毎月更新!時事コラム

最近の税に関するコトバ集
◆「税金を払っている側の立場に立って物を言う政党や政治がないと、常に税金を使う側の都合と立場の政治ばかりになってしまう」(11月26日、国民民主党の玉木雄一郎代表)――記者会見で。「103万円の壁」について、玉木代表は「インフレと円安と賃上げで、国や自治体の税収は非常に増えている。国だけではなくて、地方自治体の地方税収の総額も3年連続で上振れていますし、臨時財政対策債の発行なども新規の発行がなかったり、あるいは非常に抑えられている現状がある」「国民の暮らし・家計が厳しいという中で、インフレ増税になっている部分を適切にお返しできないのか」と語った。
◆「日本企業への影響は甚大になる恐れがある」(11月26日、日本経済団体連合会の十倉雅和会長)――記者会見で。トランプ次期米大統領が中国やメキシコ、カナダからの輸入品に追加関税をかけると表明。これに対して十倉会長は「米国・メキシコ・カナダ協定により、メキシコ・カナダとの間では原則として関税がかからないことを前提に、現地に製造拠点を設けている日本企業も多い」と指摘。追加関税が日本企業に与える影響に懸念を示した。「米国には、国際社会において、ルールに基づく自由で開かれた国際経済秩序を支えるためのリーダーシップの発揮を強く期待する」とコメントした。
◆「私たちの税金でもある政党交付金は、企業団体献金を貰わないと言っている政党に使う。このようなチョイスはあってもいい」(11月26日、関西学院大学の村尾信尚教授)――ラジオ番組で。政治資金規正法の再改正を含んだ政治改革についての与野党協議がスタートした。村尾教授は「自民党は企業団体献金に依存している。私は企業団体献金を廃止することが原則だと思うが、それができないなら選択制にしたらよい」と語った。政党が企業団体献金を受け取るという選択をした場合、政党交付金は渡さないという仕組みがあってもいいと主張。また、村尾教授は東北大学の糠塚康江名誉教授が提言した「議員数の男女比を50:50に近づけた政党により多く政党交付金を配分する」仕組みを例に、「私たちの税金で政党を助成する以上、今の時流に乗った配分基準にするべき」と述べた。

気になるニュースのキーワード
PFAS
PFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物のうち人工的に作られたフッ素が多く含まれた化合物の総称。1万種類以上の物質があるとされている。水や油をはじき、分解しにくいという性質があるため、1940年頃から防水スプレーやレインコートなどさまざまな生活用品に幅広く活用されてきた。
しかし、PFASの中には有害性が指摘され、2000年頃から製造・輸入が禁止になっているものがある。「PFOS(ピーフォス)」「PFOA(ピーフォア)」といった化合物がそれで、環境汚染が世界各国で報告されている。これらの物質は難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、日本国内でも規制やリスク管理に関する取り組みが進められている。
2022年の環境省の発表では、国内111地点の河川、地下水で暫定目標値(1リットル中50ナノグラム以下)を超える数値が検出されている。またPFASは「永遠の化学物質」と呼ばれ、自然環境中に長く残留する。土壌に残留すると地下水に浸透し、水道水にまで汚染を広げていくといわれている。
岡山県吉備中央町では、町内の浄水場から極めて高い濃度のPFASが検出された問題を重視し、公費による住民の血液検査を11月26日から開始した。浄水場から検出されたPFASの濃度は、国が定める暫定目標値の約28倍にも達していたという。今回の血液検査では、PFASの血中濃度のほか、脂質や肝機能の状態を調べる。結果は来年1月に通知される予定となっている。

解説 国の基金
国内投資促進基金
新型コロナウイルスの感染拡大により、国内サプライチェーンの脆弱性が顕在化した。このため生産拠点を整備して製品・部素材の円滑な供給を確保し、サプライチェーンの強靭化を図ることを目的として2020年度補正予算の一般会計で造成された基金。所管は経済産業省。基金設置法人は一般社団法人環境パートナーシップ会議。
初年度に2200億円を交付された後、同年度中に予備費から860億円、補正予算から2108億円をそれぞれ追加交付された。また、22年度にも予備費から49億9200万円と、補正予算から55億円を追加交付されている。合計交付額は5272億9200万円。
22年度までに3回の公募を実施して439件を採択し、340件に交付を決定。このうち76件の事業に合計約316億円の補助金を交付している。
24年3月末に新規申請の受付を終了。26年度までに国内投資額を9247億円とする目標を掲げているが、22年度時点での達成率は9.7%に止まる。経産省では「世界的な半導体不足や、ウクライナ情勢の影響などにより、各事業で設備導入に遅れが生じた」と分析。後ろ倒しになった事業の多くは順調に進捗しているため、いずれも期限までに事業完了となる見通しだとしている。23年度末の基金残高は3693億2900万円。32年度で基金事業の終了を予定している。
