毎月更新!時事コラム

第1730号(3月15号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「プーチンを支える実業家の税逃れを取り締まらなければならない」(3月4日、欧州連合のボレル外交安全保障上級代表)――記者会見で。ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに向けた追加の制裁措置を検討していることを明らかにしたうえで、プーチン政権を支える新興財閥の実業家「オリガルヒ」らの制裁逃れを防ぐため「抜け道を塞がなければならない」と主張した。欧州連合内ではすでにオリガルヒに対して資産凍結を科しており、今後は米国をはじめ他国とも連携して資産の割り出しや差し押さえを強めていく方針だという。米バイデン大統領も1日の一般教書演説でプーチン政権とオリガルヒの結びつきの強さを強調し、「ヨットや豪華マンション、プライベートジェットを探し出す」と表明した。

◆「ふるさと納税でウクライナを支援する」(3月3日、大阪・泉佐野市の千代松大耕市長)――市議会本会議で。ロシアによる武力行使について「ウクライナ全土で子どもを含む多くの民間人が犠牲となっている」と批判し、ふるさと納税を活用した支援策を検討していると話した。市のふるさと納税サイト「さのちょく」経由で寄付金を集め、在日ウクライナ大使館を通じてウクライナの人道支援などに役立てる方針だという。同市はこれまでもふるさと納税制度を活用して被災地などへの支援を募った実績がある。支援目的のために寄付した人への返礼品は設けられない見込みだが、住民税などの控除の対象には含まれる。

◆「首相がガソリン税軽減の検討をするというので予算案に賛成した」(2月22日、国民民主党の玉木雄一郎代表)――記者会見で。2022年度予算案の採決において野党の国民民主党が賛成に回るという異例の方針を打ち出した理由を問われ、「首相と直接話し、覚悟を決めたためだ」と話した。賛成の決め手となった事項として、ガソリン税を一時的に軽減する「トリガー条項」の凍結解除について首相が検討を明言したことを挙げた。国民民主は昨年の衆院選の追加公約でトリガー条項の凍結解除を掲げており、与党側と立場を同じくすると判断したという。一方、衆院選で国民民主と「野党共闘」をともにした立憲民主党の泉健太代表は「政府から納得のいく見通しが取れたのか。信じがたい対応だ」と批判した。

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デフォルト

 デフォルトとは一般的に契約上の義務を果たさないことを言うが、特に金融用語としては、国債や社債を通じて資金調達した政府や企業の資金繰りが苦しくなり、利息や元本を期日までに支払えなくなることを指す。債務不履行とも呼ばれる。政府がデフォルトに陥った例としては、巨額の財政赤字で2015年に債務が支払えなくなったギリシャや、9度の債務不履行を起こしたアルゼンチンなどの例がある。
 デフォルトに陥るリスクの大きさは、発行体の財務状況や経済・金融環境をもとに格付け会社が分析した「信用格付け」で示される。評価は一般的に信用力が最も高い「AAA(トリプルエー)」から最も低い「C」まで9段階に分かれ、「BBB(トリプルビー)」以上が投資適格、「BB(ダブルビー)」以下は投機的とされる。
 政府や企業は、格付けが低ければ低いほどデフォルトに陥るリスクが懸念されて投資家からお金を集めにくくなる。一方、投資家にとって格付けが低い債券はデフォルトのリスクがあるものの、価格が低く利回りが高くなるため、投機の対象とみなされることがある。
 格付け会社のS&Pグローバルは2月25日、ロシアの長期債務格付け(外貨建て)を「BBB-」から「BB+」に引き下げた。ウクライナ侵攻による欧米諸国の経済制裁がロシア経済に重大な影響をもたらすと見ている。

押さえておきたいIT用語

アフィリエイト広告

 アフィリエイト広告とは、インターネット上の広告媒体で自社商品やサービスを紹介し、出品先のオンラインショップやECサイト、自社サイトに誘導する手法を指す。記事形式のウェブサイトやメールマガジンといった広告媒体に広告主のECサイトや商品紹介ページに移動するリンクをはり、コンテンツの内容に興味を持った閲覧者が商品購入や会員登録をするよう促す。
 広告媒体の制作者(アフィリエイター)に支払う報酬は、商品の販売件数や販売額、サイトの閲覧数などに対応して決定する。消費者庁によると、成果報酬や手数料をあわせた市場規模は3000億円を超えるという。また、正確な数は不明なものの、1万1000程度の広告主がアフィリエイト広告を利用しており、掲載サイト数は600万に上ると見られている。
 アフィリエイト広告は、専門の広告企業が運営する大規模なものから個人が運営する小規模なものまで、さまざまなウェブメディアで展開されている。特に近年はブログやSNS(交流サイト)を使って手軽に始められるようになっているため、個人が副業にするケースも増えている。
 市場が拡大するなかでサイトの閲覧数の獲得競争が激化しており、消費者に購入を煽るような誇大広告や虚偽内容の掲載といったトラブルが社会問題化している。

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