毎月更新!時事コラム

第1828号(2024年12月5日号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「機が熟していない」(11月19日、千葉県市川市の田中甲市長)――記者会見で。田中市長は昨年6月の市議会定例会で、市制施行90周年の今年11月3日を「(中核市移行という)次のステージに入る最大のタイミング」と答弁していた。だが、この日の会見で「機が熟していない」として、中核市への移行を見送る意向を示した。「市議会に協議を呼びかけたが、前向きでないことが分かった。(地方交付税の)不交付団体の市川市が中核市になることで年間24億6千万円の財政負担が見込まれ、メリットが感じ取れないとの空気感があるのが感じ取れた」と説明。「現段階で中核市を目指すと発言するのは避けている」と述べた。「人口20万人以上」を要件とする中核市に移行すると、保健所などの権限が県から市に委譲され独自の行政サービスが可能となる。市川市の人口は49万人超で、2015年度から不交付団体となっている。

◆「根拠はないものだと思っています」(11月19日、大野元裕埼玉県知事)――記者会見で。「103万円の壁」の見直しについて、大野知事は「30年以上にわたって放置されたということであり、その根拠となっている基礎控除についても、人間らしい生活をしなければいけないというふうに定められてはいるものの、48万円というのは果たして我々の感覚と合うのか、あるいはこの48万円が適切な根拠のある数字なのか」と制度のあり方に疑問を呈した。大野知事は「103万円の壁」の見直しに賛成する一方で、地方財政に与える影響には配慮が必要だと語った。

◆「減税して市民の手取りが増えて、その消費による増収の話をせずに財源が〇〇億円減る、みたいな話は増収が見込める話をまぜないかぎり子どもだまし」(11月18日、タレントの武井壮氏)――SNSで。武井氏は税収減とセットで語られる財源の問題について、「まるでお金が消え去るような話になるけど、お金の総量は変わらず市民の手に残るだけ」と持論を展開。「『市民サービスが崩壊する』なんて話す人もいるけど、2010年くらいの今より20兆円くらい一般会計税収が少ない時でも崩壊はしてなかったよな」「オレは別に減税だけがいいと思っているわけではない。(中略)豊かな社会を作ってくれるなら多少増税したって文句は無い」と投稿した。

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住民税非課税世帯

 前年の所得が一定水準を下回るなどの条件を満たしたことで、住民税が課税されなくなった世帯を指す。住民税は前年の所得をもとに税額が決定するため、当年に収入があっても課税されない。
 世帯構成や居住地域によって異なるものの、単身者の場合は給与収入がおおむね100万円以下、高齢単身者の場合は155万円以下で非課税となる。国民健康保険料や国民年金保険料の減免措置を適用されるケースが多い。加えて、医療費の負担軽減措置、保育料の無償化や学費減免などの対象にもなる。
 厚生労働省の2022年国民生活基礎調査によると、全世帯のうち住民税非課税世帯が占める割合は24%で、約4分の1を占める。同年の全世帯数は5431万世帯で、ここから試算すると約1300万世帯が住民税非課税世帯だと推計される。このうちの約4割、37%を「世帯主の年齢が70~79歳」の世帯が占める。「30?39歳」の世帯は全体の3%に過ぎない。年金受給者は控除が大きいため、現役世代よりも高齢者の世帯が対象になりやすい。
 政府は物価高対策として、23年の経済対策で住民税非課税世帯1世帯当たり7万円を支給。同年夏以降に支給された3万円とあわせて合計10万円の給付を実施している。

解説 国の基金

廃炉・汚染水対策基金

 福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策を進めていくうえで、技術的に難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要のある研究開発を支援し、対策を円滑に進めることを目的として2014年度補正予算の一般会計で造成された基金。所管は経済産業省。基金設置法人は公益財団法人原子力安全研究協会。初年度に198億5100万円を交付されている。
 当面の取り組むべき課題は「燃料デブリ取り出し」「使用済み燃料取り出し」「汚染水対策」「廃棄物対策」。
「燃料デブリ取り出し」については、18年度に実施した原発内部の調査結果を踏まえ、燃料デブリを取り出す最初の号機(2号機)とその取り出し方法(ロボットアームを使って取り出す方法)を決定。22年2月から原子炉実寸大の模擬施設でロボットアームの試験・操作訓練を実施している。「使用済み燃料取り出し」については、19年4月から3号機の使用済み燃料取り出しを開始し、21年2月に取り出しを完了している。次いで4号機の取り出しも完了。「汚染水対策」については、22年度までに汚染水発生量を平均日量90m2にまで低減させている。「廃棄物対策」については、屋外での一時保管状態を解消するため、22年5月に増設雑固体廃棄物焼却設備の運用を開始している。
 18年12月で新規申請の受付を終了しており、18年度に11億900万年を国庫に返納。19年度には35億7千万円を国庫返納している。20年度以降は管理費のみを支出しており、23年度末には基金残高100万円を国庫返納して事業を終了した。

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