりました。選挙の主要な争点は「アベノミクス」の是非を問うとのことですが、そのひとつである「雇用と賃金」について、与野党の論争が激しくなっています。安倍首相は「平均で賃金が15年ぶりに2%上がった。ボーナスも7%上がった。24年ぶりの事だ。しかも、この根拠は連合の調査によるものだ」と数字をあげて実績を強調されます。しかし、民主党の海江田代表は「賃金が2%上がったのはごく一部の限られた企業だけだ」とし、こちらも厚生労働省の調査資料をもとに「連合に加盟する雇用者は全雇用者の12%にすぎず、組合がない労働者や非正規社員は含まれない」と反論しています。さらに、首相は有効求人倍率が高水準(平成26年平均で1.08倍の見込み)であることや、安倍政権になってから雇用を100万人増やし、一人当たりの平均賃金が伸びていなくても雇用者全体では所得(「総雇用者所得」と言うのだそうです)が増えていると実績を強調されます。これに対し野党は「雇用者数が増えたのは123万人の非正規雇用だけ、正規雇用は22万人減っている。正規・非正規の格差が広がり危うい状況となっている」と批判しています。
 大雑把に括りますと、与党はデフレ脱却というマクロ経済における成果を強調し、野党は庶民の生活感覚として、賃金が物価上昇に追いついていないと訴えているということでしょうか?安倍政権は中小零細企業や庶民にも必ずアベノミクスの恩恵が及ぶので、今しばらくの時間を与えてほしいと選挙民に呼び掛けていますが、米格付け会社は日本の財政悪化や経済成長に否定的評価をし始め、日本国債といくつかの銀行・生保株式をランクダウンさせています。
 皆様はご自身の経営や生活に当てはめられて、この与野党のデータ論争と海外の評価をどう受け止められてみえるのでしょうか?また、今年はみなさまの経営環境にどのような変化のあった一年であったでしょうか?来年も必ず変化があるはずです。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は「変化のときはやり方さえ変えればチャンスですよ。難しいことじゃない」とおっしゃられています。ぜひとも、予測可能な変化を前提に新しい年の「経営計画」を立案して下さい。
 最後となりましたが、来年も一層皆様のご期待に沿えますよう、税理士法人あおぞらの全員が精進・努力いたしますので、なにとぞ倍旧のご支援のほどお願い申し上げます。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

11月のご挨拶

平成26年11月吉日

拝啓

 朝夕はひときわ冷え込む頃となりました。平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、日銀は10月31日、消費税増税後低迷している景気を回復させるため追加金融緩和を決めました。具体的には、日銀が長期国債等を購入し、一年間に市場に流すお金の増加額を現在の60~70億兆円から約80兆円に増やすということです。
 15年にわたるデフレの責任の所在を「日銀にあり」と批判してきた黒田東彦氏が日銀総裁就任したのは2013年3月でした。黒田総裁は「2%物価上昇の早期実現が経済成長を高める。実質金利が下がり、企業が手元流動性を取り崩し、株高により資産効果で企業の設備投資や消費にプラスの影響を与える」と量的緩和拡大が経済に好結果をもたらすと強調されました。確かに本年4月の消費者物価は消費税増税の影響を除いて1.5%まで上昇していましたが、景気低迷により9月の物価上昇率は1.0%に低下しデフレ状態に逆戻りしかねない可能性が出てきました。
 財務省出身で国際金融局長や財務官を務めた黒田総裁は、財政再建を最重要目標としています。今回の追加緩和決定は、来年10月に予定されている消費税再増税の最終決定を後押しすべく先手を打ったものと言われています。しかし、黒田総裁自らが描いたシナリオが崩れ始めてきたのではないでしょうか?
 話をわたくしども税理士のお客様である中小・零細企業の現状に照らし合わせてみると、
第一に、国債を日銀に売却した銀行は資金が増えたはずですが、経営改善に取り組む企業や新規開業する企業には充分貸出されていない状況です。金融機関は営利企業ですから与信管理をするのは当然ですが、今一歩、コンサルティング機能を発揮して積極的融資をしていただきたいと思います。
 第二に、大手製造業が製造拠点を海外移転したことにより、円安でも輸出が伸びない経済構造になったため、下請けである中小・零細企業の売上高は伸びないばかりか、原材料の輸入価格が高騰し、価格転嫁ができないため経営は苦しくなっています。
 第三に、雇用が増え賃金が上昇するとされていた効果が表れていません。人手不足は深刻ですが、魅力的な賃金や労働環境を提示が出来ないため廃業を考える事業主が増加しています。
 やはり、富む者(大企業)が潤えば貧しい者(中小・零細企業)も徐々にその恩恵に与るとするトリクルダウン政策は期待されたほどの効果を発揮してないのではないでしょうか?家計や中小企業を犠牲にして「2年で2%の物価上昇」を実現すると、株式投資など無縁な大多数の国民は幸せになるのでしょうか? 今後の政策結果に注目していきましょう。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

10月のご挨拶

平成26年10月吉日

拝啓

 日増しに秋も深まるようになりました。毎々お引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、消費税の税率が8%となってから半年経過しました。増税後の景気回復について政府は7~9月期には自律回復する見込みを表明していましたが、持ち直しはどうも鈍い様子です。また、現在1ドル110円近くの円安となり大企業製造業の収益は大幅改善となっていますが、国内の下請け企業を中心に輸入コスト上昇分の価格転嫁が難しく、中小零細企業の経営を直撃しています。
 話題は変わりますが、いま、私ども会計事務所の関与先様の抱える経営課題のひとつに「事業承継」があります。後継者がいない、子供はいるが継がない、継がせたくないなど理由は様々ですが、大きな問題の一つに金融機関から借り入れする際に経営者個人が連帯保証する、いわゆる「経営者保証」があるのではないでしょうか。
 本年2月に企業の新陳代謝を促すという政府の方針を受け、全国銀行協会と日本商工会議所等において「経営者保証に関するガイドライン」が強制力のない自主ルールとして策定されました。日本経済新聞の記事によりますと、東京中小企業同友会が5月に行った調査では、保証を外せたのは回答企業301社のうち4%の12社、九州・沖縄ブロックの調査でも762社のうち10社(1.3%)に留まったとのことです。保証を外した経営者は強気の交渉を貫いただけではなく、5月のご挨拶に掲載した以下の条件をクリアされたものと思われます。恐縮ですが再度掲載させていただきます。
 1 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている
   例1:会社で使用する固定資産は会社所有か?
   例2:個人的な経費(飲食・ゴルフ)を会社経費としていないか?
 2 法人と経営者間の資金移動が適切な範囲を超えていない
   例:会社から経営者への貸付金はないか?
 3 法人から適時・適切に財務情報が提供されること
   例:金融機関への試算表や資金繰り表等の定期的な報告
 4 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能である
   例:業績は好調で利益と内部留保で今後とも返済に支障はないか?
 果たして経営者の皆様は以上の条件を満たして銀行と交渉できますか?
 金融機関様の立場からすると債権保全の見地から問題が多いでしょうが、私たちとしてはぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思います。今後とも皆様のご支援を宜しくお願い致します。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

9月のご挨拶

平成26年9月吉日

拝啓

 朝夕ようやく凌ぎやすさを覚える頃となりました。平素は格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、さる8月27日に名古屋市において、富士市産業支援センター長の小出宗昭氏の講演を聴く機会があり、いたく感動しましたのでご紹介させていただきます。小出氏は静岡県富士市から委託され、産業支援センター(F-Biz)を運営している?潟Cドムの代表取締役です。冒頭に「F-Bizは市からの委託事業で、税金を使って行っている事業なので、私自身結果を出さなければなりません」とおしゃっていたことがとても印象的でした。
 小出氏によりますと、「国(経済産業省・中小企業庁)は中小企業支援策をやりつくした感をもっている。後は中小企業自身が各種施策の利用も含め、前向きに自立行動していくことが肝要であるが、各支援機関の責任も大きい。支援機関は一生懸命やっていると思うが、結果を出すことが大切である」と支援機関にも成果を強く求められました。「支援とは何か。支援機関の成果とは中小企業や小規模事業者の抱えている課題・悩み・問題点を解決すること。はっきり言えば売り上げを増やすことです」と明言されました。
 小出流の具体的な売り上げを伸ばす方法は3つです。
  ①販路拡大 ②新分野進出 ③新商品やサービスの開発
 そして、有効なアドバイスもまた3つです。
  ①真のセールスポイントを生かし ②ターゲットを絞り ③必要な人や企業を繋げる
 そのために、お金をなるべくかけず、知恵を出すことが支援機関の役割である。
 具体的な事例もたくさんお話しいただきましたが、紙面の都合上、割愛させていただきます。著書もたくさん出版しておられますので是非お求めになってください。
 また、地域経済と地域金融機関はまさに「一蓮托生」の関係であり、仮に地域の小規模事業者がばたばたと倒れ、地域経済が疲弊してしまうと、地域金融機関の寄って立つところがなくなってしまうと言われました。このことは会計事務所に置き換えても当てはまることであり、身の引き締まる思いでした。
 現在、税理士法人あおぞらでは「経営計画策定支援事業」を利用してお客様企業の経営健全化に努力しています。中小企業再生支援全国本部の統括プロジェクトマネージャー藤原敬三氏は「企業の誕生から倒産・廃業まですべてにかかわる外部機関は、取引先を除けば税理士と金融機関だけです。この2者が手をつなぎ、経営者をサポートする体制を整えれば必ずうまくいきます」といわれています。今後とも皆様のご支援を宜しくお願い致します。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

8月のご挨拶

平成26年8月吉日

拝啓

 立秋とは名ばかりで暑い日が続きますが、皆様お元気でお過ごしのことと存じます。
 さて、私ごとで恐縮ですが2050年になりますと、私は万が一生きながらえておれば101歳となります。その時、日本はどのような国になっているのでしょうか?
 小川淳也著「日本改革原案 2050年成熟国家への道」によりますと、一番の問題は人口問題であるとされています。2050年には65歳以上の人口が全人口の40%を占め、毎年100万人前後の人口が減少すると言われています。つまり子供も働き盛りの壮年も少なく、仕事をする能力が衰えて、病気がちな老人が圧倒的に多い世の中になるということでしょう。
 小川氏は、この少子高齢化は国内最大の構造変化であり、不可避で冷厳な事実であり、加えて経済や社会に与えるインパクトが他の問題とは比べようもなく大きいと警鐘を乱打されています。つまりこの問題が敷衍するところは、全地球的な環境・資源問題と連動し、日本経済の低成長・マイナス成長は避けられず、財政・社会保障制度が破綻すると指摘しています。著者は、この問題をマイナーチェンジで実質先送りすれば破綻国家の道を歩むこととなるが、逆に日本が課題先進国として大胆な国家改造に踏み切れば日本が救われるばかりでなく、国際社会に対する貢献にもなると主張されています。
 小川氏の具体的提案を紹介しますと、まずは生涯を通じて自立自助を促す「生涯現役」、二つ目は社会保障給付「2割圧縮、消費税25%」、三つ目は年金制度「最低保証7万円、月収17万円からは支給停止」、四つ目は「移民の受け入れ」等といった激辛内容です。異論はありましょうが、後世に戦後・現役世代が残した負債を極力減らすためには、こういった提案にも耳を傾け実行する必要があるのではないでしょうか?
 それにしても有能な日本の政治家や官僚は、人口減少や社会保障制度の破綻を20~30年前に予想できなかったのでしょうか?
 大きな時代の変化に個々の企業や個人が適応するには、見識や努力をもってしても限界があります。しかしながらいつの時代にも、「自分の城(会社・家族)は自分で守る」という強い意志と実行力は必要でありましょう。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

7月のご挨拶

平成26年7月吉日

拝啓

 暑気日ごとに加わるこの頃となりました。今年は空梅雨ではないかと農作物への影響が心配されております。平素は何かとご支援いただきありがとうございます。
 さて、政府は成長戦略の柱として法人税の実効税率を来年度から段階的に引き下げ、数年間で20%台を目指すことを決めました。海外進出している国内企業や外資を呼び込み、経済を活性化させるのが大きな目的だとされています。
しかし、その代替財源として中小企業への実質増税が検討されているとのことです。それでは「中小企業の活力」が削がれ、せっかく政府自身が推進している各種の中小企業施策とも相容れないのではないでしょうか?
 具体的には、資本金や従業員への給与総額を課税対象として企業に課税する「外形標準課税」の適用拡大です。これにより赤字企業からも税金を徴収できることとなります。現在は資本金1億円超の企業のみが対象ですが1億円以下の中小企業も課税対象となります。さらに現在中小法人に適用されている法人税の軽減税率15%(ただし、法人所得:年800万円までの部分)を無くして、大企業と同じ25.5%とすることを考えているそうです。
 安倍総理は「経済の活性化により、経済全体の規模が拡大すれば、低所得者層に対する配分も改善する」とするトリクルダウン(浸透)理論の信奉者なのでしょうか?この理論を忠実に実行したアメリカのロナルド・レーガン大統領の「レーガノミクス」により、景気や失業率は改善し富は中間所得層まで浸透したものの財政赤字は危機的状況となり、後続の政権が赤字解消まで長期間を要したのではなかったでしょうか?トリクルダウン理論は「金持ちを儲けさせれば貧乏人もおこぼれに与れる」と主張する「おこぼれ経済」だと揶揄する経済評論家もいます。
 また、大企業「資本金10億円以上」の内部留保額は1997年の142兆円から2012年には272兆円となり(2014年国民春闘白書より)、その間民間平均賃金は467万円から408万円へと落ち込んでいます。
 大多数の国民が政府ならびに国会議員にお願いしたいのは、大企業の内部留保額の適正化と中小企業への適正配分ではないでしょうか?そうすればトリクルダウン理論(アベノミクス)は机上の理論ではなく、皆がその豊かさを実感できる実学と称賛されるでしょう。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

6月のご挨拶

平成26年6月吉日

拝啓

 入梅の候、皆様には一層ご活躍のこととお喜び申し上げます。
 さて、経済産業省が発表する中小企業の業況判断DI(平成26年1月~3月)によりますと、全産業で▲11.1(製造業▲2.6、非製造業▲14.0)となっております。
 マイナス幅は縮小しており、アベノミクス効果が徐々に中小・零細企業にも及んでくるのではないかと言われております。しかしながら、大多数の中小・零細企業は、為替差益や有価証券売却益の恩恵に浴することもなく、消費税増税、原材料高、人手不足など今一つ好況を実感するに至っておりません。
 国は平成25年3月に「中小企業金融円滑化法」が終了した後も、中小企業の事業再生を支援する目的で「経営改善計画策定支援事業」を実施しております。
 平成24年度補正予算で405億円を手当てしていただき、2万社の企業が利用する予定でありましたが、平成26年3月現在2600社の利用に止まり予算の大半は未消化となっています。この原因を考えてみますと倒産件数の減少など経営環境が若干は好転しているのか、金融機関が円滑化法終了後もリスケ要請に応じるなど実質的金融支援が続いているのか、この計画策定費用の一部自己負担額が阻害要因なのかなど様々なことが考えられます。
 先日、ある地元金融機関の貸付担当者にお伺いしたところ、規模の小さな企業の倒産・廃業が増加傾向にあるとのことでした。これらの規模の企業は未だ「経営改善計画策定支援事業」の存在をお知りにならないのかも知れません。
 そこで、わたくしども税理士法人あおぞらは、TKC全国会が7000社を目標に経営改善計画策定を組織的に取り組むプロジェクトに参加することといたしました。具体的には以下の条件を満たす企業の「実効性のある計画づくり」を応援致します。

1.売上高3億円以下であること
2.信用保証協会の保証付き借入金があること
3.改革意欲のある経営者であること(TKC会計人に課せられた要件でもあります)

日本の企業数の99.7%は中小企業であり雇用の70%を守っています。
中小企業が元気で雇用をきちんと維持していることが健全な国の姿ではないでしょうか?今後とも金融機関、保証協会ならびに支援機関各位の親身なるご支援をお願い致します。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

5月のご挨拶

平成26年5月吉日

拝啓

 新緑の候 薫風かおる好季節となりました。平素は格別のご高配を賜りまして、厚く御礼申し上げます。
 さて、4月1日より消費増税が実施されて1か月経過しますが、マスコミの報道によりますと個人消費の落ち込みは、企業が想定した範囲内に落ち着くとのことであります。 3月までの駆け込みで増えた売上高が4月以降の落ち込みを上回ることで、今年上半期の売上高は前年同期を上回る見通しと報じられています。
 しかしながら、私ども会計事務所のお客様である経営者からお話をお聴きしますと、地方の中小企業の経営状況はもっと厳しいようであります。
 そこで、国の施策として更なる中小企業支援が必要となってまいります。
 その一つとして、今年2月より経営者保証に依存しない融資の促進を目的に金融機関や企業団体等が策定・公表した「経営者保証ガイドライン」がスタートしました。このガイドラインを実効性のあるものとすべく、信用保証協会などで具体的な制度の導入「経営者保証ガイドライン対応保証等」が始まっています。日本政策金融公庫もガイドラインに対応して小規模事業者の経営保証を免除する新たな制度を創設しました。今後金融庁も「金融検査マニュアル」の改正を予定しているとのことです。
 経営者保証が不要になるということは画期的なことではありますが、この制度を利用する中小企業は以下の条件を満たさねばなりません。
  ?@法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている 
  ?A法人と経営者間の資金移動が適切な範囲を超えていない
  ?B法人から適時適切に財務情報が提供されること 
  ?C法人のみの資産・収益力で借入返済が可能である
以上の四条件は極めて常識的かつ実行可能なものであり、大多数の企業はこの制度を利用し思い切った事業展開が出来ることでしょう。
 私ども「あおぞら」は、「会計で会社を強くする」との信念の下、月次巡回監査を通じて、すべての関与先企業がこの制度を利用できるよう応援してまいります。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄

4月のご挨拶

平成26年4月吉日

拝啓

春暖の候 花の便りも聞かれる頃となりました。
 さて、いよいよ消費税等の税率が、5%から8%に引き上げられることとなりました。3月末日までの駆け込み需要により高額商品の売れ行きが好調のようであります。経済評論家の多くは、反動として、企業は増税後の厳しい消費の冷え込みにさらされると予想しています。
 政府は前回の消費税増税の時とは経済環境が違うので、半年くらいで自律反転するという見通しを持っています。確かに、アペノミクスによる大胆な金融緩和政策(デフレと円高からの脱却)や国土強靭化法等の機動的な財政政策を考えますと政府の見解も妥当なものかも知れません。 しかし肝心なのは第三の矢と言われる民間投資を喚起する成長戦略が見えて来ません。
 大企業は円安と輸出量の増加により潤っていますが、日本一儲かっていそうなトヨタ自動車が春闘のベースアップ要求4,000円に対して2,700円で妥結し、スズキはベア見送りとなりました。ペアを検討している企業は2割以下だそうです。
 そして、現在働く人の4割が非正規社員であり、春闘のベアの恩恵に浴することは皆無でしょう。また、全労働者の7割を占める中小零細企業では利益が出ているところが少なく、定期昇給もままならない状況です。やはり大多数の労働者の給料を上げる有効な政策(アペノミクス第三の矢)が待たれるところです。
 消費税率引き上げは、少子高齢化を迎え、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を構築し、安定財源の確保と財政健全化のため必要ですが、企業経営にとっては大きなマイナス要素です。
 トヨタ自動車中興の祖、石田退三氏は「自分の城は自分で守れ」と言われました。私たち中小企業経営者も自らの知恵と才覚で自分の会社を守って行きましょう。

敬具

税理士法人あおぞら 代表社員  永井 良雄


(追伸)今月より代表社員変更に伴い、西出に代わり永井が執筆することとなりました。
    今後とも変わらずご愛読の程を宜しくお願い申し上げます。

2月のご挨拶

平成26年2月吉日

拝啓

梅花の候、皆様、益々ご清祥の御事と心からお慶び申し上げます。平素は格別の御引きたてに預かり、厚く御礼申し上げます。
さて、アベノミクス効果によるものなのか、大企業の3月決算予測は好業績が喧伝され、7社に1社は最高益が見込まれるとのことであり、また賃上げを検討する会社も続出し、消費税増税が控えるとはいうものの、久方ぶりに明るい春の訪れのようであります。一方、中小企業に目をやりますと、学者諸氏がよくいうトリクルダウン効果とやらはいまだ浸透してこないのか、景気のよい話は少ないようであります。そればかりか日本経済新聞によりますと、中小企業経営者の高齢化が進み、後継者不在の為、半数以上の企業が廃業やM&Aを検討しているとのことであります。我が国は99%が中小企業であり、労働人口の70%を中小企業が吸収している現状を踏まえますと、大変憂うべき問題であります。国家の中小企業政策の重要性は当然のこととして、中小企業とのつながりが深い金融機関様や我ら会計事務所が、経営承継の円滑な推進に全力投球し、国家の重要問題解決の主力を担わなければなりません。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

1月のご挨拶

平成26年1月吉日

新年明けましておめでとうございます。
皆様には清々しいお心で新年をお迎えされました事、心からお喜び申し上げます。本年も相変わりませずお引き立てのほどをよろしくお願い申し上げます。
さて、「アベノミクス」で幕開けした昨年は、企業業績の大幅回復(中小企業の業績回復や賃金アップはいまだしでありますが)をもたらし、明るい気持ちで新年をむかえられると思いきや、それを打ち消すような特定秘密保護法の強行採決や安倍総理の靖国神社参拝は、予断を許さない午年となりそうです。ことの是非はともかく、安倍総理の内面衝動は、国民のまず経済をとの思いを理解しつつも、それを制御できなかったものと推察します。ショーペンハウェルは「理解と行動の選択は、別個のものだ。」と主張し、これに触発されたフロイトは「精神分析学入門」の中で、夢の研究を通じて人間の意識を意識と無意識に分け、無意識が行動を決めるのだと断定しました。また、現代大脳生理学の分野では、思考は大脳新皮質が司り、情動行動は大脳辺縁系が支配するとされています。即ち、理解する脳と行動する脳は別々のところにあるので「分かっちゃいるけどやめられない。」という現象が生じるのであります。この現象を突破する鍵は「瞑想」にあると古典は伝授しています。古今東西の優れた指導者たちは瞑想習慣をもったようです。安倍総理はいかがでしょう。皆様はどのように思われますか。

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

12月のご挨拶

平成25年12月吉日

拝啓

今年も残すところあとわずかとなりましたが、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 平素は、格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、第2次安倍内閣発足から一年、掲げた政策アベノミクスは日本経済を着実に回復させつつあります。これは、第1次安倍内閣が経済再生を望む民意を無視した結果失政(安倍総理病気による退陣ではあるが)を招いた反省によるものと高く評価したいと思います。ところが、その矢先、今次の特定秘密保護法の強行採決の暴挙は、安倍第一次内閣で抱いていた国民の不安を呼び覚ます衝撃的出来事となりました。近年の北朝鮮、中国や韓国の不穏な行動や世界の各地で頻発するテロ行為は、国家の存立と国民の安全を保持するためには、現存する法律の見直しや新法の立法の必要性を国民は否定はしないでしょう。しかし、事柄が重要であるだけに拙速審議や強行採決は避けなくてはなりません。戦前の軍部暴挙や官憲の横行を知見した国民は少数となっているのです。皆様はいかがお考えでしょうか。今年1年、皆様に感謝申し上げご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

11月のご挨拶

平成25年11月吉日

拝啓

さざんかの咲く時節となりましたが、皆様益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 平素は、格別のお引き立てをいただき、厚くお礼申し上げます。
さて、アベノミクス「第三の矢成長戦略」の要は企業の経営品質如何ということになりましょうが、その尺度として(財)日本生産性本部創設の日本経営品質賞という制度の存在はご案内のとおりです。また、建設業法に定める「経営事項審査」は我々により身近に感じる制度です。翻って、我が税理士業界の業務品質を問う制度の一環としては、税理士法33条の2項に定める「書面添付」の制度がありますが、我々TKC全国会では、税務以外の領域いわゆる経営助言領域での社会貢献をも果たすべく、その品質向上に努めているところです。すなわち、タイムリーな月次決算の提供、継続MASと名付けた経営計画システムや迅速正確な経営資料提供のためのFX自計化システムを柱としつつ、その他経営革新等支援認定制度などの時代要請の項目などを取り入れポイント化し、成績優良事務所を表彰するなどTKC会員の業務品質向上を図っております。お蔭様で、わが「あおぞら」は毎回上位入賞を果たし、今回は締め切りまで2ヶ月を残し、全国順位11位となっておりますことをご報告しご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

10月のご挨拶

平成25年10月吉日

拝啓

菊香の候、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てを頂き、厚くお礼申し上げます。
さて、安倍総理は、10月早々との言葉どおり、来年4月から消費税率を8%とする考えを発表しました。これは、アペノミクス3本の矢推進と同時に財政再建にも総理の強い意欲を示したものと思われます。幸いにも安倍内閣の支持率は高く、長期政権の樹立が期待されます。そこで、私が思いますのは、財政健全化推進のツールとして官庁会計(地方公共団体を含む)に複式簿記を導入することを希望します。釈迦に説法ではありますが、15世紀末ルカパチオリによって、ベニスの商人の秘伝「複式簿記」が社会一般に公開され、わが国では、福沢諭吉が「帳合之法」および「学問のすすめ」でその有用性を主張いたしました。複式簿記なくして企業の発展はありえず、それは、まさに人類の英知そのものでした。明治初期から「官庁簿記」の書物は存在していたようですが、何ゆえこの人類の英知とも言うべき複式簿記が官庁会計に採用されることはなかったのか愚鈍の私にはわかりません。しかし、一般会計と特別会計間の操作、隠れ借金や埋蔵金とか呼ばれるものの存在など不透明極まりないといわれる官庁会計を複式簿記に切り替えることが財政再建の切り札となると思慮するのですが如何でしょう。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

9月のご挨拶

平成25年9月吉日

拝啓

初秋の候、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てを頂き、厚くお礼申し上げます。
さて、消費税増税を予定どおり実施するか、景気への影響を見極め先送りするかの議論が活発になされています。安倍首相は、景気の動向を見極め10月に結論をだすと発表しました。議論が活発に行われることは、国民の頭脳のトレーニングと政治への関心を高めるには悪くないことでしょう。しかしながら、非常な勢いで高齢化が進み社会保障費が100兆円を大きく上回り40兆円を超える財政赤字を抱えるわが国の現状を見れば、悠長な議論を続ける余裕はなく、政府は法定どおりの増税と経済成長戦略実施へ全力投球すべきと考えますがいかがでしょう。
勤勉な国民性と高いモラルで急成長を遂げたわが国ですが「衣食足りて礼節を知る」心を忘れ、いつのまにか我欲の下僕となりこのような結果を招来したのではないでしょうか。安倍首相持論の「美しい日本」を作る作業は「国民の皆さん。ここは、エゴの心を乗り越えましょう。」と強いメッセージを送るところから始まるのではないでしょうか。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

8月のご挨拶

平成25年8月吉日

拝啓

厳しい暑さが続きますが、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てを頂き厚くお礼申し上げます。
さて、私どもTKC会計人のバイブルとも申すべき書籍「会計人の原点」(飯塚毅著)には、リーダーの条件として次の4つの項目が掲げられています。
① 仲間の顔を見た途端、彼の額のうしろに何が在るかわかること
② 自己中心の発想から抜け出ていられること
③ 人々に方向を示せること
④ イエス、ノーをはっきりいえること
参議院選挙の圧勝で「ねじれ」とやらを解消できたことをことのほか喜んでいるようにみえる政権党ですが、前記した① 国民の額の後ろに何かあるかお分かりでしょうか。
② わが党、わが派閥、わがポストへの固執からぬけでることができていますか。
③ 国家百年の計はこの方向だとわれわれを導いていただけますか。
④ 国民に辛い選択も勇気を持って実行できますか。
リーダーとしての政権党諸侯がリーダーとしての資質を遺憾なく発揮されるよう切に希望するのですが、皆様は如何お考えでしょうか。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

7月のご挨拶

平成25年7月吉日

拝啓

盛夏のみぎり、皆様益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。
さて、我が税理士法人あおぞらも7月から新たな事業年度に入り、おかげさまで創立7年目を迎えることとなりました。創立時4名であった社員税理士は8名となり、税理士有資格者(社員税理士含む)は6名から10名、公認会計士インターン1名を加えて、県下でも有数の資格者集団となり、複雑多様化する顧客ニーズにお答えできる事務所体制を整えつつありますことを感謝の意を深くしご報告申し上げます。
また、税理士法人は業務範囲が法で限定されておりますため、お客様へのサービスをより強固に提供する観点から、(株)あおぞらサポート、(株)アスライト、(株)アシストあおぞら、を立ち上げ、それぞれ活動を展開しておりますことを併せてご報告申し上げます。何なりとご用命賜りますようスタッフ一同お願い申し上げます。
経済環境は少し明るさがさしてまいったようでありますが、中小企業に光が届くことをいのりつつ、また、変わらぬご支援のほどをお願い申し上げご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

6月のご挨拶

平成25年6月吉日

拝啓

衣替えの季節となりましたが、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てをいただき、厚くお礼申し上げます。
さて、アベノミクスの展開で企業が受ける影響は悲喜交々といったところでしょうか。
新聞活字が躍る都度、企業規模の大小を問わず遭遇する出来事に一喜一憂しない経営こそ経営者が目指すべき経営であり、或いは経営者として磨くべき人間特質であると思うのですが、皆様はいかがお考えでしょうか。真実の所はわかりませんが、経営者の多くの方が経営技術やテクニックを優先される結果として、「不動の経営」から遠のいてしまうのではと思慮いたします。このような現象があるとするなら、それは経営者に限らず、現代人全てに共通する憂慮すべき問題と考えます。これは、戦後、事務学(知識や技術の習得)が重視され、これ等事務学を吸収し活用する主体である人間自身を練磨する学、所謂人間学の探求は、修養の問題として学の外に置かれてきた故といわれています。今日の我が国の政治、経済、社会、教育など様々な分野での停滞現象は、人間学の軽視にあると私は思います。経営の領域もその例外ではありません。
最後になりましたが、懸命な努力を続ける中小企業の皆様に変わらぬご支援をお願い申し上げ、今月のご挨拶と致します。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

5月のご挨拶

平成25年5月吉日

拝啓

新緑の候、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別の御引き立てを頂き、厚く御礼申し上げます。
さて、私どもTKC会計人グループでは、中小企業の皆様にお役立ていただくべく継続的にセミナーを開催してまいりました。来月、6月20日も有限会社中里スプリング製作所代表取締役中里良一氏をお招きし、「負けるな中小企業、ハンデをプラスに変える発想法」というテーマでお話いただきますのでご案内いたします。インターネットをはじめ、情報入手には時聞がいくらあっても不足する現代でありますが、現役経営者の、生の、赤裸々な経営談は、悪戦苦闘を乗り越える勇気を中小企業経営者の皆様に与えることと確信いたします。私事で僣越ですが、希望に燃え税理士事務所を開業したものの、顧客獲得は思うに任せず、又、不本意な顧客の要求に、職業選択を誤ったかと落胆の日々を送っていたとき、今はもう故人となられたTKC中部会会長柴田圭造先生の赤裸々な体験談に涙が溢れるほどの感動を覚え、税理士業務に誇りを持って取り組むことが出来ました。今の混沌とした時代に、希望に溢れ、勇気をもって経営することの大切さを、中小企業の経営者の皆様にお伝えできるセミナーヘ、お取引様をお誘いの上、ご来場お待ち申し上げます。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

4月のご挨拶

平成25年4月吉日

拝啓

春爛漫それだけで心ときめいてまいりますが、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別の御引き立てに預かり、衷心より深く感謝申し上げます。
さて、「中小企業金融円滑化法」が先月末で終了し、国の中小企業政策も「弱者救済」から「自立経営支援」の方向へと舵の切り替えが行われて参ります。この円滑化法の適用実施企業(40万社といわれる)のうち、20万社~30万社ともいわれる問題企業への対応が目下の重要な中小企業対策なのではなく、自立できる中小企業(これは、即、景気対策を求める大企業も同様と思うが)をいかに作るかの大転換と高く評価したいと思慮します。そこで、私が思いを強く致しますのは、「法は社会形成の原動力」とのヘンケルの命題です。アベノミクスの提唱で得た国民支持は序章に過ぎず、本来あるべき国家の姿、国民のありよう、そして経済とはと本質に切りこんで、活発な立法を展開し、世界の中で経済だけではない真の先進文明国日本の形成を実現して欲しいものです。
懸命な努力を続ける中小企業の皆様にご支援の程をお願いし、今月のご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

3月のご挨拶

平成25年3月吉日

拝啓

日毎に春めいてまいりましたが、皆様、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素 は、格別のお引き立てに預かり衷心より厚く御礼申し上げます。
さて、安倍政権誕生と同時に発せられたメッセージ「アベノミクス」は、内外に好反響を与え、「円安・株高」を誘発致しました。いよいよ、これから「アベノミクス」の「三本の矢」といわれる金融政策・財政出動・成長戦略の実践へと向かう訳ですが、我々がおかれた財政状態の下では、少しのゆるみも許されません。そこで私か思い出しますのは、破綻した「JAL」を再生に漕ぎつけた稲盛和夫氏の企業再生手法であります。「国家」と「企業」の違いはありますが、「フィロソフィの浸透」と「計数管理の徹底による意識改革」は「事なかれ主義」が蔓延する(失礼)官(国・地方公共団体)の改革には必要不可欠と思うのですが、皆様は如何お考えでしょう。
懸命な努力を続ける中小企業の皆様に、引き続きご助力の程をお願い申し上げ、ご案内といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

2月のご挨拶

平成25年2月吉日

拝啓

春寒の候、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てをいただき厚く御礼申し上げます。
さて、ご案内のように、3月末期限切れを迎える「金融円滑化法」は金融機関の皆様にはより丁寧な与信管理を必要とされましょうし、企業側、特に経営者は自社の財産と損益の状況を適切に把握し、経営改善を推し進める能力を求められることになると思います。しかし、残念ながら、与信を受ける経営者の会計への重要性の認識は、心もとない限りです。会計帳簿(経営者の多くは帳面と表現されますが)は、税務署が存在するからやむを得ず作成するけれども本音のところでは、作りたくないとお考えの経営者がまだまだ多いようです。これだけ厳しい経営環境が押し寄せているのにと嘆息を禁じえませんが、これには、我々中小企業の税務会計の受託をおこなってきた会計事務所の責任も重大です。職業会計人の本質探究を閑却し、誤った企業ニーズに応える事を自由契約の建前上止む無しとの思考に陥っていたように思います。企業・会計事務所(あるいは金融機関も)に厳しくツケは回ってきたようです。因果の法則は誰かれの区別なく襲ってまいりますから、それぞれが善果を呼び寄せるべく、最善を尽くすなら幸運の女神も微笑む事でしょう。皆様は如何お考えでしょう。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

1月のご挨拶

平成25年1月吉日

拝啓

新年明けましておめでとうございます。皆様には清々しいお心で新年をお迎えされました事、衷心よりお慶び申し上げます。本年もあい変わりませずお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
さて、平成25年の幕開けは、マスコミ造語「アベノミックス」を引っ提げた第2次安倍内閣の華々しい登場となりました。経済学はお茶の間の学問といわれますので、経済学門外漢の私も「アベノミックス」について所感を書いて新年のご挨拶とさせて頂きます。現下の我が国経済は、デフレが継続し、30兆円ともいわれる需給ギャップの存在などマクロ数値の停滞は勿論の事、中小企業は言うに及ばず、パナソニックをはじめとした国際的有力企業までもが巨額の経営赤字を出すなど、ミクロ面でも苦戦が続き、恐慌経済下にあると私は考えます。このような経済状態打開の方策として登場した「アペノミックス」は決して的外れではないと思慮するのですが、当該政策が難局を打開していくには時間が必要です。近年の各内閣のように短命政権ではむしろ弊害を齎すことにもなりかねません。安倍総理には前回の轍を踏むことなく長期政権で信念を貫いて頂きたいものです。また、持病持ちのリーダー、例えば西郷隆盛は象皮病、ナポレオンは胃炎を患い失政した事を重く考えて頂き、安倍総理には健康に留意して、我が国の救世主となって頂きたいものです。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

12月のご挨拶

平成24年12月吉日

拝啓

木枯らしの寒さが身にしみる今日この頃ですが、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、一方ならぬお引き立てを賜り厚くお礼申しあげます。
さて、内外環境ますます多難を極める中、師走選挙となってしまいました。多くの国民が期待したでありましょう民主・自民の2大政党政治の定着をあざ笑うかの如くの弱小政党の乱立は、国民の政治への期待を一層薄いものとしないかと懸念してしまいます。過日、著名な法律家が政治には期待しないとの発言をしておりましたが、残念です。「法は、社会形成の原動力である。」とのハインリッヒ・ヘンケルの命題はご存知のはず、卑近の例がシートベルト着用が義務付けられた結果、殆どのドライバーが着用に及んだ事を。年末の多忙な時期ではありますが、各政党の掲げる公約に丹念に目を通し、もしわれ政治家であるならばとの主体的吟味を加えていくくらいの積極的行動をとれるようにしないと亡国への道をたどる事になるのではと懸念いたします。政治への無関心を決め込む国民が増えた結果(いわゆるノンポリ層の増加)滅亡した国は歴史上少なくないのですから。皆様は、どのようにお考えでしょうか。
懸命な努力を続ける中小企業の皆様に引き続きご助力のほどをお願い申し上げます。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

11月のご挨拶

平成24年11月吉日

拝啓

菊花の候、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てに預かり厚く感謝申し上げます。
さて、既にご案内のように本年8月31日に「中小企業経営力強化支援法」(略抄)が施行されました。釈迦に説法ではありますが、この法律は①中小企業支援事業の担い手の多様化・活性化を図る、②中小企業の海外展開に伴う資金調達を円滑にするという二つの柱からなっております。そして、その機関を担う中核は地域金融機関と経営革新等支援機関の認定を受けた税理士・公認会計士であります。この国家的要請に応えるために、われわれTKC会計人は積極的活動を展開することになりました。それは、まずは年内認定件数2000事務所、来年3月末3000事務所とし、従来にも増した金融機関との強い協力関係を構築していくというものです。「租税正義の実現」と「お客様の親身の相談相手」を事務所の使命とする我があおぞらでは、当然の如くとして経営革新等支援機関の認定申請を完了し、実践の時を待つばかりと相成りました事をご報告させて頂きます。
最後に、懸命な努力を続ける中小企業の皆様に、これまで以上のご理解とご支援をお願い申し上げ、11月のご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

10月のご挨拶

平成24年10月吉日

拝啓

菊香の候、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てに預かり、厚くお礼申しあげます。
さて、一年に渡り、成長発展する中小企業の在り方について、独断と偏見に満ちた見解を冗長に書いてまいりましたが、そろそろピリオドを打つべく纏めにはいりたいと思います。先ずは、中小企業発展の鍵は大部分経営者にある事、二つ目は、その経営者が目的意識を明確に持つ事、三つめは、経営が「ひと」「もの」「かね」の効率的活用を目指すものであるからその測定手段である会計を重視する事、ここまでの段階はかなりの経営者が取り組まれそれなりの成功を収められるが、「器」という壁が待ち受けそれを乗り越えていける経営者は非常に少ないこと、従って経営の発展は停滞し、または衰退に向かう事となります。この俗にいう「器」という言葉は、「ことば」にすぎず、己の心の在り方で生命ある限り広げていけるものである事、したがってこころの探究と取り組んでいく者が持続的発展を成し遂げて行くのであります。古今の優れた経営者はこのことを直感したのか心の探究を重視し、座禅や瞑想に取り組みこころの浄化にいそしんだと言われています。どうやら、成功発展の鍵は己の正体を知る努力如何にかかっていると指摘し、結論といたします。(了)

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

9月のご挨拶

平成24年9月吉日

拝啓

秋涼の候、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のお引きたてに預かり、厚く御礼申し上げます。
さて、これまで、多くの経営者の観察とささやかな自己の経営体験から経営者の心の在り方がその企業の成長発展を左右することとなる、従って、心とは何であるかを哲学、宗教、心理学、大脳生理学、それぞれの考え方捉え方についてふれてまいりました。ところが、これらが展開する心の考え方捉え方を理解することで経営がうまく行くのかと言えば答えは『ノー』であります。心に関する知識の増加が行動力のそれとならない事は、知識の増加は大脳新皮質が司り、行動する働きは大脳辺縁系が司る即ち両者は直結していないからです。この両者の直結は『知行合一』との言葉がある様に古くから人間の重要問題とされてきました。しかしながら、ではどのようにすれば、何をすれば、この両脳の直結関係が構築できるのか、科学は答えを出していません。畢竟、古代的、宗教的、精神訓練により自己変革を図るより他に方途はないようです。ここに発展し続ける企業、盤石の経営を誇る企業が非常に少ない理由があるのではないでしょうか。
引き続き、中小企業の皆様にご助力の程をお願いし、今月のご挨拶と致します。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

8月のご挨拶

平成24年8月吉日

拝啓

残暑厳しき折から、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てに預かり、厚く感謝申し上げます。
さて、経営者の「器」を拓げるこころについて、先月では、哲学的見地からと宗教的それについて触れてまいりましたが、科学的思考万能の現代人には踏み込みがたい領域ではと思慮し、次に科学の領域に踏み込んだこころについて触れてまいります。人間のこころについてアプローチされている科学、心理学と大脳生理学の方面から検討を加えたいと思います。心理学の見地からは、人間の心(意識)は三重の階層から形成されていて、それは、深層意識、潜在意識、表面意識からなるとされています。深層意識は人間の生命誕生の過程を(進化の過程をすべて含む)、潜在意識は比較的浅い人間記憶がイメージとして、そして表面意識は言語記憶で構成されているとしています。
この事を裏付ける科学としての大脳生理学では、深層意識や潜在意識を司るのは大脳辺縁系が、そして表面意識をリードする脳は大脳新皮質がおこなうとしています。
即ち、言葉意識で(表面意識)で、「明日からは5時に起床し、ジョギングをしよう」と、心に決めてもなかなか実行に移せないのは、言葉(心)を扱う脳と行動に移す脳とは、別々の脳で処理される、ここに人間の最難関課題があると現代科学も指摘しています。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

7月のご挨拶

平成24年7月吉日

拝啓

日々暑さの厳しい折から、皆様におかれましては益々ご情祥のこととお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てに預かり厚くお礼申し上げます。
さて、心の対象である知識や技能の習得には深い関心を寄せるけれどもその対象へ向かう心そのものには無関心になりがちな現代社会であるので、心そのものの重要性にふれるイントロとして僣越ながら、2ヵ月にわたり私ごとで回り道をいたしました。
本論に入りたいと思います。心について広辞苑では「人間の精神作用のもとになるもの。人間の精神の作用そのもの。知識、感情、意思の総体。おもわく。気持ち。思いやり、情け。」等を掲げています。哲学的には、我の本質を探究する対象として肉体と心を掲げ、真の己(我)からみれば心も肉体同様人間が生きていくための方便を扱う道具にすぎないとしています。(中村天風「研心抄」)一方、仏教のほうでは「こころとは心のないものであり、そのように心がなくて清く明らかなのがこころの本性である。」と教えています。ちなみに、釈尊は、12 4 0通りの心があると説いているようです。このように書いている私も何を書いているのか錯雑としてまいりましたが、要するに、真の自分をさす「こころ」とその自分が感じる様々な「心」とをひっくるめた概念を言っているようです。以下は次月を請うご期待ということで。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

6月のご挨拶

平成24年6月吉日

拝啓

深緑の候、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立に預かり厚くお礼申しあげます。
先月のご挨拶では、経営者の「器」の大小を左右する心について論を進める予定が、私ごとでお茶を濁す事になりました。僣越ながらもう少し脱線することをおゆるしください。先月、心のおきどころで人間の「器」を広げていける事を教えられたのは、私が40歳近くの事と述べました。それは、税理士試験には1年半の勉強で合格できたけれど、いざ税理士事務所を開設してみると、他の税理士の皆さんのように事務所が発展していかない苦悶の日々を送った挙句、後年師匠と崇める税理士の講演をきいたときでした。「人間のこころは(意識)は階層を形成していて、理解とか創造の働きをする表面意識といわれる領域と、行動を左右する潜在意識と呼ばれるそれで、前者は大脳新皮質が、後者は大脳辺縁系が司るのである。従って、理解はするけれども、行動に移せないという現象が生ずるのである。」というような内容でした。苦悶の日日の正体はまさしくこれだと目から鱗が転げ落ちる思いでした。私は計画はたてるのですが、実行に移せない典型人間であると気づいたのでした。失礼ですが、世の社長さん方にもこういう方は結構いらっしゃいませんか。脱線が長くなりました。次月以降、こころについてより詳細に検討を加えて行きたいと思います。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

5月のご挨拶

平成24年5月吉日

拝啓

新緑の野山に萌える今日この頃、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てに預かり、心から厚くお礼申しあげます。
さて、経営者がある程度の経済的満足を得て達成感を感じ進歩発展が止まってしまう、俗に言う「そこまでの器」現象は、自分自身の心が作り上げるものであると断定し、心について論を進めていく旨を、先月のご挨拶では述べました。自分自身の人生を振り返ってみて、嫉妬や羨みなどの醜い心に自己嫌悪を感じたり、些細な出来事に悲想的になったり、逆に幸福感でいっぱい、やったとの成功感を味わう等、積極、消極、実に様々な心の状態を経験してきました。ところが、そのような様々な心というものの正体を、両親から教わった事もなく、また、学校教育で教わった事もないまま、実社会で悪戦苦闘、成果の上がらない事を自分以外の外部的条件のせいにして会計事務所経営を営んでいました。実に小さな「器」の自分で、その「器」は広げていけるものである事を教えられたのはもう40歳近くのことでした。以来、自分の「器」を広げる努力をし、また、顧問先経営者を観察させて頂き、心のありようが「器」の大小となるのだと確信しております。自身の事を述べ本論から脱線致しました。以下は、次回以降請うご期待と言う事で、今月のご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

4月のご挨拶

平成24年4月吉日

拝啓

春爛漫、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てにあずかり心から厚くお礼申しあげます。
さて、成長発展するための中小企業の経営者のありかたについて、身近な目標設定の反復とそれを可能にする「会計」というツールを活用することである程度の達成感と経済的満足を得られる会社創りには成功できるようですが、そこでストップされてしまうお方が多いようです。何故なのか考えてみたいと思います。世間的な言葉でいえば「そこまでの器」ということなのでしょうが、私は、人間は心がけ次第でその「器」を無限に広げていける、進歩発展出来る存在であると思います。そこまでの「器」に留めてしまうのは自分自身の心であります。心は不思議です。社員のミスに烈火のごとく怒る事もすれば、大震災の不遇に苦しまれる姿に涙するのです。ゴルフのスコアに落胆もすれば、月を見て想いを宇宙に馳せる事もできるのです。この動物とは異なる優れた働きする心を天から付与された人間、即ち自分自身に氣づいているかどうかが「器」を生命ある限り広げていけるかどうかの分岐点であると私は思うのです。
次月では、この不思議な心というものについて考えを深めていきたいと思います。
厳しい環境に懸命の努力を続ける経営者の皆様に御理解御支援の程を宜しくお願い申しあげ、ご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

3月のご挨拶

平成24年3月吉日

拝啓

早春の候、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てに預かり心から厚く御礼申し上げます。
さて、10月のご挨拶から書いてまいりました成長発展する中小企業について整理する意味合いから簡単に振り返りたいと思います。 10月では「松下水道哲学」を例に経営理念の重要性を、11月ではそうはいっても創業当初から高邁な経営理念を掲げる経営者は殆ど見られない現象から、「理趣経」を例えて身近な経営欲望の充足に軸足を置いた目標達成の経営を説きました。 12月においては目標設定を達成するツールとして経営の達人稲盛和夫氏も力説する「会計」の重要性に触れ、2月では、その「会計」の活用方法を述べました。 ここまでの過程を実践出来ると「夫婦二人で150万円の役員報酬をえること」等は難なく達成できるようです。 目標設定のより高度化が始まります。 プロ野球の万年下位チームが有力指導者を得て優勝争いを展開できる如く、いわゆる「勝つ味」を覚えるのでしょう。 このような段階にはいると、己だけの儲け追求のみでなく従業員の処遇にも関心を示しだします。 「理趣経」が説く欲望昇華へと心が向かい始めた証でしょう。 この段階へはおおくの経営者が到達されるのですが、ここでストップされるお方が多いのは残念なことです。 次月ではここをどのように乗り越えるのかについて検討を加えたいと思います。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

2月のご挨拶

平成24年2月吉日

拝啓

余寒ことのほか厳しくありますが、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、新年のご挨拶のため、先月は会計事務所からみた成長発展する中小企業についてはお休みいたしましたが、再開したいと思います。 12月のご挨拶では、会計の重要性について稲盛和夫氏のお話を例に述べました。今少し会計について触れたいと思います。身近な目標、 例えば夫婦で150万円(月額)の役員報酬を取れるようにしたいとの思いを会計でどのように実現していくのかについて考えてみましょう。 今この夫婦二人の役員報酬は80万円と致しますとあと70万円の限界利益(粗利益)が必要ですが、この金額をどのように確保するかいろいろ プランを練っていき数字であらわしていく、これが目標達成のために会計を活用していく手法です。このようにして毎月目標と実績を比較検討し 150万円の役員報酬実現のために思考をめぐらすことを習性化していくことが会計の生かし方であり社長の経営能力向上へとつながります。 その為には、月次決算の迅速性が必要です。月半ばを過ぎてやっと月次決算をみられるようでは1比較検討を加えたり思考をめぐらしたりする 意欲はでてこないのではないでしょうか、経営者のはしくれでもある私はそのように思います。グローバル経済が加速化し、大手企業では 日時決算が当たり前の時代、残念ながら中小企業の会計の遅れは顕著です。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

1月のご挨拶

平成24年1月吉日

拝啓

新年明けましておめでとうございます。皆様には、新しい年を健やかにお迎えされましたことを、心からお慶び申し上げます。本年もあい変わりませずお引き立てのほどを宜しくお願い申し上げます。
さて、昨年は未曽有の大震災遭遇、その大震災が齎せた収拾不明の原発事故、これらの影響による社会経済不安等、政治の稚拙をあざ笑うかの如き出来ごとの連続でありました。
世界に目を転じましても、ユーロ圏の深刻な金融不安、バブル経済破たんを抜け出せない米国、これらの影響を受け停滞が懸念される中国など、大変な時代が本格化してまいりました。本年は干支にあやかり、昇り竜宜しく快刀乱麻、諸問題一気に解決を期待したいところでありますが、どのように楽観しても大変な状況は消え去りそうもありません。しかしながら、ここに疑う事の出来ない一つの事実があります。人類誕生後今日まで大変なできごとは無数にあった、そして人類はそれらを乗り越えて繁栄し、その末裔がいま生を享けている私達なのであることを。ですから科学的に見れば私達の細胞は人類が乗り越えたあらゆる大変な出来事を記憶しているはずであります。また先人はこの叡智のかたまりをよびさます瞑想という技術も伝えております。この大変な時代を大変でなくするヒントはここいら辺りにあると思うのですが皆様はいかがお考えでしょう。
本年も引き続き中小企業の皆様のご支援を宜しくお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

12月のご挨拶

平成23年12月吉日

拝啓

初冬の候、皆様には益々ご清祥の御事とお慶び申し上げます。平素は、格別のお引きたてを賜り厚く感謝申し上げます。

さて、先月のご挨拶では、創業当初から高い志を抱いて経営と取り組む企業者は少数と思われることから、身近な目標設定を行いそれの実現を目指す事が有効である旨、そして、目標設定の段階的高度化を実現するにつれ経営者の意識が浄化され高い志を抱くに至ると述べました。今月は、この目標設定を行い実現を目指していく経営者のツールとして重要なものが『会計』である事を、釈迦に説法ではありますが、主張したいと思います。盛和塾を主宰している稲盛和夫氏は、「塾長は経営には経営理念が大事だと言われる。また、会計が重要とおっしゃる。一体どちらが重要ですか。」との塾生の質問に、即座に『会計』と答えたそうです。考えてみれば、経営の基本要素と言われる「ヒト、モノ、カネ」が経営目標に向かって有効に機能しているかどうかを測定すること抜きに目標実現は可能でしょうか。これら経営要素の動きは『会計』で測定されて初めてわかるのです。『会計』なしに商売はできないと稲盛和夫氏は諭されたのでした。夫婦で15 0万円の月給が確保できる経営は『会計』から始まると。懸命な努力を続ける経営者の皆様にご支援をお願いしご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

11月のご挨拶

平成23年11月吉日

拝啓

菊花の候、皆様には益々ご情祥の御事とお慶び申し上げます。平素は、格別のお引きたてを賜り厚く感謝申し上げます。

さて、先月のご挨拶では、成長発展する中小企業の条件の一番目に、「立派な会社を創りたい」「社会貢献の高い会社にしたい」と経営者が強く思い続ける事が大切であ ると経営の神様といわれた松下幸之助翁の話しを例に引き述べました。しかしながら、創業当初からそのような高い志を抱いて経営に取り組むお方を私はみたことがありま せん。早く一人前になりたいと日々頑張られるのでしょう。では、このような段階ではどのような取り組みが経営の発展に有効なのでしょう。私の観察では、少し努力を すれば手に入る身近な目標、例えば、「少しランクが上の同業者を追い越す」或いは、「夫婦で月給を百五十万円取れるようにしよう」などです。古代インドの密教に理趣 経という経典があります。男女の愛欲賛美から始まり段階的に人間欲を浄化させていく密教手法を用いた経典であるとされています。経営者も身近な目標(欲望)達成感 から徐々に経営意識の高度化へと向かう可能性を大いに秘めた存在です。金融機関や会計事務所が経営者の親身の相談相手として密教典の「理趣経」のような役割を大い に果たすべき時と思慮いたします。中小企業の皆様に何卒よろしくご理解ご支援のほどお願い申し上げます。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

10月のご挨拶

平成23年10月吉日

拝啓

秋も深まりお酒が美味しい時節となってまいりましたが、皆様には益々ご清祥の御事とお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てに預かり、厚く御礼申し上げます。

さて、私ごとで恐縮ですが職員時代も含めて会計事務所業務に携わり40年となり、多くの企業様とお付き合い頂きました。そこで、今回から数次にわたり、成長発展する中小企業について40年の経験を基に考えてみたいと思います。基本的には、中小企業の成長発展は経営者がそのほとんど全てを握っていると考え、経営者の経営姿勢について触れてまいります。先ずは、「立派な経営をしたい。」
「会社を成長発展させたい。」との経営者の思いが大切です。この思いが情熱的であればあるほど企業は持続的に成長していくようです。これについては、経営の神様と言われた松下幸之助がその講演の中で『経営にはダムが必要』と説いた事を受けて聴講者が『どのようにしてダムを作ればよいのか』との質問に『私もそれはわからない。しかし、とにかく思わんことにはダムは作れんのや。』と答えたと言われています。巷間伝えられている『水道水の如く安価で豊富な電化製品で家庭に豊かさを』との強い思いがパナソニックという世界的企業を生んだのです。懸命な努力を続ける中小企業の皆様に引き続きご支援をお願い申し上げます。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

9月のご挨拶

平成23年9月吉日

拝啓

新涼の候、皆様益々ご清祥の御事とお慶び申し上げます。平素は、格別のお引き立てに預かり厚く御礼申し上げます。

さて、悪評芥芥の菅内閣の幕引きで、賑やかな総裁選の末、野田新内閣の誕生となりました。地味な感じは否めませんが重厚な面持ちの新総理を、国民は好感を抱いて迎えたところでありましょうか。戦後未曽有の窮地にある我が国を、国家百年の計を慮り、力強くリーダーシップを発揮して頂きたいと願うものでありますが、現在の我が国の内外情勢の下で総理持論の財政再建(増税)の早急化には危惧する所であります。

私は、税や会計の専門家であり経済は門外漢でありますが、20年にも及ぶ経済活動停滞下で迎えた国内外環境の激変は、我が国が経済恐慌下に置かれていると認識致します。私の乏しい知識の引き出し下には、斯様な環境下にあっては、優先順位として財政再建ではなく需要創出を持続させる景気刺激策を取る事であると整理されております。 1929年世界恐慌下でのフーバーやニューディール政策で有名なルーズペルト大統領、我が国では消費税増税を急いだ橋本総理等が財政再建を優先させ失敗したと。野田新総理には同様の失政を繰り返す事なきよう希望し、今月のご挨拶といたします。

敬具

税理士法人あおぞら 会長  西出 克巳

お問合せ

三重県伊勢市の「税理士法人 あおぞら」では、
起業・独立支援、税金・記帳・会計や
経営計画・資金繰りなどの
会計業務、
相続・事業継承や資産運用・老後資金などの
ご相談に応じております。