毎月更新!時事コラム

第1732号(4月5号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「ロシアとの経済協力予算は削減しない」(3月14日、岸田文雄首相)――参院予算委員会で。ロシアとエネルギー分野の投資などで協調する「経済協力プラン」に約21億円の予算が割り当てられていることについての批判に対し「エネルギー安全保障や人道的な支援もプランのなかに含まれており、修正することはできない」と説明した。経済協力プランは2016年に当時の安倍晋三首相がロシアのプーチン大統領に提案したもの。萩生田光一経済産業相は「在露企業の撤退に充てることも考えられる」と柔軟に予算を活用するとして理解を求めた。野党議員からは「ウクライナ侵略に抗議する意味でも中止すべきだ」(日本共産党・山添拓参院議員)などの意見が出たが、修正が加えられることはなく、3月22日に成立した2022年度当初予算に盛り込まれた。

◆「年金生活者への5千円給付には明確な政策目的がある」(3月18日、公明党の石井啓一幹事長)――記者会見で。政府・与党が検討を進める年金生活者向けの新たな支援金について、「コロナ禍の長期化や物価高騰を踏まえた総合的な対策の一部という位置づけだ」と理解を求めた。5千円という金額については、新年度の年金支給額がこれまでより0.4%引き下げられることを踏まえ、「年金が3000円くらい少なくなる。これを払しょくできる水準だ」と説明した。一方、野党側からは「7月には参院選を控えている。選挙目当てじゃないですか」(立憲民主党・蓮舫参院議員)などの指摘があった。

◆「(文通費の見直しが)日割りだけの腰折れ案で終わるなら大暴れする」(3月25日、日本維新の会の藤田文武幹事長)――ツイッターで。国会議員に対して毎月100万円が支給される「文書通信交通滞在費(文通費)」の使途公開に向けた議論がまとまらず、名称や目的の変更で決着する見通しになったことについて「使途公開まで進めるために(中略)この議論を主導してきた。維新もお茶を濁すのかとの批判が散見されるが、大間違い」と主張した。文通費は実質的に議員歳費並の実入りになるうえ領収書の提出義務がないことから国会議員の「第二の給与」と呼ばれ批判を集めてきた。2月8日から与野党の協議会で使途公開を含む制度の見直しを検討している。

気になるニュースのキーワード

SDGs(持続可能な開発目標)

 SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択された世界共通の行動目標だ。Sustainable Development Goalsの略語で、「エスディージーズ」と読む。2030年までに実行すべき取り組みを健康、教育、エネルギーといった17分野で示し、企業や団体、個人まであらゆるステークホルダーがそれぞれの役割を果たすよう求めている。
 行動目標のなかには「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」「産業と技術革新の基盤をつくろう」といった企業経営に関係するものが含まれており、国内の経営者の間でも関心は高まりつつある。保険大手の大同生命が全国の中小企業経営者を対象に行った調査では、SDGsについて「名称・内容ともに知っている」と答えた企業は51%と半数を超えた。実際に「SDGsに取り組んでいる」という企業は24%で、4社に1社に上っている。
 金融機関や自治体は、企業のSDGsの取り組みを促進するための施策を展開している。3月には栃木銀行が中小企業や個人事業主向けにSDGsへの取り組みを評価するサービスを始めた。チェックシートをもとに事業者の対応度合いをランク付けし、融資の利率やリース料を優遇するという。長野県では県の「SDGs推進企業」に登録していると、公共事業の入札時に加点される。

押さえておきたいIT用語

ASP

 ASPとは、インターネットを介して利用できるソフトウェアやアプリを提供するサービス事業者を指す。Application Service Providerの略。代表的な例としては、ウェブメール「Gmail」を扱うGoogleやクラウドサービス「iCloud」を提供するAppleがある。クラウド会計ソフトやグループウェアを販売するサービス事業者もASPにあたる。
 企業がASPのサービスを利用するメリットとしては、ASPにサーバーのメンテナンスやシステムのバージョンアップといった作業を任せられるため、保守・管理の手間が省ける点が挙げられる。また、システムを自社で開発・運用するよりも、一般的に低コストかつ短期間で利用開始できる。
 デメリットとして、ASPにより提供されるサービスは不特定多数のユーザーや企業の利用を想定して作られているため、自社開発のシステムと比較してカスタマイズ性に乏しい。また、サービス上に保存する顧客データなどの情報はASPのサーバー上で管理されるため、ASPに回線トラブルやシステム不具合が生じると一時的にサービスが利用できなくなるリスクがある。
 ASPはインターネットが広まった1990年代の末頃から増えはじめ、高速通信回線「ブロードバンド」の導入に伴って普及した。特に近年の働き方改革やコロナ禍でリモートワークが浸透したことにより導入が加速している。

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