毎月更新!時事コラム

第1830号(2024年12月25日号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「こういったことは喜ばしくないというか不名誉なことであると考えています」(12月6日、青森県野辺地町議会の岡山義廣議長)――議会後の会見で。町が発注した公共工事の入札で不自然な点があったとして、議会が百条委員会の設置を決めた。予定価格や最低制限価格と1円単位まで同額で落札されたケースがあったという。問題視されているのは町が発注した2件の工事。町道烏帽子岳線の舗装工事をめぐっては、入札に参加した6社のうち2社が1629万4184円の同額で入札し、最終的にはくじ引きで落札者を決めた。町立体育館の非常用照明の改修工事では、町内の業者が税抜きの予定価格と同額の710万円で落札した。

◆「こんな粗い試算で地方税が足りなくなると騒いでいたのか。納税者や有権者をあまりにもバカにしている」(12月6日、国民民主党の榛葉賀津也幹事長)――記者会見で。国民民主党は自民、公明両党との税制調査会幹部会合で、与党側が示した「年収103万円の壁」を178万円に引き上げた場合の税収減の試算が根拠に乏しいとして反発を強めた。榛葉幹事長は会合で示された資料に「10月31日時点での粗い試算であり、相当の幅をもって見る必要がある」と記されていたことについて、「『数字が粗くて曖昧だ』と認めたペーパーだ。これを基準に財源が足りないというのは話にならない」と怒りをぶちまけた。

◆「今後、納税者の方に誤りのない申告をしていただけるように、様式の改訂に当たっては従来以上に厳格な確認を行うなど、適正申告の実現に努めてまいります」(12月6日、国税庁)――同庁のホームページで。国税庁は「『外国税額控除に関する明細書』の様式誤り等に関するお知らせ」と題した文書を同庁のホームページに掲載。2020年~23年分の所得税の確定申告で「外国税額控除に関する明細書」の記載内容に誤りがあり、控除額を過大に算出していたと発表した。ミスは最大3000件程度で、1件当たりの不足額はほとんどが数百円から数千円だという。所轄税務署から対象となる納税者に連絡し、不足分を納付するよう求めていくとしている。所得税の定額減税に伴い、24年分の確定申告に向けて同明細書の改訂作業をしていた際にミスに気付いたという。


気になるニュースのキーワード

株式非公開化

 上場企業が積極的に非上場化を行うこと。証券取引所に上場されている株式を非公開にする行為で、実施されると上場廃止となる。発行済の株式を大量に自社株買いして金庫株にしたり、ペーパーカンパニーが株式公開買付け(TOB)を行ったりするなど、市場取引または相対取引などを通じて発行済株式の回収を図り、上場廃止を申請する。ゴーイングプライベート、プライベタイゼーションとも呼ばれる。
 上場企業には透明性の高い情報開示義務が生じるため、株主からの圧力を受けやすくなる。投資家の短期志向も強まっており、長期的視点に立った経営改革の実施が困難なケースもある。株式非公開化が実現すれば、支配権を経営陣や一部の株主に集めることで少数株主を排除できるため、会社運営・意思決定の迅速化が図れる。敵対的買収を避けるための対抗策・予防策でもある。
 非公開化の手法としては、経営陣が参加する形で自社を買収するMBOや、親会社による上場子会社の買収などがある。MBOの場合、買収資金を金融機関や投資ファンドから調達することが多い。非公開化後に企業価値を高め、再上場するケースもある。

解説 国の基金

津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助事業基金

 東日本大震災による津波浸水地域と、原発事故により甚大な被害を受けた地域を対象に、企業立地補助制度を適用して雇用創出や商業回復を図り、地域経済の活性化と産業復興を加速することを目的として、2013年度に当初予算の震災復興特別会計で造成された基金。所管は復興庁・経済産業省。基金設置法人は一般社団法人地域デザインオフィス。
 初年度に1100億円を交付された後、同年度中に補正予算から330億円を追加交付された。14年度には当初予算で300億円、15年度にも当初予算で360億円が追加交付されている。合計交付額は2090億円。
 事業活動内容は、①東日本大震災による津波浸水地域及び原子力災害により甚大な被害を受けた地域を対象に、工場等の新増設を行う企業を支援し、雇用の創出を通じて地域経済の活性化を図る、②東日本大震災により甚大な被害を受けた市町村を対象に、商業施設の整備費等を支援することにより、産業の立地等の促進を図る――。
 22年度末時点で12回の公募を実施し、交付が決定したのは513件。これにより5476人の新規地元雇用を創出したとしている。20年度には4億9900万円を国庫へ返納。23年度末の基金残高は537億6600万円。24年度末で新規申請の受付を終了。基金事業の終了時期は31年度を予定している。

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